よみびとしらず。

あいどんのう。

硝子のなかのそと

2018-01-25 08:51:00 | 散文(し)
そんなこどもに目をこらす
こどもは主張した
「自分は硝子でできている」
「ばらばらに砕け散るのが真実だ」

本当は硝子ではないこどもたち
硝子のなかにいるだけで
その身はやわらかく、あたたかい

たとえ硝子が砕け散ろうとも
あなたが砕けることはない

そんな言葉は聞きたくないと
硝子のなかの子は耳をふさいで目を閉じる

あたたかな涙で、硝子が砕けてしまわないように

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