よみびとしらず。

あいどんのう。

眼鏡無→有の絵〜5月分

2018-07-30 16:13:36 | 備忘録 絵
別のブログにあげている絵ですが、そちらのブログではカテゴリー分けがよく分からないのでこちらでまとめます。 はじめはメガネなしで描き(何もみえてない)、その後メガネをかけて仕上げた絵。 向かって左がメガネなし、右がメガネあり。 横向きに描いた絵も、便宜上すべてたて向きにしています。 . . . 本文を読む

2018-07-30 14:14:51 | 散文
かいなに抱かれた幼子(おさなご)の みた夢は現に続けども 目をあけてみた世界に夢はなく なくした悲しみに赤子泣く 幼子の世界に満つ歓びは 空かけめぐり風となり 歓びを世界にともすとも 火の明かりともす暗闇に また静かなる夜はくる 見えぬ海続く暗闇の 波音(なみね)は絶えることもなく いつかみた夢を知る海の 闇を飲む波に背を向ける 視覚によらないさざ波は それでも記憶のそこにあり たとえ海か . . . 本文を読む

からだうた

2018-07-28 10:03:20 | 散文
熱のこもる身体を抱いた大地は 清らかな風をまとわせて いやしみずの調べをかぎわけよ 強すぎる光にある影の 瞳に沈んだ鏡がひとつ ひび割れたままの姿して 光さえぎるこの身は燃ゆる 守ることこそ我がいのち 彼は誰時に会う片割れの 伸びる手つかむ 手をつかむ . . . 本文を読む

ツミキ

2018-07-26 22:11:08 | 散文
キツネとタヌキとテングに会いました。キツネがまいごで泣いていたので、お社までつれて行きました。 お社につくとキツネは言いました。 「お礼になにを望む?」 遠くでゴーンゴーンと鐘の音がきこえます。除夜の鐘でしょうか。 わたしはキツネに答えました。 「よいお年を」 目がさめるとわたしはふとんの中にいて、そのとなりにはタヌキが寝ていました。 わたしはタヌキを起こして言いました。 「おとなに見つか . . . 本文を読む

演舞

2018-07-24 13:08:34 | 散文
とん、とと 舞いながら 願い とん、とと 舞いながら 戦う 思いが叶うかどうかは問題ではなく 届くかどうかも定かではない 俺はただ、踊るのだ とん、とと (しゃんしゃん) とん、とと (しゃんしゃん) 聴こえる気のする鈴の音は 遠くの外から 近くの内へと 鈴音に重なるお前の姿は 現し世(うつしよ)に生きる歓びを いつか円舞の重なる日まで どうか幸せでありますように . . . 本文を読む

トンネル

2018-07-22 16:00:07 | 散文
トンネルで迷った蝶々の影 その羽は漆黒におおわれた トンネルの黒とは異なる種類の黒色に トンネルのなかをうねりゆく 真夏の風は蝶々の姿を翻弄し 右も左もなくなるも 始まりと終わりの光は常に 蝶々の到来を待ちわびる 迎えにいくことは能わずとも 迷わぬ思いをただ差しのべた 誰かの手に似た、一筋の光 一直線上の暗闇で 迷子の蝶はしかし、トンネルを抜け 抜けた先の光明(こうみょう)はあきらかなる . . . 本文を読む

diary

2018-07-21 10:45:36 | 散文
通り雨に包まれた 気のせいにしたかったことは 気のせいなんかではなくて 気のせいになんかにできないと知った時 雨はやみ 私は歩き出すしかなくなった 晴れ渡る空のしたを歩くことは 思いのほか大変で たとえ日傘をさそうとも 助けを求めれば雨は降り 潤いに満ちた世界で私は 傘をさしひとり歩いていく 傘から滴り落ちる雫(しずく)は 私の涙と重なって 塩辛い海へと繋がっていく 身体はその場に残されて 傘 . . . 本文を読む

とうるり

2018-07-20 15:15:29 | 散文
鳥通る桃李取る道理の調べに 道ゆき紅ひく童女は ミューズに従い瑠璃色のカンバスを 空に投げ入ればカンバス割れて 青い鳥は白雲を目指しはらはらと 此方から彼方へと飛んでいく 桃李取り喜ぶ幼子に 通る鳥取らんとするおのこ 道理は十里を駆け抜けて 千里の道も一歩から 夢や現に通ずる道は 迷いの森のその先に 通り通らぬ通りゃんせ 取るは通りの道理のトリを 鳥の通ったその道へ 浄瑠璃の色音に耳すます . . . 本文を読む

2018-07-18 13:05:07 | 散文
どこまで行ってもマクの中にいる マクの中は息苦しさと緊張感に満ちていて わたしはマクの外を目指すけれど 辺りはどこまでもマクの中で 駈けても駈けても外には出られない そのうちにわたしは いっそ内側を目指すようになり くるんとひとつ、ひっくり返ってみれば ぱちんと弾けて弾けたわたしは シャボン玉になった ゆうらりゆらりと 不安定に空を舞い、海を目指す いずれカラスがわたしを見つけて 其の黄色 . . . 本文を読む

赤い糸

2018-07-16 18:38:19 | 散文
赤い目の兎に誘われて 眠りのなかにぬくもりは いつまでも覚えぬ夢のなか どこまでも叶わぬ再会に とこしなえに続く糸をはい たとえこの身の朽ちるとも いつの日か夢は現(うつつ)へと どこまでものばしたこの指に いつまでもたくした糸を絡めて 赤い目の兎はじっとみる どうか、この願いが叶いますように 糸を縒る(よる)とばりの夜は過ぎ 空をうつす海の波間から また新しい朝を告げる日が昇る . . . 本文を読む

夏日

2018-07-14 14:07:10 | 散文
風に揺れ鳥の鳴く 蝶々はゆらめき陽炎に立つ ゆらいだ蝶々は少女と重なり 麦わら帽子は飛んでいく 蝉のざわめきに空は青く 少女の汗は滴り落ちて 落ちた雫(しずく)は影もなく 少女はかつていた場所を思い出して 海へとかえる 潮騒に 階段駆けのぼる少年の 弾む息のかたわらには蝉のぬけがら 何も知らないはずの少年に一切の迷いはなく たとえ何もかもを知り得ずとも 全ては熱のみなわに覆われて 引く潮 . . . 本文を読む

後悔

2018-07-12 20:33:40 | 散文
いつもわたしの後ろに立っている後悔を わたしは立ち止まって振り返り 後悔を抱きかかえてくるりとまわり わたしの前に置いてみた すると後悔はその場でぺたりと座りこみ 「ここは僕の居場所じゃない」 「こんな場所知らない!こわい!」 と大声をあげて泣き出した 後悔は先に立たないというのは本当なんだなと わたしもその場に座りこみ 泣きじゃくる後悔をいつまでもまじまじと見つめていた . . . 本文を読む

時間或いはHOPE

2018-07-10 08:30:29 | 散文
ずっとお願いしている ちょっと待ってちょっと待ってと だけど貴方はちっとも待ってはくれないから 私はたとえどんなにそれが苦しくとも 自分の足を動かすしかなくて いろんなものを置き去りにしながら 必死で貴方の後を追う . . . 本文を読む