よみびとしらず。

あいどんのう。

水の色彩

2019-02-12 22:42:07 | 散文
水にゆられて 夢にはおちずに
空は青色
雲間からさしこむ光を傘で遮断した
その傘の柄つかんだ手のひらは色彩を育み
にじんだカンバスに月明かりひとつ
ゆらゆらと道はゆがむ
真昼の月に夜のぼる太陽
双子はそれぞれ西と東へ
どこまでも行っても再会はあたわず
道はゆがんだ
水にゆられて 糸ゆらめいて
重ならぬ手のひらは光を遮った
目眩くことなきよう
大切なあなたをまもるため
傘はかさならぬ
くるくると廻り 時は重なり鐘は鳴る

からだは圧(お)されて身動きとれず
息を吸うことすら上手くできない
水のなかから出たはずの私たちは
やっぱり水にとらわれて
ゆらめくその水の色彩は一体なんであったのか
手のひらは知りつつも答えを知らず
水の色もとめて
今日も私は空をながめる
空は青色
水の色はどこまでも見つからない

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