よみびとしらず。

あいどんのう。

2022-12-12 12:18:41 | 散文
泥濘の淵に立ち
美しい世界を誰よりも望む
わたしには縁のないものと手を伸ばし
それが手に入らないからと拒絶した
この穴だらけの感情を
黒く塗りつぶせばわたしは癒される
なんて遠くかけ離れた水の底
すべてを閉ざせば彼方は間際
さわさわと触れる
温もりも冷たさも同化した風のなか
耳をすませばわたしの瀬戸際
ぽんと花ひらく音がした

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