よみびとしらず。

あいどんのう。

リバース

2019-02-10 23:23:53 | 散文
逆さまの傘に雨たまる
ぽたぽたしたたり雲晴れるまで
したに落ちた空のすきまからみえた青色に
天までとどけと龍のぼる
きえた姿は白き煙におおわれて
ひらいた玉手箱は時さかのぼり
貴方はふたたび始まりの場所で泣きわめく
逆さまの空にのぼる月
ひっくり返された昼夜の果てに
いつかみた鳥は目的も忘れて海を目指した
夜のとけた海のそこでみる夢に
目隠しされた光の向かうべき行く末よ
皆目見当もつかず有耶無耶(うやむや)のまま
シルベなき道に立たされて
泣いても始まらない場所で私も泣こうか
笑顔のさきに落ちた涙から
雨は産まれて虹がかかった

蛇は食べた林檎を吐き出して
空かかる虹に挑むも手も足もでず
吐き出した林檎から草木は芽吹き
落ち葉は風に乗り北の空輝く星に手をのばす
星に届かぬ落ち葉を狐はひろい
落ちた葉は息ふきかけられて塵(ちり)となる
塵となった落ち葉はさらに天高くへと舞い上がり
星に焦がれた思いごとすべては散り散り
はらはらと
砕けた思いは地上に降り注ぎ
いまなお馳せる 星に願いをと

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