よみびとしらず。

あいどんのう。

SLEEP

2021-03-01 13:39:50 | 散文
眠らない子と眠れない子の毎日は
一方は快適でもう一方は苦しくて
交換しても夜は同じ長さで僕たちの元へとやってくる
眠りから目覚めるための口づけも
わたしたちには不要なものだと
夜を踊り明かしては明るい朝となり
眠らない子も眠れない子も
朝(あした)の光に希望を見いだすことはなくなった

また夜は更けふたりの瞳は冴えわたる
月明かりさえふたりの居場所には届かずに
前を見据えてもなにも見えることのない夜のなか
悲しみと歓びは幾重にも交差し霊幸(たまじわ)う
神様も眠る夜明けの晩に
眠ることのない夢に入りて
わたしたちは目を開けたまま朝を待ち
深い眠りに口づけた

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