よみびとしらず。

あいどんのう。

サン

2021-04-02 10:13:15 | 散文
全てのいとなむ営みに
活力を与えたのは明るい太陽
僕は嫌いだと否定した
それでも無くならない身勝手な明日に
ささくれ立って噛みついたのは
こっちを見て欲しかったからでは絶対にない

絶対に違う間違った本音は
誰にも僕にも見つからないよう頑丈な箱に押し込めた
それはいつしか宝箱となって輝きを増し
見て見ぬ振りも難しくなって僕は地団駄を踏みたおす

その美しさにもんどり打って拳をふるう
触れることなど出来る筈もない
拳は空をきり身体は明後日の方向へねじれ曲がって筋を違えた
その痛みから流す涙に
太陽はぬくもりを求めて手を差し伸べた

僕はきゅっと息をつめて石となる
石なのに心の臓の音は大きくバクバクと破裂しかけて
もういっそ破裂するがいいと目を閉じた視界から太陽は消えた
ぐるりはいつの間にか夜となり
ここに太陽の居場所が無いのは当然の理(ことわり)と僕は頷き立ち上がる
太陽の昇る方向はちゃんと知っている僕は賢い人間なのだからして
あまり賢くない選択であることは重々承知したうえで
僕は僕の宝箱を抱えて明日を目指した

朝日のぼる明日に、君に会いたくて
GOとcue(キュー)を出した僕の指先は 
光に触れてこの身は感謝の雄叫びをあげる
太陽の在り方などはとうの昔に知っていた

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