<ハルカス>高さ300m…ビルの秘密探る 7日全面開業
毎日新聞 3月6日(木)21時18分配信
窓の明かりで「あす」「オープン」と表示されたあべのハルカス
=大阪市天王寺区で2014年3月6日、金澤稔撮影 より
大阪の新たなランドマークとして期待される、高さ300メートルの日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が7日、全面開業する。午前10時に開業式典が開かれ、正午に最上階60階の展望台が初めての観覧客を迎える。横浜ランドマークタワー(横浜市西区、296メートル)の誕生から約20年ぶりに日本一を更新する“びっくりビル”の秘密を探った。
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◇なぜ300メートル?
近鉄百貨店阿倍野店を建て替えて大型複合ビルにする計画が動き始めた2006年秋の段階では、ビルの高さは約270メートルの予定だった。航空法で、290メートル以上の建築物が建てられない規制があったためだ。
だが07年春、阿倍野地区の航空法制限が撤廃された。設計・施工を受注した竹中工務店側が「どうせなら日本一の高さにして、名所にしませんか」と近鉄に持ちかけたという。
400メートルでも良かったのでは? 近鉄幹部は「ビルの高層部分に入れそうなのはオフィスやホテルくらい。あまりに高くしても使い道がない。300メートルは切りが良く、無駄なスペースが出ないぎりぎりの線だった」と明かす。
◇不思議な形
「ただ高いビルを造るのは簡単。でも地域になじむ外観で、地震や台風に耐える300メートルのビルを建てることは難しかった」。設計を担当した竹中工務店の九嶋壮一郎さん(37)は話す。
ハルカスは強い揺れの地震をもたらす上町断層帯の上で、大阪平野特有の強い西風も吹く“ビル泣かせ”の場所に立地する。それゆえ、特殊な形状が考え抜かれた。
揺れを小さくするため、西風を受ける西側と東側の面積を、南北側より小さくした。北側から見ると段々になった形も、揺れを抑えるために綿密に計算されて採用された。
15階などフロア地図で空欄になっている階は、地震による揺れや変形を抑えるために3種類の鉄骨を組み合わせた「筋交い」が設置されている。外から見るとフロアの間にナナメになった大きな金属が見える。
◇省エネ仕様
全面ガラス張りのハルカスは、夏は暑いのでは? 心配はご無用。ハルカスの省エネ性能は高い。
吹き抜け部分を作ることで縦横に風が通る構造にした。夏場には夜間に外気を室内に入れて温度を下げ、翌日の日中の冷房使用を抑制する。窓は二重構造で、外側と内側のガラスの間に風の通り道があり、そこを通って直射日光で暖められた室内の空気が屋外に出る仕組みだ。
低層階にある百貨店では一年を通して冷房を使うため、冷房の廃熱を上層階にあるホテルの給湯施設に利用する。飲食店から出た残飯を集め、発酵させて作ったバイオガスを発電などに使う設備も作った。竹中工務店の秋山哲哉さん(31)は「自然の光や風が入る地上の街のようなビルにしたかった。日本一、環境に優しいビルになった」と胸を張る。【古屋敷尚子】
※ジジイのたわごと
人間が作った物の安全設計に100%完璧な物はないから、想定外の天変地異に遭遇しないのを祈るしかないであろう。
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