チョコハナな日々

ちょこっとした日常のさまざまなことに対する想いを書いていきます。

1250キロの旅で②

2009-08-19 | 風見 治さんとハンセン病問題
「自分達で朝食は準備しますので」といいながら、翌朝起きても何もない。
敬愛園の中に売店があるが、朝の7時には開いていない。
部屋の中にあった近辺の地図にコンビニも書いてあった。
しかし、連れ合いは「見てもわからない、近くてもここから3キロはあるぞ、ナビに頼ろう」と、機械に導かれウロウロした末、朝食を持って戻ってきた。

食べ終わる頃、部屋をノックする音が....。
風見さん、えらく早く来たなと思うと、Mさんがコンビニの袋を持って立っていた。
「これ、よかったらどうぞ」と、サンドイッチやおにぎりと飲み物が入った袋を差し出した。
気がきくMさんは出勤前に自腹で買って来てくれた様子。
もちろん、「もう食べました」といったのだが、せっかくなので礼をいって頂いた。
Mさんの好意にじんわりとしていると、今度は風見さんが訪れた。

風見さんの家まで行く途中、赤十字のマークの入ったミニバンを見かける。
園の中に病棟があるが、そこに入っている方をタクシーのように園内を連れて行く。
風見さんも連絡すれば、今いる場所に迎えにきてもらえるそうだ。
Mさんもいっていたが、ここは「ひとつの町」だと、そういうように道路もあり車は走り、病院、美容院、簡易郵便局、納骨堂、公会堂など何でも揃っている。
以前は、この中に火葬場もあった。

「ここなら若いから、みんなから可愛がられるよ」「声出しても大丈夫」などと風見さんがいう。
確かに、ここの園なら娘はのびのびできそう...な気がする。
うちの子は「じいちゃん、ばあちゃん」と、お年よりも好きなのだ。
ある意味、不自由がない暮らしができるかもしれないが、やはり隔離された感じは拭えない。
昔と違って、周りを囲っていた高い塀はない、ないが、お年寄りだけの町というのは何か物悲しく感じる。






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