ブラームス ピアノ協奏曲第１番 バレンボイム／クーベリック／バイエルン放送響

ブラームス
ピアノ協奏曲第１番

ピアノ…バレンボイム　
指揮…クーベリック　
演奏…バイエルン放送響　
好み度…4.5（5点満点）

クーベリック／バイエルンの透明感と深みを同居させた響きとバレンボイムの熱と大きさを同居させた響きとで、透明感と力強い大きさを感じさせる聴き応えのある演奏となっている。
バイエルンの響きは厚く低弦も効果的に響きながら圧力に辟易とさせることなくこの曲に透明感ある厚みを与え、バレンボイムのピアノは円熟とか完成度とか言うのではないがスケール感と余韻を感じさせる情を帯び、この人の場合は上手い下手というよりこの臆面もなく発揮される推進力のある力強さと熱さが武器なんだな、と悪い意味でなく感じさせる。終楽章も力に満ちている。
バレンボイムのピアノはミスタッチとかは結構あるのだろうけど、それを引いても大きさと熱い情はなかなかに魅力であり個人的には指揮者としてよりピアニストとしてのほうが好感を感じる。
ライブということもあるかもしれないが、熱さと透明感と大きさと、そういったものが重い曲想と自然に一体となって、聴き応えのある演奏のように思う。