好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第4番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-06-05 21:01:58 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)

このコンビはここでもやはりこのコンビらしい。
細部まで気を配った乱れぬアンサンブルや、美しい弦と木管、ときに少し意表を突くような鋭い響きの金管。深く美しいブラームスである。
第1楽章はゆっくりしたテンポで、透明感と深みを併せ持った独特の雰囲気を持ち美しい。
繊細な哀愁というか寂寞感のようなものも漂わせているような印象を受ける。
そして叙情楽章である第2楽章はこのコンビでしかできないような宗教的とも感じられる響きが何とも美しい。
チャイ5の第2楽章冒頭、新世界の第2楽章中盤…このコンビは聴きなれたはずの箇所でそれまで感じることがなかった深く厳かな響きを浮かび上がらせる。
騒ぎ過ぎない第3楽章も趣がありこの演奏に合っていて、終楽章も遅めのテンポでたっぷりの、ときに悲壮感にも似た叙情性も漂わせ、繊細で深く密度の濃いものである。
第1、第2楽章でも感じられるが、静寂を意識させることで各楽器の美しさを引き立たせるというか、そんな美しさも感じられる。
ブラームスらしい重量感とか渋さとか云々というより、チェリらしい、情念をも感じさせるような美しさがよく出た、この盤にしかない魅力を湛えた名盤だと思う。

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