ブラームス
交響曲第2番
指揮…ヴァント
演奏…NDR
好み度…セッション4 ライブ4.5(5点満点)
ヴァントのブラ2にはNDRとのセッション(1983年)とライブ(1996年)のものがある(私が知ってる範囲では)。
セッションの演奏はどちらかといえば穏やかな雰囲気の、良演とは思うが印象としては特に可もなく不可もなく、といった印象。ただ、終盤の盛り上がりは厚く力感と爽快感もあっていい感じ。
ライブ盤も快活な明るさなどを感じさせるタイプではないが、ブラームスのじわりとした重みと滋味が感じられるようなところがあり、セッション盤との比較では第1楽章・第2楽章では同じ穏やかでも表現力が深化した感があり、終楽章の活力もライブ盤に分がある。第1楽章の弦による主題はしっとり美しく、弦が追いかけるように重なり合うところは下降する弦が美しく聴こえるし、第2楽章も冒頭はじめ落ち着いた重みと広がりのある響きが美しい。終楽章も重みと活力を程よく兼ね備えて味わいと爽快感が感じられる。このライブ盤の全集は第一に4番、次に1番が評判のようだが、ゆっくりめのテンポで華やかさや明るさとは別の魅力をもった、どうしてこの2番も地味だが味わい深い名盤の域かと思う。