好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 キーシン/ゲルギエフ/ロンドン響

2015-11-14 23:55:26 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…キーシン
指揮…ゲルギエフ
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

冒頭から雰囲気を湛えて引き込まれる。
オケもピアノも情感豊かにスケール感を感じさせる。
叙情部のピアノは1音1音美しく、第1楽章中間の強奏部ではオケもピアノもゆっくり踏みしめるような強さを持ち、その後のピアノと沈んだ美しさの弦との協奏も美しい。
第2楽章も終楽章も、瑞々しくも心地よい広がりと情感を感じさせて美しい。
第2楽章は温かみのある情感とかいうよりは、むしろ夢の中あるいは幻想的であり、
終楽章もほどよい厚さと強さの中にたっぷりの叙情性を感じさせて美しい。
ネットでの記述などによればキーシン16歳、ゲルもどちらかといえば売出し中といった時期の録音のようであるが、
ピアノもオケもこの曲によく合ったスケール感と力感と、重さはあまり感じないが少しのほの暗さを湛えて美しく、
3番に比べると個性の出にくい2番にあって、幻想的なスケールを湛えたラフマニらしい情感を感じさせる、ありがちではない演奏であり、私にとっては結構な名盤。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」

2015-11-14 23:52:33 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…ヤルヴィ(ネーメ)
演奏…エーテボリ響
好み度…4(5点満点)

アンサンブルや弦や金管の響きは水準以上、内声もほどよく効かせながら縦の線もしっかりしていて、優れた演奏だとは思う。
ただ、それ以上の力感や情感には欠ける感はある。
第1楽章はやや速め。展開部のクライマックスこそなかなか盛り上げているが、第2主題もきれいではあるがあっさりだったり、全体的に力感・情感ともややもの足りなさを感じる。
第2楽章はワルツらしい軽妙な雰囲気もよく出て、第3楽章前半ともどもいろんな音を軽妙に聴かせてくれてなかなか達者な感を受ける。第3楽章後半は力と元気を感じるよくまとまったなかなかの仕上がり。
終楽章も慟哭とか悲壮感とかを感じるタイプではないが、しっかりした響きで美しく聴かせている。
しっかりした響きの、オケとして高い技術を感じる良演と思う。ただ、やはり力感とか情感あるいは特有の雰囲気という点でやや不足の感があり、今ひとつ感銘に欠ける感はある。
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ブラームス 交響曲第1番 ドホナーニ/クリーブランド管

2015-11-14 23:47:15 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ドホナーニ
演奏…クリーヴランド管
好み度…4(5点満点)

重かったり渋かったはしないが、そればかりがブラームスのよさじゃないことを感じさせるような、なかなかの良演。
洗練され透明感を伴った厚く美しい響きに線を揃えたアンサンブル、明晰で若々しい力感、こういうブラ1もありかな、と思う。
第1楽章の迫力や終楽章の推進力もなかなかの聴き応え。第2楽章や第3楽章はおごそかとか美しいというよりは清清しい。
個人的にはフィナーレの凱歌がちょっと軽いのが他がよいだけにかなり残念ではある。
特に変わったことをしていたりある側面を強調したり、といったことをしている演奏ではないが、例えるなら勢いのある新緑のような力感が印象的な、この盤ならではの良質な雰囲気を持った好盤である。
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