我が家の愛車はBMW330iカブリオレ。
残念ながら我が家ではファーストカー。
チビは無駄に屋根が開くのを喜んでくれているが、
奥さんはその狭さや乗り降りのしにくさにおかんむりである。
まあ、それも当然だ。
わざわざ4ドアから2ドアに乗り換えたのだから。
それも同じBMW、同じE46という型式。
「屋根が開くと愉快なはずだ」との理由だけである。
お金を出す奥さんは「愉快」なはずがない。
思えば、無闇に乗り換えてきた。
初めて買ったのが、カリーナED。1987年のことだ。
当時、人気沸騰のラグジュアリーセダン。
EDといっても、そっちの方ではない。
「エキサイティング・ドレッシー」の略である。
時代は狂っていたとしかいいようがない。
それから、シルビア。1990年ごろか。
当然、ドッカンターボのハイエンドモデル。
これは結納の一週間後に買った。当然、民衆の反感もかった。
EDは五年ローンだったので、当時は二台分のローンを払っていた。
結婚したばかりの妻は、暗澹たる気持ちにかられたらしい。
そんなこんなしているうちに、バブルが本格化。
私も当然、「脳内バブル」に陥り、出たばかりのRX-7を購入。
スカイラインのGTRと最後まで悩んだ。
奥さんはもっと悩んだ事だろう。
当時、山口にいた私。県内で二番目の納車だった。
そして広島に帰り、チビが奥さんのおなかに。
「こんな足回りの硬い車は、君にも赤ちゃんにもよくない。何よりベビーカーも積めない」と、饒舌な訪問販売員のような私。
レガシーワゴンに乗り換えた。
グレードは当然、いっちゃん高い奴。
足回りはガチガチのハイパワー車だったのは何故だろう?
そして東京。
無闇に外車が走っていた。
気付いたら、BMW325iのMスポーツに乗っていた。
故障知らずで、ドイツ車らしい剛性感。
すこぶる気に入った。
二年後、その剛性感では明らかに劣るカブリオレに乗り換えた。
まるで、整合性のない人生である。
そして先ほど、いつものカフェにオープンで乗り付けると、
ポルシェターボSのカブリオレである。2188万ペソである。
高い。物凄く高い。
しかし、これまで車に投じてきた額は、これを軽く上回るのも事実。
崖ににじり寄っていこうとする「自分」を感じた…。