まあ、いろいろやってきた私ですがね、
いやあ、今回は大ネタですぜ、旦那。
げふふ。
我ながら驚いたお話は、ころっけとともに始まります。
「ねえ、どこ行くの?」
彼女も行きたそう。
「行かせないぞ」
ドアの前に陣取ります。
ダーメ!
お父さんはもうサイクルウェア。
今日はロングライドだから、ころっけは行けないの。
ばいばーい。
なぞとゆーことで、若干遅れ気味の午前11時に出発。
最近、飲み屋でムダな毒を吐いてばかりの私。
大いに反省しており、毒を吐くなら反吐を吐こう!、と。
久しくご無沙汰の「お隣さんシリーズ」の挙行である。
今度のターゲットは島根県。
ルートは、宇品から廿日市経由で吉和。そこから益田を攻めるのだ。
70キロ弱。
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=d5fc5a63e28de13cc7ad523fcb6f43ea
時速20キロで行けば、まあ、3時ごろには着くだろう、と。
帰りはずっと下りだし、いやあ、楽勝だな、と。
灰色の脳細胞を駆使し、そう導いたのでありますな。
一路、西へ!
坂、ありけり…
廿日市から旧佐伯町へ抜ける峠。
延々と坂が続き、ヘロヘロである。
しかも、寒いし…
もう春だってゆーのに、雪がちらついてきた。
おうちの周りは、あったかかったのになあ。
って、海沿いだろ、当たり前だよ、お前さん。
よーく考えれば、この日は全国的に大荒れ。
中山競馬も強風のため、開催が遅れたぐらい。
雪は舞うわ、風は強いわ。
心が折れそうです。
そんな時に勇気付けてくれるのは、これ。
ぺろりと平らげ、また走り始めました。
で、今回のもう一つの目的地に。
じゃーん!
そう、「落ちない石」。
チビの受験前にやってきて、今日はお礼参り。
http://happy-go-lucky.blog.ocn.ne.jp/pog/2009/01/post_a555.html#more
どうもありがとうございました。
峠を越えると意外に楽。
ただ、どんどん寒くなってきます。
木々もうっすら雪化粧。
幼馴染だったら泣いて喜ぶ地名が書いてある標識。
30年以上前、学校のキャンプで来たよねえ。
でも、よく見ると、つららじゃん(笑)
それでも、必死にペダルを踏み込みます。
何とか吉和にやってきました。
さあ、いよいよ488号線。
ここはなかなか強敵です。
ほとんど林道。
何で知ってるかとゆーと、コレ。
http://happy-go-lucky.blog.ocn.ne.jp/pog/2006/10/post_14aa.html#more
まあ、とにかく物凄い道なんですよ。
で、若干びびりながら、入り口までやってくると。
これだよ…
思いっきり、おどろおどろしい標識群。
「お帰り!」
ってなもんである。
しかし、ムダですね。
こう見えても、あたしゃ、
「やっていいことと悪いことがわからない」って、
ずっと通信簿に書かれ続けた男である。
ここいらで退くよーなタマではありません。
で、ずいずいと。
「イヤッホー!」ってなもんである。
傾斜はそんなにきつくありません。
理想的な林道コースですね。
雪さえなければ…
いやあ、志賀高原かと。
あたしゃ、春の格好のわけですよ。
手袋は夏用なわけですよ。
もう、地獄…
それでも、ずんずん進みます。
もうやけくそです。
ところが、一時間かけて10キロ近く進んだところで、
動かなくなりました。
何が?
自転車が…
凍っちゃったんです、自転車
だって、こんなとこを走ってたんだもん(笑)
前後輪ともブレーキの間に雪が入り込み、
しかもしっかり凍っちゃいました。
車輪、まったく回りません。
いやあ、凍るときって一瞬なんだねえ。
思わず笑った私ですが、
冷静に考えるとかなーりの窮地。
これからどーすんの、俺、と。
落ち着こうと、ヘルシア緑茶を飲もうとしたら、
カッチンコッチン。
これまた凍ってます。
おそらく零下5度ぐらい。
で、この辺、何で写真がないかとゆーと、
携帯の電源が切れちゃったから。
いやあ、どーよ、この展開。
とりあえず、山を下るしかありません。
自転車を担ぎ上げ、歩き出す私。
クマが出てきそうだから、
「森のクマさん」を朗々と歌い上げます。
街中なら、ぱくられますね。
県境まであと1キロ。
そして、辺りは真っ白。
雪まみれの撤退です。
まさに、地獄のホワイトデーである。
夕闇に包まれた中国山地を歩くこと二時間弱。
ふもとの商店にたどり着いたのは、もはや夜である。
電話を借り、奥さんにSOS。
私 「今すぐ、吉和に迎えに来て!」
奥さん 「ええっ! 今、手が離せないのに…」
私 「ムキーーーーーーー! いいから迎えに来て!」
ガチャン!
その後、約2時間、
私に温かい空間を提供してくださったのは、
「レストラン吉和」さんである。
ありがとうございました。
で、救世主がやってきました。
ヘロヘロな私に代わり、
母子で、「吉和」さんのご主人に丁重にお礼をなさってます。
つくづく立派な方々である。
悄然と後部座席に乗り込んだ私。
そして、若干の侮蔑を含んだ笑みで、振り返るチビ。
「お父さん、楽しかった?」
で、奥さんはとゆーと、
私の電話を受けたとき、
病み上がりのジジイの介護をしてくれていたらしい。
民衆のみなさん、本当にモウシワケアリマセンでした。
このルート、来月までとっときます。
とゆーことで明日は、
雪のない、瀬戸の島々を攻めることにいたします。
いやあ、死ぬかと思った…
追伸
雪中の彷徨、おみやげがありました。
何と、凍傷
その後、「指先の感覚がないなあ」って思ってたんだけど、
ひでじろうさんから「そりゃ、凍傷でしょ、けっ!」と。
いやあ、つくづくバカですなあ(笑)