メディアの災害報道を見直すべき

熊本地震に関するメディアの上から目線の映像や、無神経な取材に対する地元からの憤りの声が絶えない。

これは視聴率をいかに上げるか常につきまとうメディアの課題からきているものだが、これはスポンサー(提供社)が視聴率の良い番組に出したいという心理が働くため、視聴率を上げようと躍起になる。
言い換えるとスクープ映像が多く出せれば見てもらえるという事で、ネタになりやすい被災地に張り付いているという事になる。

張り付けば宿泊・飲食・燃料が必要となるが、多数のメディア関係者が宿泊すれば、鉄筋コンクリートの建物で休みたい被災者が宿泊できない事態を生む。
飲食についても長期滞在となれば現地調達となってくるため、被災地で物資の調達ができていない中で横取りという事態を生んでしまう。
燃料についても現地で配送や営業に影響が出ている状況で給油が必要となる。

こうした中でも視聴率を意識してスクープ映像を欲しがる姿は、被災者から見ると見せ物にされたように受け取られ、あちこちから憤りの声が出てくる事態となった。

災害非常時報道についてはNHKは別として、民放は報道ネットワークの地元社が輪番で行う体制に留め、被災地の情報源にもなる情報発信に的を絞るべきである。

実際に資金力・取材力の乏しいテレビ東京系列は、あえて無理な取材をせずに通常放送をしているが、抗議が多数あったものの災害報道に滅入る人にとって癒しになったという声も多数あり、あえて通常放送をするというのも大きな役割なのではないだろうか。