中内功氏が1代で最大で年間2兆円の売り上げまで成長させてきたダイエー。
イオンが完全子会社とする事を決め、ダイエーを北海道と九州はマックスバリュなどに早期転換、首都圏や関西も別の名前(イオンフードスタイル)や新業態に順次切り替え、2018年には店名(屋号)が消滅する事となった。
マイカル破綻の際に支援をしてきたものの、サティやビブレの名称はなくなり、マイカルという会社自体をイオンリテールに吸収合併で消滅させた経緯から、ダイエーも同じ運命を踏む場合は、マイカルのように影も形もなくなる。
ダイエーの全盛期に誰がこんな末路を辿ると予想しただろうか。
セブン&アイホールディングスは、成長が見込めないイトーヨーカドー筆頭の体制に見切りをつけ、高齢化社会で近くて便利なコンビニとしてセブンイレブンを筆頭とする体制に転換したのだが、これが奏功してイトーヨーカドーの不採算店を整理しセブンイレブンの出店を継続している。
ダイエー経営危機での身売りは専ら球団ホークスの動向に関心が集まっていたのだが、球団はそもそも資金力のある会社が運営すべきなので売却が正しかったと見る。
ダイエー本体もイトーヨーカドーをはじめ軒並みスーパーマーケット事業は伸びが見込めない時代に入ったので経営が傾くのも無理はない。
しかしダイエーの経営が完全に行き詰まらせる最大の要因はローソンの売却である。
コンビニは当時伸びる業界で、ダイエーにはセービングというブランドがあり、仮にローソンの低価格化の波が来てもプライベートブランドを生かす事ができたからだ。
後出しジャンケンをしても仕方ないが、コンビニを筆頭にするか、売却して金を得るかで大きく変わったと言えよう。
まさに栄枯盛衰である。