名乗りを挙げているのは海外の企業であり、単純にキャッシュフローとしては海外マネーで東芝再建ができれば良いと考えられやすいが、開発競争の激しいフラッシュメモリなどの半導体事業を手掛ける唯一の国内組である。
表向き一民間企業の部門なのであるが、これが海外企業に買収されればこの先の日本の技術を根こそぎ奪われるに近い。
以前バブル崩壊による企業の経営悪化に絡むスリム化で技術関係者が大量に海外に引き抜かれた過去がある。
そうして引き出した日本の技術によって、例えば今のサムスン電子がある事は言わずと知れた事であろう。
これははっきり言うと韓国など海外企業が悪いのではなく、目先の企業維持ばかりに目が奪われた結果なのである。
その結果どうなったかわかっていながらシャープで繰り返し、今回東芝で更に繰り返そうとしているが、資源のない日本はものづくりと合わせて技術開発が国の要なのであり、それがなくなれば日本は立ち行かなくなるのは確実だ。
ここまできたら遅きに失した感はあるが、日本の国が買収して先端事業をやるくらいの事があっても良いのではないだろうか。
正直日本のものづくりや技術は停滞はオーバーだとしてもかなり弱ってきているため、更なる技術開発を国が積極的にアシストしていかなければ持続的な発展は厳しいだろう。
東芝は一企業だから潰れても仕方ないという向きもあるが、国の根幹に関わる事業もあるため、万が一倒産したら必要な事業を国が関与する形でも行い、海外流出は何としても防いでいただきたい。
また技術者の方に申し上げたいのは、高額かつ厚遇で目が眩みやすい海外からの引き抜きには何卒応じないでいただきたい点に尽きる。