年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

佐渡シャクナゲ

2017-06-01 19:38:31 | Weblog

 やっと咲いてくれた。佐渡シャクナゲの一輪。嬉しい。このところ最もうれしい出来事。と云うのも、咲く花を見るのに待つ時間が長かった・・と云う理由。

 セッコクも涼しそうに咲く。

 黄色のあやめも花が付いた。

 東予地区から来て頂いたA社の事業主さんと近々仮釈放される受刑者Bの採用面接を行う。私どもは所内採用面接実施のことは、即採用を前提に進めている。だから私の方から社長さんに、お願いしたき事はただ一つ、Bに立ち直るチャンスを与えていただきたい・・のことだけ。でも15年ほど前の脳梗塞の後遺症による身体が自由に使えない不便さからBは継続的な就労経験少なく、50歳の彼は経験する仕事の種類は17種、会社の数は記憶にあるだけでも22社。入退社の繰り返し、その間に食べ物欲しさの窃盗が反復されている。例えばスーパーでパン一個、また惣菜一つとか、コインランドリーの乾燥機を見ていると丸い窓にくるくる回る財布を見つけ、あげく中味を窃盗など数が多い。半身まひのために病院へ行こうにも保険代金を長年払っていないので行くこともできない、それでは社会福祉につなごうとしても、引受人が飲食店自営の妹さんとなっており、しかも兄妹は不仲で話し合うこともない関係。実妹と家があるので生活保護受給にはハードルが高い、福祉の狭間に立ち、それでも半身まひの身体を使って何がしらかの生活費を稼がなければならない。釈放時の所持金は領置金240円に所内作業報奨金が3,000円ほど、合計3,240円が50歳の彼の再出発の資金。更正緊急保護カードを発行するのかどうか。そこは私どもの判断するところではない。私どもが判断するのは本人の就労意欲に応じた仕事の提供のこと。

 今世界は優しさを失っている。今日は米国・トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言した。地球温暖化に対しての国境を越えた世界共通の利益より、よりよく我々が生き延びるための地球環境よりも自国の経済優先、雇用創出を謳いあげることを支持している人々が多数を占めているかのように見える国。民主主義がそこに生きているのかどうか・・・。自分たちの住む環境のことより、まずは仕事とお金を最優先に選択した。北朝鮮問題とそれに対する日米のあり方、中国の「赤い舌」には周辺各国の利益と不利益の取引が垣間見える。
 今世界は強い者と弱い者を区別する。豊かな者はより豊かになる範囲を広げ、貧しい者はより貧しさの中に追いやる。
 多くの人は遠慮もなく他人のことより自分のことを守らなければならないと云っているようだ。それが正義だと聞こえてくる。他人を思いやる優しい思いやりが価値順列の中で低く落ちてきている。つまり、マズローのピラミッドの図で言えば低位置に順位が落ちてきた。人への優しい視線は古い道徳の訓えから脱することができないんだろうか。

 宮澤賢治さんは、90年ほど前の岩手・花巻農学校の教壇に立ち生徒に教えた、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論綱要』)の教材と反する。

 今日塀の中で採用面接会を開いたA社長からBは採用内定を頂いた。

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