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さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】コミック版・歌行燈

2011-12-07 23:55:56 | 読書録
原作:泉鏡花 / 漫画:速水翼   集英社

泉鏡花の作品には昔から憧れていたのだが、残念ながら文学オンチな私はちゃんと呼んだことがない。「なんだか分からないけど耽美的」な文章に参ってしまうのである。

最近色々読んでる漫画で読むシリーズは実は2種類あって、「漫画で読破」シリーズ(イースト・プレス)と「コミック版」(集英社)があるのである。いままで前者では、ガリア戦記、ファウスト、徒然草を読み、後者では五輪書を読んだ。どちらのシリーズも文庫版で読みやすく、本屋では隣り合わせに置いてあったりする。

なら、憧れの泉鏡花をとりあえず漫画で読んでみるべし・・・と手に取ったのは「歌行燈」だったのである。

だが、漫画なのに難しい! 宗山の娘と、三味線はからっきしだめだが、能の「海人」の玉之段だけは舞うことができる芸者の関係が良く分からず、読後にサイト検索で解説を読んで初めて同一人物と分かったよ。それでやっと二つの思い出話が交差して現実に流れていく構成がいかに効果的かということが良く分かったよ。言い訳をすれば、この漫画家は男性キャラは上手く描き分けが出来ているが、女性キャラは似たような顔になっているため、ピンと来なかったのだ。

今後追いで、青空文庫で歌行燈を読んでいるが、原作の何が難しいかって、主語が少ないこと。もし漫画を読んでなかったら、いつの間にか登場人物が変わっていることに気づかずに読み進んでしまい、結局よくわかんないという話になってしまいそうである。

恩地喜多八のイイ男ぶりだけは良く描けているねぇ。彼が芸の技で宋山を追い込んでいく様は、能を数回見た程度の私にはよくわからない。鏡花は能に深い造詣があったようだから、それでこそ書けた作品なのだろう。
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