さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

ドヴォルザーク「スターバト・マーテル」本番終了!

2011-09-04 23:12:35 | ただの日記
今日は職場グループ合唱団の演奏会の本番。サントリーホールにて、広上淳一先生の指揮で、東京フィルハーモニー交響楽団の伴奏で、ドヴォルザークの「スターバト・マーテル」を歌い上げた。

マエストロ広上先生の指揮は、まるで魔法か催眠術のようだ。8月中旬のマエストロ練習はJAO福岡に出ていたので出れなかったため、広上先生の指揮を見たのは昨日が初めてだったが、その独特でエネルギッシュな指揮に驚愕した。腕を伸ばした形での円運動や上下運動、柔軟な膝のバネを利用した跳躍、時々頭から痙攣するようなビブラート、スビートピアノで身体ごと沈み込んで小さくなったり、手以上にタクトの先が生き物のように動いて微妙な表現を出していたり・・・、これをやり続けたら疲れるのではないかと思えるような動きが沢山含まれていて、マエストロがいかに強靭で筋肉だらけの身体をしているかということがうかがわれる。

動きは独特だがものすごく分かりやすく、マエストロに従っていれば我々から適切な音楽が引き出される・・・それを信じて本番に臨むことが出来た。実際本番中も、難しいところが上手く行くと、マエストロは実によい笑顔をされる・・・それが嬉しくて、大変気持ちよい本番を終えることが出来た。

今回我々が歌ったのは、ステージ上ではなく、ステージの後ろに控える客席であるP席。冒頭の写真はP席からの写真であり、マエストロはこの写真よりはるかに下で振っておられる。それをまともに見て歌ってしまうと、声が下向きになってしまい、お客さまに届かない。なのでマエストロの指揮はどんなに見たくても目の下半分で見ながら、顔は正面よりやや上を向いて、できるだけ遠くに声を飛ばすような気持ちで歌わなければならない。頭とお腹に注意を持っていって正しい姿勢で歌うこと、そして笑顔で歌うこと・・今回合唱指揮をお願いした山神先生が最後まで口を酸っぱくして我々を指導。スターバト・マーテル(悲しみの聖母)だけれど、自然な笑顔で歌うのである。意識しないと歌っている間に怖い顔になってしまい、音程が下がったり声が飛ばなかったりするのだ。笑顔には沢山の情報が含まれていて、笑顔にすることで歌う時に必要な筋肉が使われるのだ。休憩時間中も、並んでいる我々のところに来られて、もっと声を飛ばすようにアドバイスをされた。

・・なので、私の楽譜には随所にスマイルマークが書いてある。

おかげさまで、想像していた以上の素晴らしい演奏会になった。出だしのテノールのパートソロから大変良かったが、おしまいのアカペラ部分は今までの思いが凝縮されたような感動的な出来になり、お客さまからも大変好評だった。ここのところ自分は個人的にボロボロで大変な状態だったけれど、この演奏会に出れて本当に良かったと思う。

終わった後のレセプションで、広上先生と山神先生にサインをお願いしに行った。山神先生には「先生のお陰で音域が広がりました」と言ったところ、「素敵な表情で歌っておられる方だと思っていました」というお言葉が返ってきて感激。実際この半年、山神先生や自分の所属する職場合唱団の水野先生から、それぞれ方法で身体を作りながら軟口蓋を上げる方法を教わってきたのである。色んな方法があるがどこかでつながっている・・・両先生のおっしゃることを自分なりに色々考え、常に意識しながら歌うことで、高いHやCの声が安定するだけでなく、ソプラノ転向後に音が割れて困った中音域にもピントが合わせられるようになってきたのである。

そして嬉しい副産物もあった。それは、笑顔を持続させることが出来るようになったこと。小さい頃から「あんたはブスっとした口をしている」と言われていたし、カメラを向けられても、笑えるのは一瞬だけで、シャッターを3回押されるうちに頬が痙攣してきて口角が落ちてきてしまうのが常だった。ものすごく一生懸命笑おうとしているのに、「さぶりんさん、もっと笑って」と言われたこともしばしば。その結果、引きつった顔の写真が出来上がって悲しい思いをしてきたが、この半年間で明らかに口角を上げていられる時間が延びた!

ということで、今日はなかなかの充実感を味わうことが出来た。終わった後、一息つく間もなくコンクールやオペラの伴奏、オケの定演があるし、来年の職場合唱団でのメンデルスゾーン「エリア」もある。忙しい日常の中でも沢山の音楽をこなせる今の自分がとっても幸せ。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした~ (ゆゆゆ)
2011-09-06 02:58:06
さぶりんさんの笑顔はみんな大好きですよ~♪
フフフ。


日曜日は無事に終了出来て何よりでした!!

ホント、広上先生の指揮はマジックでした。
細かいことはおっしゃらず、ちょっとのアドバイスと、その大胆な指揮で合唱団がどんどんパワーアップして行く・・・素晴らしい体験でした。

3月の震災後練習が一ヶ月近く中止になったりしたことを経ての今回の本番は感動的でした。
こうやって一緒に歌えることは本当に幸せなことです。
また頑張りましょうね~!!
お疲れさまでした~ (リンデ)
2011-09-06 21:43:20
ほんと、歌には笑顔が欠かせません。それが難しいんですよね。
すばらしい時間♪ (野ばら)
2011-09-07 15:54:48
シェアできて、幸せでした…どうもありがとうございます、&お疲れさまでしたm(_ _)m

インターミッションでのマエストロの真似、絶笑でした(^o^)(^o^)
おかげでゆるゆるに(^^)v
マエストロ笑顔もいただき、リラックスで歌えました(^o^)♪

山神先生、さぶりんさんよくご覧になってらしたのですね☆
オペラは、ここでも光ってた☆ですね(^^)v

また、これからもどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
御礼 (さぶりん)
2011-09-10 00:58:22
ゆゆゆさん、お疲れ様でした!

まだまだ脳内リフレインが続く毎日です。練習一回一回の密度がとても濃かったので、比較的満足な状態で本番を迎えられ、震災で練習が一ヶ月近くなかったことや、ウチの職場だけ練習期間が短かったことなんてすっかり忘れておりました。

リンデさん、コメントどうもありがとう!

ホント歌っている時の笑顔って、真剣になればなるほど難しいよね。

野ばらさん、お疲れ様でした!

マエストロの指揮は振り真似をしてみたところで到底あの域に達することは難しいですね。自分の音楽に対する理解はまだまだ・・・ということを思い知らされます。

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