何が縁になるか分からないものだ。2020年9月、日本酒やワインの輸出を手掛ける酒類販売会社「シマヤ」（奈良県天理市）にベナンの現地企業関係者を名乗る人物から英文のメールが届いた。1000万円以上の取引を持ちかける内容だった。ベナンと言う国がどこにあるのかも分からないうえに、取引額も高額だ。代表の粂さんは在日ベナン大使館に相談するなど、相手先の確認を急いだ。その結果、このメールが詐欺メールであることがわかった。事件は何の被害も出すことなく終わったのだが、幸運なことに、ベナン大使館が地元の取引業者を紹介してくれた。試飲などの商品を送ることで、販路が開ける。地元では梅酒が好評だという。高い関税と輸送費のために、日本での価格の倍になるというが、富裕層にはくせが少なくシチュエーションを選ばず飲めると人気だという。ちなみに日本酒がベナンに輸出されたのはこれが初めてだという。（くちなし亭、2023.05.19）
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