ケスラーシンドローム

ケスラーシンドロームという言葉をご存知だろうか。地球を取り巻く宇宙には沢山の人工衛星が飛び回って、我々の生活に欠かせない情報をもたらしているのだが、その軌道上には1憶5千万個以上のデブリ（宇宙ゴミ）が秒速3キロほどの高速で、周回しているのである。もし、それらの中の大きなデブリが実用中のGPS衛星や宇宙ステーション等に追突したら、大惨事や致命的な影響を出しかねない。そこで、各国はこのデブリをカタログ化して、追跡調査しているのだが、衛星は軍事と密接に結びついているので、一方で、敵国の衛星を破壊する兵器の開発に余念がない。2007年1月に中国が自身の老朽化した気象衛星「風雲」を対衛星兵器で破壊した。そして、今年3月にインドがミサイルによる人工衛星破壊実験を行った。常に宇宙から核開発を監視されている北朝鮮等は是非とも欲しい兵器であろう。だが、この兵器は爆発的にデブリを宇宙に造る。さらに怖いことは造られたデブリが他のデブリや衛星に衝突して、さらに大量のデブリを連鎖的に発生させる事態になることだ。これをケスラーシンドロームという。（4月3日）

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