トランプ大統領は次期ＦＲＢ議長に現ＦＲＢ在理事のジェローム・パウエル氏（６４）を指名する方針を固めたそうだ。現在のイエレン議長の任期は来年の２月までだ。一時期、イエレン議長の続投も話題に上ったが、大統領選挙中の、トランプ氏のイエレン議長批判などを考えれば、続投はもともと難しいところであった。だが、今になって、悩ましいのは、誰が議長に就任しても、イエレン議長の推し進める低金利政策の継続をする以外に道が無いということだ。ＦＲＢは今年、最後の利上げをするだろうが、それらを飲み込んで進んでいる経済界の予想とあまりに違うことをすることは出来ない。その意味ではパウエル氏は長く投資フアンドの共同経営者を務めていたこともあり、緩和政策を推進する立場である。ウオール街は歓迎するだろう。だが、その意味では、超緩和策の出口戦略を果敢に行うタイプではない。私の懸念は、このアメリカの戦略に引きずられて、日銀の緩和策が出口どころではない規模まで膨らんでしまうことだ。(2017.11.02)
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