上京して時間が取れる時は、父の兄（２１歳で戦死）が祭られていることもあり靖國神社を参拝することにしている。 残された遺族として当然と思っているし、また今の時代を生きる日本人としても忘れてはならないことである。
今回、令和元年１０月に「靖國神社外苑休憩所」に新たにオープンした食堂「靖國八千代食堂」に、ようやく立ち寄ることができた。
ここの名物は、もちろん「鳥濱トメさんの玉子丼」である。 鹿児島知覧で「富屋食堂」を営んでいた鳥濱トメさん。 「富屋食堂」が陸軍指定食堂となる中、昭和２０年３月になり実際に知覧からも特攻隊の出撃が始まると、富屋に多くの特攻隊員が出入りするようになった。 その特攻隊員に鳥濱トメさん（「特攻の母」と呼ばれた）が振舞ったのがこの「玉子丼」であった。
彼女は一体どんな想いで作ったのだろうか、想像するだけでも目頭が熱くなる。 それにしても、生きて戻ることのない出撃前の２０代の若者の親に対する思いを綴った遺書を、少なくとも私は涙なしでは読めない。 文体も素晴らしいが、文字の美しさも際立っていた。
約７５年前、将来の日本のために一命を投げ打った多くの若者に対して深謝の念を持つのは、人として当たり前のことである。
From Face Book: The special bowl of rice topped with eggs for Kamikaze pilot
