新潟県民話語り魚沼大会
「新潟県民話語りグループ連絡協議会魚沼大会」が8月1日、魚沼市小出郷文化会館小ホールで開催され、県内各地から集まった会員や一般の人たちが昔話についての講演や、県内各地の昔話を楽しんだ。
同連絡協議会は、「人への優しさ、生きる勇気がつまった民話の語りで豊かな心を育てよう」と県内の民話語りグループにより結成されたもの。毎年各地域で昔ばなしの大会を開いている。
大会には地元の魚沼昔ばなしの会をはじめ、新潟、栃尾、見附、佐渡、柏崎、安塚、長岡の民話語りグループと、ゲストとして福島県の会津みつわ語んべ連絡会が参加した。
大会ではまず、魚沼市四日町の郷土史・民俗文化研究家、磯部定治さんが「『むかしばなし』の今昔」と題して講演。昔話と信仰・宿命論の関わりや、昔話の擬音語・擬態語の表現の豊かさ、昔話を聞く側の感性の変化などについて語り「昔は貧しかったが心は今の子どもより豊かだったと思う。子どもの情操教育に昔話は最適であるが、聞く側は昔のまま語られても分からない。言葉は時代とともに変っていくもの。今の日常の言葉で語り継げば良いと思う。殺伐とした時代であればこそなお昔話の心は伝えていかなくてはならない」と話した。
講演に続いては、参加したグループのメンバーが民話語りを披露。会場を訪れた人たちは方言や語り方の微妙な違いも楽しみながら昔話に耳を傾けていた。