KOfyの「倍行く」人生

バイクで人生を“2倍”楽しみたい。勝手気ままな日記代わりの備忘録。

電力不足になると、どこが停電になるのか?

2012年02月16日 | 世の中あれこれ
供給電力が需要電力に足りないと、どういう事態が発生するのでしょうか?
混乱を避けるために、昨年、東京電力が「計画停電」を実施しました。
計画停電をせずに、そのまま何もしなかったらどうなるのでしょう?

実際の事例として、1987年7月の「首都圏大規模停電」と、2011年9月の「韓国大規模停電」があります。
両者とも、電線や変電所の事故でなく、電力の需要が供給をオーバーしたために発生しています。

計画停電や輪番停電などで、強制的に需要を抑えなければ、
停電の発生場所や規模や期間が推定できない混乱した状態で停電が発生するようです。


停電の発生のメカニズムが、発電所レベルでは規模が多きすげてイメージが沸きにくいので、
家庭レベルを例にします。各家庭にはかならず配電盤が付いており、配電盤のブレーカーには
「20A」や「30A」という数字が書かれ、電力の能力制限がされています。

コタツを使いながら、ホットプレートを使うとブレーカーが落ちてしまいます。
これが家庭レベルでの電気が足りない状況です。
20Aのブレーカーが付いている家庭では2KWまでしか電気が使えません。
2KWを超えると供給能力を超えてしまうため電気が切られます。

発電所レベルでは、発電所はそれぞれ数万kW~100万kWと発電能力が決まっています。
もし供給可能なトータルの電力が3000万KWのとき、3500万KWの需要が起こると、
何もしなければ、「電圧の低下」になります。100Vではなく90Vや80Vなどに低下します。
一般的に電気機器は電圧が下がれば下がるほど電力が減り、電圧が下がると
家電がうまく動作しなかったり、最悪壊れてしまうことがあるそうです。

この他にも発電所の発電機が過負荷で壊れたり、発電周波数が西日本で60Hzより低下したり、
電圧が安定しなかったり数々の問題が起こるようです。
供給電力が不足すれば,系統に接続されている発電機の回転数が落ちていきます.
(坂道にさしかかって負荷が増加すれば、自転車のペダルを漕ぐスピードが落ちるのと同じです。)

系統の周波数は実は発電機の回転数で決定しており、回転数が低下すると周波数が低下していきます。
発電機の運転できる周波数領域を下回ってしまうと機器の安全のために発電機は停止します。

ある発電機が停止すると,ますます供給電力は減少し、さらに周波数低下を引き起こすことになります。
その結果,連鎖的に発電機は系統から離され(解列)、負のスパイラルとなって,大規模停電に至ります。
これがどれだけの範囲になるかが、予想できません。

電力会社はそのような問題を避けるため、電気が不安定になると、強制的に電気の供給をやめる
「安全装置」が発電所から家庭に至るまであらゆるところに無数に設置されているようです。
したがって、実際には不安定な電気が供給されることはあり得ないのですが、
その代わり需要と供給が見あるようになるまでいたるところで停電が発生します。

つまり、どの安全装置が働いて「どこで停電するか」「いつ停電するか」がまったく制御できなくなり、
仮に上位レベルで安全装置が働けば関西一円で大停電が発生することがあるのです。

このように、何も対策をしなかった時には、無秩序に、あちこちで停電が発生し、
病院やコンピューターのサーバー、交通システムなど大被害が発生してしまいます。

無秩序状態を避けるために、「計画停電」をするようです。


■1987年7月23日首都圏大規模停電:東京他6都県で、280万戸停電、
東中央部は約30分で復旧したが、関東南西部は完全復旧までに3時間21分を要した。


■2011年9月15日の韓国大規模停電:残暑のせいで電力の使用が急激に増えた
被害戸数は、15時10分時点で全国52万戸、16時10分時点で162万戸、19時20分時点で83万戸が停電。
19時50分にはすべて停電から復旧。
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