隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0149.狂乱廿四孝

2001年11月28日 | サスペンス
狂乱廿四孝
読了日 2005/8/17
著 者 北森鴻
訳 者 宇野利泰
出版社 角川書店
形 態 文庫
ページ数 394
発行日 2001/08/25
ISBN 4-04-358301-X

 

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何度も書いてきたが、書店でタイトルとか、表紙のイラストなどで気を 惹かれる本が時たまある。
この本も、通勤の帰途バスの時刻まで、良く立ち寄る書店で、タイトルとイラストが気になって買おうかどうしようかと迷っていた。
他のものと違って、本は手にしてしまうと、気に入らないからといって簡単に棄てることが出来ないからだ。

 

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解説でこの作品が、鮎川哲也賞受賞作であることを知り、読んでみることにした。
そして、まだまだ良い作品を書いているのに知らない作家はいるものだということを実感する。ここでも、実在した歌舞伎役者が主人公として登場する。
江戸から東京へと変遷する時代の猿若町が物語の舞台。芝居好きにはこたえられないだろう所の、登場人物たちの粋でいなせなセリフがぽんぽん飛び出す。
両足切断の歌舞伎役者・沢村田之介の物語である。

 

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0148.暗黒告知

2001年11月24日 | 歴史ロマン
 
読 了 日 2001/11/24
著  者 小林久三
出 版 社 講談社
形  態 文庫
ページ数 361
発 行 日 1979/06/29
書籍ID 0193-360823-2253

 

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い頃、この作者の短編を読んだような気がするが、僕は長いこと推理作家だとばかり思っていた。まあ推理作家 には違いはないのだが、それよりもテレビ業界で著名人だということを知らなかった。
本作は江戸川乱歩賞受賞作を読むということの一環で読んだのだが、書かれている物語の主人公・田中正造は、これまた足尾銅 山の公害問題で注目を集めた実在の人物だということも、恥ずかしながら、知らなかった。
どうも、世間知らずを吹聴しているようだが、事実なので仕方がない。明治40年、栃木県は谷中村。足尾銅山鉱毒事件で、立ち 退きを巡り農民と官憲の対立する中で、反対派のリーダー田中正造の側近が殺されるという事件が勃発する。田中の杖が凶器と 見られるこの事件が、田中が犯人なのか?それとも彼をを陥れる陰謀か?

こうした内容を、当時の史実に基づいた官憲の動きや、反対派の農民との対立をつぶさに描くドキュメンタリー風のミステリー だ。

 

 

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0147.危険な隣人

2001年11月20日 | サスペンス
危険な隣人
読 了 日 2001/11/20
著  者 笹沢佐保
出 版 社 徳間書店
形  態 文庫
ページ数 350
発 行 日 1999/04/15
ISBN 4-19-891081-2

 

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こか忘れたが、ドラマを見て本を読もうと思うのはミーハーだと書いてあったが、さしずめ僕などはその典型だ ろう。
この本も、昨年(平成12年)1月27日から3回にわたって、放送されたNHKドラマ笹沢佐保サスペンス"危険な協奏曲"の原作で ある。
主演の清水美砂さんという女優さんが割りと好きなものだから、ビデオに録りながら楽しんで見た。ドラマのクレジットで、原 作があることを知り、いつか読もうと思っていた。

読むと、原作とドラマでは違うところもあり、ドラマは大分脚色されていることが分かった。しかし、ドラマはドラマとして原 作と違うところがありながらもよく出来ていたと思う。原作の方は、主人公・竹花千景の心理面での描写が素晴らしく、かなり のページを割いているのに対し、ドラマでは、どうしても視覚に訴える場面が多くなるのは仕方のないところだろう。
500余ページの長編が長さを感じさせない緊迫感も有り、上質のエンタテインメントだ。

 

 

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0146.アガサ・クリスティ殺人事件

2001年11月15日 | 本格
アガサ・クリスティ殺人事件
読 了 日 2001/11/15
著  者 河野典生
出 版 社 祥伝社
形  態 文庫
ページ数 350
発 行 日 1986/11/01
ISBN 4-396-32037-X

 

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探偵エルキュール・ポワロは実在し、名作『オリエント急行の殺人』事件は、それが書かれる前年の1933年 、南インドで実際に起こった事件だった!
45年後の1978年、作家・高田晨一はインド政府の招待旅行で、老人のポワロと出会う。
ポワロの手には、との脅迫状が・・・・。やがて、予 告通り列車内で殺人が発生した!
タイトルに惹かれて買った本。週刊文春『傑作ミステリーベスト10』の1983年度の第8位に入っているのを見て、パロデ ィではないな、と思いながら読んだが、どうも好みに合わなかったようだ。

 

 

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0145.セイロン亭の謎

2001年11月11日 | サスペンス
セイロン亭の謎
読了日 2001/9/13
著 者 平岩弓枝
出版社 中央公論社
形 態 単行本
ページ数 294
発行日 1994/03/07
ISBN 4-12-002299-4
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本書は、発行当時の平成6年に購入してすぐに読んでいるのだが、読書計画の一冊に加えたくての再読。
読書から遠ざかっていた時期でも、本屋さんの店頭で、なんとなく気になる本というのはあるもので、本書も会社の近くの書店で見かけ、タイトルと表紙イラストに郷愁のようなものを感じて、購入した。
そのとき僕は、著者の平岩弓枝女史については「葡萄街道(ワインロード)の殺人」(72.参照)のところでも書いたようにTVドラマの作者としては知っていたが、ミステリーを書くということは全く知らなかった。

 

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この本を読んで、タイトルや、表紙のイラストから受けた感じと内容も一致しており、現代の話なのだが、非常に懐かしい感じのするドラマチックな作品だった。
異人館の立ち並ぶ神戸・山手の一角にあって一際目立つ英国風の洋館が紅茶輸入業を営む高見沢一族の邸宅だ。この屋敷内に侵入した何者かに、高見沢家の女社長・隆子が殺された。その直前に中国語のメッセージが・・・・「セイロン亭の秘密を知っているか」。謎解きの興味だけでなく、人間関係や、過去との関わりが興味深く描かれて、これが著者の小説世界か、と思わせる。




0144.東京下町殺人暮色

2001年11月08日 | 連作短編集
東京下町殺人暮色
読了日 2001/11/8
著者 宮部みゆき
出版社 光文社
形態 文庫
ページ数 303
発行日 2000/05/20
ISBN 4-334-71944-9

 

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荒川の土手を幼い娘と二人で散歩していた母親が、目の前に流れてきたいくつかの白いビニール袋からはみ出したバラバラ死体を発見する、というプロローグでストーリーは始まる。
八木沢順・13歳は、警視庁捜査一課に勤務する刑事の父と二人暮し。事情によりウォーターフロントと呼ばれる東京下町に引っ越してきた。
そこで出くわすバラバラ死体事件。
この家庭に雇われた家政婦"幸田ハナ"と順の会話が暖かく素敵である。子供を描いては定評のある著者だが、こうした会話を読んでいると、著者自身の少女時代も暖かな環境であったのだろうと想像してしまう。

 

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0143.伯林-一八八八年

2001年11月07日 | 本格
伯林-一八八八年
読 了 日 2001/10/30
著  者 海渡英祐
出 版 社 講談社
形  態 文庫
ページ数 327
発 行 日 1979/06/29
書籍ID 0193-360276-2253(0)

 

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しい寒気に閉ざされた明治21年冬のベルリン。折から留学中の若き医学徒森林太郎はドイツ娘との恋に悩み煩 悶の日々を送っているが、古城の一室で起きた伯爵殺害事件に遭遇、鋭い推理で究明にのりだす。
現場は完全な二重の密室。事件の背後に鉄血宰相ビスマルクが巨大な影を落とし、殺人の謎は複雑さを増すが・・・・・
ドイツ留学中の森林太郎(後の森鴎外)が、時のドイツ宰相ビスマルクと渉りあって、密室殺人事件を解き明かすという物語だ。 著者は東大在学中に先輩の紹介で、高木彬光氏と出会い、師弟の間柄になったという。
第13回江戸川乱歩賞受賞作。

 

 

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0142.レベル7

2001年11月02日 | サスペンス

 

レベル7
読了日 2001/11/2
著者 宮部みゆき
出版社 新潮社
形態 文庫
ページ数 665
発行日 2001/05/15
ISBN 4-10-136912-7
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「ワンダーランド宮部」へとまた誘い込まれる。
レベル7まで行ったら戻れない--謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶をすべて失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。
少女の行方を捜すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。
全く関係ないような二つのエピソードが併行して語られていく。

 

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