隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2075.暗闇の囁き

2022年03月28日 | サスペンス

 

暗闇の囁き
読了日 2021/11/24
著 者 綾辻行人
出版社 祥伝社
形 態 文庫
ページ数 361
発行日 1994/07/20
ISBN 978-4-396-32384-0

 

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月20日に弟といすみ市大原に行ってきた。我が家の墓は、かつて父が達者な頃建てたもので、まだ夷隅郡大原町だったころ、大原町貝須賀の瀧泉寺境内は田舎の寺らしく、閑静な場所なのだが、木更津からは何しろ遠くて、ちょっと墓参りとはなかなかいかなくて、無沙汰になりやすい。
それに親が在命の頃は行くことも多かったのだが、亡くなってからは借家も返したから、めったに行くこともなくなってしまっている。まして僕の身体の具合や、車もなくなったことから、余計に足が遠くなっている。
そんな僕の心配をして、弟が様子見方々墓参りを計画したのだ。
しばらくぶりに会っての話は、お互いの加齢による身体の不都合が主な内容だったが、僕と4つ違いの彼は個人タクシーの営業をしており、今年9月の誕生日で79歳になる。
「タクシーの営業もあと1年か2年だな」というが、まだ運転の腕前は長年の経験から落ちてはいないようだ。行き返りの道中はお互い歳をとって、体の不調や物忘れの不便さなどの話題が多かったが、たまにしか会えないことから、顔を見るだけでも癒されるような気がして、兄弟も良いものだと感じたのだった。

 

 

いつの事だったかは忘れたが、この本は僕の娘が処分するためにひもで縛った中から取り出した1冊だ。タイトルに惹かれる響きを感じての事だ。オーストラリアの作家・パトリシア・カーロン氏の『ささやく壁』が安楽椅子探偵譚の傑作として、頭に有るから僕は“囁く”という単語に単純に敏感になっているのだろう。
だが、そうした僕の思いとは全く関わりなく、本書は著者の囁きシリーズ全3巻(緋色の囁き、暗闇の囁き、黄昏の囁き)の内の1冊だった。
僕の本に関する知識はまことにお粗末で、いや白状すれば本に関してのみならず、一般的な事柄に関しても世間知らずだともいえるだろう。毎日テレビでニュースは欠かさず見ているが、僕の場合はただ見ているだけで、しいて理解しようとはしていないから、どんなことが起きているかと言う位で、実際には世の中の動向を理解している訳ではないのだ。
というようなことだから、読書も余り役にたっていないようだ。何しろ忘れることが多いから、2冊前の本の内容が思い出せないくらいで、主人公の名前さえ覚えていない。
さて、本書の著者・綾辻行人氏は本格ミステリーの著者として知られており、僕はそのつもりで読み始めたのだが、僕が思っていた本格ミステリーとは少々趣が違っており、ちょっと戸惑いを感じたのだ。

 

 

っていたのと違っていようと何だろうと、どうせ金を出して買ったものではないから、誰に文句の言いようもなく、僕の好みに合ってなくても読み続けようとページを繰る。
第1章誘いの園から始まって第9章祈りの朝へと向かい、終章で終わりを告げる物語は、先述のように僕の好みから外れているので、僕の理解力は働かず、つまりはあまり面白さも感じなかったのだ。と言って、客観的にこのストーリーが面白くなかったということではない。
僕はしばしばこうした面白さを感じられない本を読んできたが、たまたま僕の体調不良により、じっくりと味わうことが出来なかったのかもしれない。今までにそういった経験がないわけではなく、時間が経って再度読み返して、味わえなかった面白さを発見したことも、一度ではない。
だから好みに合わなく、面白さを感じられない本も機会があればもう一度読み返すチャンスを得ようとするのだ。しかし、面白さを感じなかった本が、全てそうして読み返した時、面白さを再発見するとは限らないから、難しい。

 

 

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