極北クレイマー | ||
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読了日 | 2019/03/21 | |
著 者 | 海堂尊 | |
出版社 | 朝日新聞出版 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 436 | |
発行日 | 2009/04/30 | |
ISBN | 978-4-02-250571-2 |
者のデビュー作にして、このミス大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』を、タイトルから何かスポーツの話かと、勘違いしていたことがあって、読んだのはかなり後になってからだったが、著者が現役の医師だということが分かって、作品が僕の好きなメディカル・ストーリーだということも分かり、かなりの期間僕は夢中で読み続けた。
僕の思い込みという悪い癖が、というより無知がと言ったほうがいいか。時として変な誤解を生んで、傑作を見逃していることが、かなり多いのではないかと今では思っているが、それはそれで仕方のないことだという思いもある。
いくら好みの作品で面白いといっても読書量には限りがあるから、それらのすべてを読もうとするのは、現実的ではない。それでも欲張りな僕の頭の中には、もしかしたらいつかは読めるのではないか、という変な思い込みで、たまに立ち寄ったBOOKOFFなどで、好きな作家の本が安い文庫棚にあると、ついつい手が出てしまう。
そうして、自分の読書量については忘れて、買ってしまい積ン読の蔵書を増やすことになる。そうした悪循環を防ぐ意味からも、最近はめったなことで、古書店に立ち寄ることを控えているのだが・・・・。
本書はそうした積ン読の中の1冊で、結構海堂氏の作品を読んでいた時期に、BOOKOFFで『アリアドネの弾丸』(こちらも未読の積ン読)と一緒に買ったものだ。
最後に海堂尊氏の作品を読んだのが、2016年1月の事だから、その後出た新作は、かなりの数になるだろう。
もちろん機会があればそれらを次々と読みたいが、ほかにも読みたい本は山とあるから、思いが実現することはまずないだろうと、あきらめの境地だ。
昨年のパソコンの故障から、一時期ブログも読書も一時休息だったため、読書に対する情熱がなんとなく薄れているようだ。丁度パソコンの具合が悪くなったころに始めた、メール便配達という仕事も、読書への意欲を薄れさせた要因の一つだろう。
刊に限らず、本を一度自分のものとして手に入れて読む、そのために、ということもあって始めた仕事が、逆に読書への関心を落とすことになったのは、何とも皮肉なことだ。
その、“本を自分のものとして読む”というのは、古い話で中学3年の頃の、社会科の教師が、新しい本を買って最初に開いた時の印刷インキの匂いや、ほしい本を手に入れた満足感や喜びに浸る、そうしたことを嬉々として語る姿に、僕は大いに共感して今でも忘れることが出来ないでいるのだ。
だがそうしたことから、僕は平々凡々の至って凡庸な人間であり、一つ事にしか情熱を傾けることが出来ない人間だということを、今更になって気づく。現実を受け入れて、今は週に3回の仕事の方に努力を注いで、いつかまたほかの事にも目を向けられることを願おう。
暖かな日差しの差し込む部屋で、そんな思いを自分に言い聞かせているところだ。
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