隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2061.罪の余白

2022年01月31日 | サスペンス

 

罪の余白
読了日 2021/08/08
著 者 芦沢央
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 309
発行日 2015/04/25
ISBN 978-4-04-102387-7

 

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ソコンとプリンターがうまくかみ合わなくなってしまった。今までにもたびたびそういうことはあったが、その都度短時間で回復したのだが、今回は数日たっても収まらずどうなってしまったのだろうと途方に暮れる。
今使っているキヤノンのTS-8230というプリンターは、スキャナーの機能がパソコンとの相性が良く、WHAサポートによってPS(フォトショップ)のimport操作によりプリンタのスキャナーの捜査が出来て、画像がPSに取り込まれ、加工できたり保存もできる。
同じキヤノンのプリンターでもピクサスMG7730などと言う機種ではその機能が使えないことから、TSを選んで購入したのだが、今の時代でもプリンターの寿命は意外と短い。
年賀状の印刷にどうにか間に合わせたいが、従来のように新しい機会を購入なんて状態になったらお手上げだ。それを防ぐ方法があるだろうかと、考えるだけ無駄だが、何とか回避したい。プリンタヘッドのメンテナスや清掃を何度か実施したが変化はなかったが、インクカートリッジのインク量の表示が、誤った表示をしているのではないかと思い、顔料ブラックのカートリッジを買って交換したところ、無事プリントできた。
これで、年賀状のプリントも問題なくなったが、個別にメッセージを書きたいが、脳梗塞の影響は文字を書くことに不便をもたらしており、普通に字を書くことが出来なくなっており、個別のメッセージはあきらめざるを得ない。
と言うことで、残念ながら年賀状は今年で終わりにするほとを文面に追加、長年のお付き合いを感謝する旨も書き足した。

 

 

誰かが「コンピュータは金食い虫だ」と昔行っていたが、僕についてもそれは全く当たっている。何台ものプリンターを変えたり、本体も最初のNEC・PC8801から数えたら。ノートパソコンを含め10台以上が代替わりしており、投資金額は回収できていないだろう。
いや、全くできてないとは言えないが、おそらく回収できたのはその3割くらいだろうと思っている。本体のみならず、メンテナンス費用も大変だ。ここにも前に書いたが、新しく買い替えた方がいいと言う位の、修理代もあった。今になって考えればバカなことをしたものだと言えるが、僕のバカさ加減はこれからも変わらないのだろう。
さて、今回の本のタイトルから、僕の罪の余白をつづったのだが、細かいことを言えば僕のやらかした罪はこんなものではない。恥ずかしいから言わないだけだ。 さて今これを書いているのは1月19日の事だが、前から気になっていることの一つに、ブログの書籍のデータを表の形で表しているが、タイトルが左端になっている。Htmlで中央に指示しているのになぜこうなってしまうのか、ぷららのスタッフに問い合わせをするも、使用できるタグ以外が使われているのではないかと言われたが、僕は標準的なタグ以外には使ってないはずだ。
と言うことで長いこと解決はしていない。

 

 

ころが、昨日何の気なしにhtmlのコード表を見直していると、テーブル(表)の最初の行、すなわちタイトル行の指定にフォントの位置が指定してないことに気付いた。つまり“左寄せ”、“中央”、“右寄せ”のどれかを指定しておかない場合は左寄せになるのだ。
まあ、細かいことを書いても分かりにくいだろうが、ここに“align=center”を追加する必要があったのだ。
だが、いまさら2000冊以上のデータにそれを行うのは大変だ。2日ほど前からその作業に追われて、今やっと200冊ほどが終わったところだ。
僕の早とちりや呑み込みの悪さが引き起こしたことだから、どこへも持って行きようのない憤りが心の奥にいっぱいだ。毎日退屈な作業に追われており、だが、やるべき作業が発生したことで、退屈しない毎日が生まれて、一方ではよかったと思うようにしている。

BOOKOFF木更津店の110円の文庫棚を観ていて芦沢央の名前が目に入り本書を買った。このタイトルもそっちこっちで何度か目にしており、前に『悪いものが来ませんように』を読んでいたから、著者の名前が目に入ったのかも。叙述形式のトリックと言えばいいのか、その既読の作品が妙に頭に残っていて、他の作品も読んでみたいと頭で感じていたのかもしれない。

大学講師の安藤聡の高校生に娘・安藤加奈の自殺場面のプロローグからスタートするストーリー。それは、クラスメイトの咲と真帆のいじめによるものだった。遺書はなかったが、後にパソコンの日記でそれが分かり父親の安藤は心を乱される。
あまり僕の好みの話ではなかったが、次第にストーリーに入り込んでいることに気付いて、少し驚きながらの読書だった。

 

 

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2060.古書カフェすみれ屋と本のソムリエ

2022年01月17日 | 青春ミステリー
古書カフェすみれ屋と本のソムリエ
読了日 2021/08/04
著 者 里見蘭
出版社 大和書房
形 態 文庫
ページ数 321
発行日 2016/04/15
ISBN 978-4-479-30590-3

 

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の本を手に入れた経緯には、いろいろとドラマがあって!と、言うほどではないが僕のいつものような迂闊な話だ。まだ2冊しか出てないがこれはシリーズ作品の第1巻で、僕はその第2巻の方を先に読んでいるのだ。(今年2021年の7月20日の事)
BOOKOFFの店は木更津市内大田に1店あり、少し離れると君津市の国道沿いに1店、袖ヶ浦市の国道沿いにも1店あり、車があった時にはそのどれかに行って、ほしい本を捜したものだ。
特に僕が欲しい本を見つけることが多いのは、君津市の店だった。僕の家の近辺では一番先にオープンした店だからか、品揃えが多いせいか僕の好みに近い本が割と多いという感じだ。
もう数年前に僕は息子が入所している社会福祉法人の役員を辞しているから、富津方面へ出かけることもなく、従ってこのBOOKOFF君津店へ寄ることもないから、少し寂しい思いをしている。
ともかく、先に読んだ第2巻もその君津店で贖ったもので、その時棚には第1巻も並んでいたのだが、僕はよく確かめもせずに第2巻を買ったのだった。そういうところが僕の間抜けな所で、早合点や早とちりの元なのだ。

 

 

 

だが、幸いと言おうかラッキーだったのは、第2巻の所で書いたようにヤフオクに1-2巻バンドルでの出品があったので、ちょっと高めだったが、両方を手に入れることが出来たという次第だ。
古書カフェすみれ屋という古書店とカフェが一体となった店を舞台としたミステリー短編集だが、ミステリーの謎解きはその古書店を担当する紙野君だ。フルネームを紙野頁(かみのよう)という。
オーナー店主は玉川すみれと言い、以前書店に併設されたカフェで働いていて、その書店で正社員として働いていたのが紙野君だった。
沢山の本を読んで蓄えた知識が、客の抱える悩みや不思議を彼が勧める本を読むことにより、解決に結びつけるというのが紙野君なのだ。彼は、その解決法を本を読むことによって、客自身に解決させるというやり方で、彼が直接謎解きをするわけではないが、本を客に勧めることにより、客が自身でその謎を解くヒントを本から得るという具合だ。
それにしても、紙野君は客の抱える謎のヒントが、どの本にどのような形でその謎を解くカギがあるのかを知っているのか、それはたくさんの本をじっくりと読んで理解を深めているに違いない。
僕はこうした自分にはない能力を備えた人物が好きだ。自分もそうしたある種の特定の能力・知識を備えたいと思うが、どのように勉強したらいいのかさえ分からなくなっている。

 

 

ころで、次第にオミクロン株に移り変わりゆく新型コロナのウィルスだが、いよいよ第六波に入ったようで、連日過去最大の感染者数を示す地域が増えている。専門家たちの研究は感染者の増加の波が120日周期などと言うことまで、分かっているのに薬の研究は並行するほど進んではいないのか?噂では飲み薬の許可も近々出されるようなことを聞くが、画期的な効力を示す内服薬が世に出ることを願っているが、それよりも何よりも、ウィルスの活動が鎮まることが第一だ。
今の状況で感染力が高まると、近いうちに再々度の緊急事態宣言が発せられるのだろう。
強い寒気の南下で、日本列島の日本海側では、数年来の大雪や吹雪に見舞われている。人類が目指すべき課題は文字通り山積している状態だ。力を持たない僕ら一般の国民は何をすべきか、出来ることは何か考えて行動すべきだ、と思うが力だけではなく頭の方も衰え始めている僕に、何ができるか?
先の知識や能力向上のための勉強に、努力することも出来ることの一つになるだろうか?

 

収録作
# タイトル
1 恋人たちの贈りもの
2 ランチタイムに待ちぼうけ
3 百万円の本
4 火曜日の夜と水曜日の夜
5 自由帳の三日月猫

 

 

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2059.山猫の夏

2022年01月08日 | 冒険

 

 

山猫の夏
読了日 2021/07/22
著 者 船戸与一
出版社 講談社
形 態 文庫
ページ数 760
発行日 1995/11/15
ISBN 978-4-06-263155-5

 

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ういう経緯でこの文庫を買ったのか覚えてないが、かなり前の事だ。本のデータにあるように、760ページと言う長編だから、僕はその厚さに恐れを成して、読むのをためらっている内に、どんどん時は過ぎていったのだった。
だが、読み始めるとそのストーリーのダイナミックな展開に、心を奪われるような気がして、ページを繰る手が止まらなくなるようだ。僕は映画やドラマでは割とアクションものと言われるストーリーが好きで、よく見てきたが、小説ではあまり読むことがなかった、と思う。
はっきりと覚えている話ではないが、冒険小説たるイメージがないのだ。
まあ、カテゴリーはともかくとして、この作品は山猫と呼ばれる弓削一徳が現れる、ブラジル東北部の町エクルウを舞台とした、反目する二つの家系の争いが描かれる。
考えてみればよくあるような土地の有力者の権力争いは、他でもよく見られる光景で例えば、有名な所では黒澤明監督の“用心棒”や“椿三十郎”のシリーズを始めとする活劇は、海外の監督たちにも大きな影響を与えて、西部劇などに同様のアクション巨編を製作させた。

 

 

その主人公たる桑畑三十郎や椿三十郎が、この物語の立役者・弓削一徳なのだ。
僕が著者船戸与一氏の作品に初めて出会ったのは、2013年に読んだ『龍神町龍神十三番地』だが、これは映像を見て気になったのがもとで、原作はどんな味わいだろうと、読んでみようと思ったからだ。
この『山猫の夏』はドラマや映画になっているのだろうか?いろいろな雑誌やWebサイトでも見た事が無いから、映像化はされていないのだろう。いや、されて居ればどんなキャスティングか、あるいは海外ロケは行われたのか、と言ったことを中心に確かめたかったのだ。
最近はレコーダーが壊れたままになっているから、ドラマや映画を録画して後で見るということが亡くなり、ドラマ、映画は即時見ることしかできないので、見ないことが多くなった。
だが、録画しておいて観ないということもなくなり、結果としては割と多くの映像を見ることになった。

 

 

ン読本ではなく、積ン観とでも言おうかDVDに録画したものを見ずにしまっておくということもなくなり、余分なスペースを確保することもなくなっている。結構なことだし、そのための余分な時間も手間もいらない。 僕の悪い癖で、買っておけば何時でも読める、録画していけばいつでも見られる、と言うその“いつでも”と言うのは永遠に来ない時、にならないことが良いことではないかと勝手な思いになっている。
歳をとってあらゆることが面倒になり、“朝起きて、夜になるまで昼寝して、時々起きて居眠りをする”と言う狂歌(正確ではないが、意味合いは分かると思う)があるが、笑ってはいられない。僕もその仲間入りになっているみたいだ。
少し読書をしては一休み、その一休みの多くは座敷にクッションを枕に横になり、時には30分ほど寝てしまうこともあるのだ。そういう毎日を送っているものだから、今流行りの?体内脂肪がたまって、太るのかと思えば栄養価の低い僕は逆に痩せるばかりで、なんと40数㎏しかなくなっている。
それでも近ごろ血圧を下げる効果を期待して、アテレック錠なる薬を服用しており、低い時には100を下回るときもあり、再度脳梗塞に陥る心配はなくなっているようだ。

 

 

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2058.儚い羊たちの祝宴

2022年01月02日 | 短編集
儚い羊たちの祝宴
読了日 2021/07/21
著 者 米澤穂信
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 329
発行日 2011/07/01
ISBN 978-4-10-128782-9

 

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明けましておめでとうございます。一日遅れましたが、まずは新年のご挨拶を。年々身体と脳の衰えは隠しきれず、至る所にその兆候を示しています。旧年中の失敗を繰り返すことのない新年を送りたいと思っています。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ン読の蔵書を消化の1部というか1冊だ。僕は著者のシリーズ作品“古典部”の1冊と勘違いして買っておいた本だと思いながら読み始めたら違っていた。僕の早とちりや勘違いは例によって例の如しだ。
このくらいの勘違いはまあ許せる範囲だが、時には同じ本を2冊買ってしまうこともあり、そんな余裕はないのに、いや、だからいつも余裕のない生活を送ることになるのか!原因と結果が逆かもしれない。
僕の中ではこの人の本は全部読もうと思う作家と、たまに読んでみたいと思う作家の、二通りの作家が存在する。米澤穂信氏はその後の方の作家だ。
あまり人の読後感や評価を気にしない方なのだが、それでも多少は目や耳に入る情報は、どこかに蓄積されているようで、米澤氏の作品についてもどこか、何かで見聞きしたことが記憶の底にあったらしく、2006年に初めて『犬はどこだ』という作品を読んだ。
今考えるとこの作品はタイトルの面白さが引っかかったのではないか?そんな気がする。犬猫探しを本業とする探偵が、例えば浮気調査の依頼に掛かりきりになっている内に、本業の犬探しが無くなってしまった。
そんな状況が思い浮かぶのだが、本当はどんな話だったか全く思い出せない。
でも、もう一度目を通してみる価値があるかもしれない、などとも思う今日この頃だ。

 

 

 

巻末の千街晶之氏の解説によれば、著者は『氷菓』によって角川書店が主宰する、第5回角川学園小説大賞のヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してデビューとのことだ。その古典部シリーズは、第2作『愚者のエンドロール』を刊行するも、一部読者から高評価を受けるも売り上げは振るわなかったようだ。
だが、シリーズはその後『クドリャフカの順番』、『遠まわりする雛』、『ふたりの距離の概算』、『いまさら翼といわれても』と刊行されており、売り上げも伸ばしているようだ。一般的には読者の評価が高い作品が必ずしも、売上を伸ばすとは限らないが、やはり読者の望む作品が売り上げにつながるということだろう。
僕は売り上げにも評価にも、そのどちらにも属さない読者だ、と思っているが自分が好んで読む作品が、評価とともに売り上げも伸ばしていることが望ましいと思っているのは、矛盾しているか。
僕が好んで読む作品を書く作家が、どんなジャンルに属するかと言うことも、あまり影響されないと思っているが、実はどこか心の内で知らぬ間に区分けしているのだろう。

 

 

書は下表のとおり5編の短編で構成されているが、どれも今まで僕が好んで読んだ作品とは一味も二味も異なる内容で、いずれもなんとも形容しがたい内容のストーリーだ。
どちらかと言えば後味のあまり良くはないといったストーリーで、その最たるものが最終話の「儚い羊たちの晩餐」。簡単に言ってしまえば成金家族の父親の物語だ。と、思って読んでいる内にそう単純なストーリーではなかった。
知識がない癖に見栄っ張りの典型である父親は、一流の料理人の厨娘(ちゅうじょう)を雇った。“御家族の体面を保つために迎えに来てほしい”との書状を出すほどの彼女に対して、さすが一流の料理人だから、自分の足ではこないのだ、と父親は言い運転手をそこに向かわせた。
一切合切その調子で雇った夏と言う名の厨娘に最初に頼んだ料理は、主菜は羊頭肉の薄切りだったが、なんとそれに費やした羊が十二頭党と言うことに、家族は驚くが父親は一流の料理人と言うことだから、と、納得してしまうのだった。
万事その調子で彼女の作る料理には莫大な費用が掛かった。が、その都度前の雇い主を引き合いに出す厨娘が気に入らない彼は今までに作ったことのない料理を作れ、と・・・・。はたしてその結果はいかに?

 

収録作
# タイトル
1 身内に不幸がありまして
2 北の館の罪人
3 山荘秘聞
4 玉野五十鈴の誉れ
5 儚い羊たちの祝宴

 

 

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