凛冽の宙そら | ||
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読 了 日 | 2005/06/28 | |
著 者 | 幸田真音 | |
出 版 社 | 小学館 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 452 | |
発 行 :日 | 2002/03/10 | |
ISBN | 4-09-379154-6 |
いぶんとしばらく振りに著者の本を手にする。買ったのはかなり前なのだが、なんとなくそのままになっていた。実は、この本はBOOKOFFの105円コーナーで手に入れたのだ。それほど古くなくしかも単行本なのに、といぶかしく思いながら購入した。
幸田真音女史については、以前読んだ本のところでも書いたのだが、NHKのTVドラマで知りそれまでに読んだことのなかった金融ミステリーという新しいジャンルに魅力を感じて、間をおかずに数冊読んだ。
金融ミステリーといえば、乱歩賞受賞作家の池井戸潤氏も、受賞作「果つる底なき」を初め、元銀行マンの経歴を活かして銀行を舞台にしたミステリーを書いているが、幸田氏の作品はそれとは違って、国際的な証券取引を題材にしたものが多く、スケールの大きな、スリリングなストーリー展開に読む都度、胸が躍る。
本書は、わが国のバブル経済崩壊後の、金融機関における多大な不良債権処理に付け入る、金融犯罪が描かれる。登場人物の台詞を通して、不良債権処理の実態を判りやすく説明する等の工夫もあり、著者の実体験に基づいた豊富な知識や、主張が盛り込まれており、そうした面からも楽しめた作品だ。
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