隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1860.眠狂四郎無頼控(一)

2018年06月04日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(一)
読了日 2018/06/04
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 431
発行日 1960/08/31
ISBN 4-10-115006-0

 

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会福祉法人薄光会の保護者・家族の会、役員会が6月3日太陽のしずくにて開催され、出席した。
薄光会には豊岡光生園をはじめとする福祉施設が六つあり、その一つがケアホームCOCO(グループホーム6棟を統括する事業所)といい、もう一つの太陽(ひ)のしずく(生活援助施設)と、双方の利用者(障害者)の保護者・家族の会が天羽支部だ。僕はその天羽支部の副支部長を務めている。
役員会と言うのは、そうした各支部の支部長、副支部長で構成された、いわゆる全体会のようなものだ。
今期、平成30年度最初の役員会は、前年度の事業報告の追加(おおよそについては、前回3月の際に発表されている)、今年度の計画についてのほか、理事長から法人の動向についての話など、10時から12時少し前まで行われた。
特にこの役員会をより有意義なものにするための、活動について参加者の意見を聴くなど、いつにもまして活発な会議となった。ともするとこうした全体会のような会合は、お座なりなものになりやすいのだが、法人の担当者であるT氏は毎回積極的な態度で臨み、参加者の融和を図るとともに意見を求めるなど、会の発展を期しているため、安易なものに陥らずに済んでいる。次回は9月9日だ。

 

 

目次では、20篇の短編といった形式をとっているように見えるが、読み進めればそれぞれは短編ではなく、あえて言えば、連作短編と言えなくもないが、僕は長編としている。
と言うことで、長い間裁判小説の傑作シリーズである、ぺリイ・メイスン・シリーズの世界に没頭していたが、それが終わって突如として、時代劇の世界に入ったのは、深いわけがあるわけではない。この柴田錬三郎氏の代表作である眠狂四郎シリーズは、僕にとって懐かしくも新婚時代を思い起こすことのできるシリーズ作品なのだ。
昭和38年、おりしも東京オリンピックの前年に、僕は結婚して有頂天ともいえる毎日を過ごしていたが、そんな僕の浮かれ具合をたしなめるような事態が起きた。ある晩急な腹痛に襲われて、転げまわるような痛さをこらえて、一晩眠れない夜を過ごした後、翌朝病院に駆け込んだら、医師は検診の末、急遽入院、手術だという診断を下したのだ。急性虫垂突起炎だった。すなわち盲腸炎だ。
手術の最中ドクターは、「もう少し遅れたら危なかった、破裂してとんでもないことになるところだったよ!」と言う。だが、当時僕は、一度は手術なるものを経験したかったから、そんなドクターの言葉もなんのその、1週間ほどの入院生活を楽しんだのだった。

 

 

ミさんに頼んで、僕はこのシリーズの文庫をその当時出ているだけ買ってきてもらって、むさぼるように読んだ。それだけでは飽き足らず、野村胡堂氏の「銭形平次捕物控」のシリーズも角川文庫の出ているだけを全部ほしいと言って、買いに行ってもらったのだ。今考えれば随分贅沢な入院だったと思うが、そんなところが、僕の若さだったのだろう。
今頃になって突如そうしたことを含めて、僕に、またこのシリーズを読み返してみようという気にさせたのは、何なのかよくは分からないが、海外ミステリーが続いた反作用か?
そうしたことはさておいて、このシリーズは当時剣豪小説ブームを生んだことでも、傑作、名作と言われるゆえんだが、映像化という点でも他を寄せ付けないほどの、多数の俳優の主演によってドラマ化、映画化がされている。特に大映で市川雷蔵氏を主演に据えた映画は、多くの雷蔵ファンを魅了して、いまだにその映画はテレビで放送されているほどだ。
この第一巻の巻末では、かの遠藤周作氏が解説を手掛けているほどで、発行元の新潮社の力の入れ方がわかる。

 

収録作
# タイトル # タイトル
1 雛の首 11 源氏館の娘
2 霧人亭異変 12 斬奸状
3 隠密の果て 13 千両箱異変
4 踊る孤影 14 盲目円月殺法
5 毒と柔肌 15 仇討無常
6 禁苑の怪 16 切腹心中
7 修羅の道 17 処女侍
8 江戸っ子気質 18 嵐と宿敵
9 悪魔祭 19 夜鷹の宿
10 無想正宗 20 因果街道

 

 

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