隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1876.眠狂四郎無頼控(六)

2019年01月30日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(六)
読了日 2018/12/25
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 493
発行日 1965/06/20
ISBN 4-10-115011-7

 

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にこれと言ってやることもないから、毎日読んでいる内に、読むスピードも以前のそれに近づいてきたみたいだ。本来であれば、今頃は1900冊を上回っていなければならないのだが、かなりの時間を空費してしまったから、仕方なく本書で1875冊目となっている。

これらの作品を読んでいて、僕は時々主人公とそれをを取り巻くキャラクターとの会話に、涙ぐみそうになることがある。感極まるということではないのだが、その時代に彼らの言動がピタリと嵌って,さもあろうと思った時に、小さな感動を覚えて、そうしたストーリーの世界に入れたことにうれしさを感じるのだ。
年をとってもいささかの感受性を保っていることも、まだまだ捨てたものでもないという気持ちの表れかもしれない。

 

 

毎週月・水・金に配達の荷物が届いて、少ないときはその日の内に、マッピング、バーコードの読み取り、そして僕の場合は、配達先の番地や名称をノートに記す。
先日、会社の方から、SNSに配達先などの個人情報を投稿するのは、違反になるという注意があったが、僕の場合はそうした個人情報を明かしているわけではなく、自分の仕事の有り様を書いているだけだから、大丈夫だろう。
今月最後の仕事はかなり少なかったから、9時少し前に初めて10時前には終わってしまった。仕事が早く終わったので、その足で近くのスーパーに寄って、若干の食料を仕入れてきた。
カミさんがたまに、「歳をとると食べることばかり考える。」などと言っていたが、全くその通りだ。僕は基本的に自分の食事は自分で用意する、といった習慣を長いこと続けているから、自ずと食料の買い出しも、自分ですになっている。

 

 

狂四郎無頼控も本書で終わり、次は独歩行の上下巻に移る。単行本は確か1冊で上下巻ではなかったと思うが、僕のあやふやな記憶は不確かだ。 若い頃に読んだかすかな記憶では、そのころまだ文庫にはなっていなかったから、単行本で読んだはずだ。
今では、外で本を読むことはないから、できれば文庫より単行本の方が、活字も大きく読みやすいと思っているが、最近刊行される文庫は思いのほかフォントサイズも大きくて、読みやすいものも多くなっている。
少し目の不自由な僕は助かっている。本書のように493ページに30篇もおさまっているというのは、それだけ字面も小さくなるから、目が疲れるのだ。
メガネも遠近・乱視・左右の視界が上下にずれる、等々といった複雑な作りは、もちろん眼科医の処方によるオーダー品だ。暮れの28日に転倒した際にひびの入った右のレンズがそのままだから、早く作り変えたいのだが、何しろ先立つものが不足しているから、もう少し先になるだろう。

 

収録作
# タイトル # タイトル # タイトル
1 青銅の顔 11 髑髏屋敷 21 夜盗橋
2 月の濡肌 12 花の人語鳥 22 ねずみ誕生
3 血潮花 13 仮象記 23 さかだち供養
4 淡路人形 14 快楽寺 24 もののふ帖
5 悪妻責め 15 絶望刀 25 狂い部屋
6 神殿の謎 16 闇にいる男 26 尼寺春情譜
7 飛ぶ白刃 17 裸女屋敷 27 恋慕幽霊
8 父子孤独 18 武士道異変 28 鷹と鶴
9 くれない鏡 19 忠義父子 29 鼠小僧御用
10 芳香異変 20 狐行列 30 白い闇の決闘

 

 

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1875.眠狂四郎無頼控(五)

2019年01月29日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(五)
読了日 2018/12/22
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 372
発行日 1960/12/05
ISBN 4-10-115010-9

 

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ニスの4大大会の一つ、全豪オープンの優勝で、2大会連覇を果たした大坂なおみ選手の話題で、新聞、テレビは連日大きく画面、紙面を割いてその業績を讃えた。
1月28日月曜日に召集された、通常国会は厚労省の不正な手段による、統計調査を始め政府は与野党双方から厳しく追及されるだろうという中、大坂なおみ選手の話題は国民に、明るい希望や勇気などを与えてくれた。
スポーツはその当事者のみならず、応援する観客やファンをも巻き込んで、喜び、悲しみを共有する。僕もNHKテレビで大阪選手の試合模様を観戦、一喜一憂しながら応援した一人だ。
また、27日、日曜日に千秋楽を終えた大相撲初場所も、34歳にして初の優勝を遂げた、玉鷲関の快挙がこれも新聞テレビを賑わした。古い仕来りや伝統を重んじる大相撲界にも、じわじわと世代交代の波が押し寄せているような感じがする。
それは、今年で平成が終わり、新たな年号が制定される、平成の天皇が退位されるという、一大行事が行われることがいろいろなことに波及していることと、関りがあるのだろうか?

 

 

“春うらら”といったような僕の部屋の暖かさに、今日はついつい朝食の後、午前中転寝をしてしまった。
仕事の疲れが残っていたのだろうか?
いろいろと無駄遣いをしたから、後2-3年は頑張って仕事を続けないと、その穴は埋まらない。お陰様で、僕の身体は健康にできているらしく、これといった病気にかからないでいるから、いや、血圧が高めの状態が続いていることは、あまり健康ともいえないか?
それでも高血圧は何の自覚症状も起こさないから、適度な運動など注意を払う必要がある。僕は「それを仕事の中で、実行している。」といった思いでいるのだ。いつまで続くか、それは分からないが、せいぜい健康に気を付けて、長続きさせたいものだ。

 

 

ところで、この眠狂四郎シリーズは、今日現在で第6巻まで読み終わっており、逆に新刊を読む合間に、次の『眠狂四郎独歩行』の上下巻を読もうというつもりでいる。
解説によれば、第6巻30篇は第5巻までの100篇の後、続30話として発表されたもので、それ以降『眠狂四郎独歩行』を始めとして、20年にわたって書き続けられたというのだから、著者の代表作と言えるのだろう。

 

の連作短編集のシリーズ作品は、読めば読むほどその奥深い面白さが、身に染みてわかるような気持ちになる。眠狂四郎の周りで起こる様々な出来事を、彼の剣さばきが解決するのみならず、その時代の大きなうねりも描写されて、今の時点ではまだまだ先になることだが、彼はどこに行きつくのだろう、という思いが先へ先へと読み進ませるのだ。
僕は全く傾向は違うものの、池波正太郎氏の『雲霧仁左衛門』などの作品も、もしかしたら影響を受けているのではないか?などという思いにとらわれる。

収録作
# タイトル # タイトル
1 贋狂四郎 11 春夜の賊
2 忍者独白 12 異変千両富
3 孤影両断 13 夜襲床
4 傍観音 14 雄士有情
5 比丘尼地獄 15 謎の春雪
6 幽霊松 16 桃花無明剣
7 麻薬姫 17 遺書
8 風流梅花譜 18 からくり門
9 無想双刀術 19 はらいそ悲願
10 忍組覚書 20 何処へ

 

 

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1874.眠狂四郎無頼控(四)

2019年01月27日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(四)
読了日 2018/12/19
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 390
発行日 1960/10/25
ISBN 4-10-115009-5

 

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ECの販社とでもいおうか、パソコンやOA機器の販売から修理などのサポートまでを請け負う121(ワンツーワン)センターに、修理を依頼、12月14日に本体、キーボード、マウスを引き取りに来た運送業者に渡した。
こうしたドア・ツー・ドア方式は手間がかからなくて、いいのだが、その反面、引き取り及び配送の運賃がかかる。そして、修理費用は当初の見積もりでは、6万5千円だったのが、マザーボード、ハードディスク・ドライブを交換となって、8万2千円ほどになるという電話があった。
マザーボード&ハードディスク・ドライブの交換なら、まるでパソコンのハードをそっくり交換のようなものではないか?そう思ったが、何しろ3年も使っていたものだから、使い勝手も慣れているし、愛着もあるというところが、こちらの弱みでもあるのだ。
そんなことで、泣く泣く修理を継続することにしたのだ。そこが僕のアカサカミツケ(古いギャグ、浅はかさということ)で、修理依頼後はキャンセルできませんと言われていたから、後から「しまった!分割払いで新しい機種を買ったほうがよかったか?」と思っても、もう遅い。

 

 

今になって、つくづく僕は金の使い方を知らない、と後悔してももうパソコンは戻ってきてしまっているから、何をどう言おうと無駄なのだが・・・・。
パソコンの具合が悪く、6月から12月までの使えない状態の時は、なんとなく落ち着かない日々であったが、そんな僕に付け込むような(これは僕の独断的な思考)修理見積だったが、直ってきてしまえば、時々「高かったな!」と思いめぐらす程度になって、それも次第になくなって忘れていくのだろうな?

そんな思いとはかかわりなく、今朝は早くから暖かな日差しが、僕の部屋を暖めているから、これを書いている今も時々、僕を眠気に誘う。金曜日に受け付けた仕事は、昨日のうちに片づけたから今日は一日骨休めだ。
読み終わった本を返しに図書館に足を運び、ついでに予約してあった本を2冊借りてきた。
最近は木更津市立図書館も、次第にネット関連のシステムが進行して、予約もネットで簡単にできるようになっているから、僕は10冊程度予約を入れてある。
手持ちの蔵書を消化する傍ら、新刊も読めるという、なんとも幸せを感じることが出来るのは、やはりパソコンが直ってきたということが大いに関わっているのだ。

 

 

ところで、この眠狂四郎シリーズは、今日現在で第6巻まで読み終わっており、逆に新刊を読む合間に、次の『眠狂四郎独歩行』の上下巻を読もうというつもりでいる。
解説によれば、第6巻30篇は第5巻までの100篇の後、続30話として発表されたもので、それ以降『眠狂四郎独歩行』を始めとして、20年にわたって書き続けられたというのだから、著者の代表作と言えるのだろう。

 

狂四郎がある種の人々を引き付ける魅力を、三人称の語りばかりでなく、彼を取り巻く人物による語りもあって、それはそれでより読むものを引き付ける魅力となっている。
例えば道中で知り合った薬売り、巾着っきりの金八、あるいは鼠小僧治郎吉などなど、これらのいわば狂言回しともいえる人物たちも、狂四郎に劣らずの活躍を見せて、シリーズをより一層面白く読ませるのだ。
もちろんのこと男衆ばかりではなく、色を添えるのは女性陣も負けてはいない。こう書いている最中も、読み終わったエピソードの中の、悲しい運命にもてあそばれた女たちを思えば、思わず涙ぐむほどの物語がいくつもあって、シリーズは剣劇のみならず、悲劇、喜劇にラブストーリーと、あらゆる分野にわたって、物語が展開されるから、多くのファンを獲得したばかりか、多くのドラマや映画が作られた所以だ。

収録作
# タイトル # タイトル
1 狂四郎告白 11 遺言賭博
2 奇跡くずれ 12 奇怪茶屋
3 追慕小路 13 花の長脇差
4 悪縁記 14 毒と虚無僧
5 鼠小僧参上 15 能面頭巾
6 必死刀 16 血笑の果て
7 火焔船 17 酔いどれ名人
8 猿神異変 18 甲賀忍組
9 妖異碓氷峠 19 裸女変心
10 .家康騒動 20 白珠賊

 

 

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1873.眠狂四郎無頼控(三)

2019年01月26日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(三)
読了日 2018/12/16
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 407
発行日 1995/08/20
ISBN 4-10-115008-7

 

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ソコンの故障が、いろいろと僕の日常に変化をもたらして、何十年ぶりかの手書き年賀状作成もその一つで、60枚ほどに2日、3日を費やした。と言ってもイラスト入りの葉書を近くの郵便局で購入して、宛名とわずかな添え書きのみを手書きしただけだ。が、手書きの良さは、受け取る人によって文面を自由に変えられるところだ。
もちろんパソコンで作る賀状にしても、工夫次第でいろいろと変化させることはできるのだが、機械でプリントするとなると、そうしたことがとたんに面倒になるから困ったものだ。また、こと年賀状に関しては、割と早く準備するから、時々は作り終えてから、何通か喪中はがきが舞い込むことがあり、あまり早く用意するのも考え物だといつも思うのだが、僕はどうもぎりぎりになって年賀状を作ることが出来なくて、何枚かの葉書を作りすぎるのだ。
そんな僕の年賀状事情だが、そろそろ年賀状だけの付き合い先も整理しなければと考えている。

 

 

若い頃とは一味も二味も異なる面白さを感じているのではないか、そんなことを思いながら、眠狂四郎シリーズの面白さに嵌りつつある。眠狂四郎の円月殺法による剣捌きはもちろんのことだが、この時代小説の魅力は、その当時の風俗をはじめとする、時代の動きなどをその都度、丁寧な解説を試みていることにある。
また、狂四郎を取り巻くいわば狂言回しといったキャラクター達も、存分にその存在感を示して、それらの人物たちが一層狂四郎の魅力を引き立てているところにも、ストーリーの面白さになっている。半世紀も前に読んだ頃僕はそうしたことに気づいていたかどうか、全く記憶にないのだ。
20代前半のころは、僕に限って言えば、まだ大人になりきってない部分も多く、世間知らずともいていいような時代だった。だから、一途に思い込んで結婚に踏み切らせた、年上のカミさんはそんな僕に失望したことも多かった、のではないかと今頃になって思うが、若さとはある意味無謀で、怖いもの知らずではあった。

 

 

はいうものの、今こうして昔読んだ本を読み返して、新たにその魅力を再発見することに、また異なった喜びを見出すことも、読書の面白さにつながって、日々の暮らしに喜びを感じている。

今日、26日は昨日やり残した配達の仕事を、8時ごろから1時間半ほどで終わらせた。
毎会おんなじことを考えるが、今日の寒さは北風が加わって、身を切る寒さとはこういうのだと感じた。北国の人から見れば、「何を言ってるんだ」と言いたいだろうが、その北国の人がこちらに来て、寒さの質が違って、雪や寒さになれている人ですら、寒いというくらいなのだ。
今部屋でこれを書いて時間になって、ようやく暖かな日差しが部屋に差し込んできた。灯油代がバカにならないと、みみっちいことを言ってきたが、最近、近くのガソリンスタンドに灯油を買いに行くたびに、ほんのわずかずつ価格が安くなっているので、そんなことにも喜びを感じるのは、いよいよもって我が家も財政の厳しさにすっぽりと嵌っているようだ。
本来ならこの記事はもっと前に出すはずだったのだが、僕の読書の遅さと相まって、いや、そんな事とは関りがないはずなのに、遅くなった。

 

収録作
# タイトル # タイトル
1 二人狂四郎 11 犬公方
2 紅の花 12 異端の貌
3 将軍の微笑 13 愛母像
4 湯殿の謎 14 義眼文字
5 円月決闘 15 白鳥主膳
6 尼寺暮色 16 疑惑の棺
7 悲愁の丘 17 おろか妻
8 地下牢の武士 18 剣の人々
9 治郎吉日和 19 裸女変心
10 恋やくざ 20 おらんだ殺法

 

 

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1872.眠狂四郎無頼(二)

2019年01月20日 | 時代ミステリー
眠狂四郎無頼控(二)
読了日 2018/12/12
著 者 柴田錬三郎
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 394
発行日 1960/09/15
ISBN 4-10-115007-9

 

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世紀も前に読んだ「眠狂四郎」シリーズの文庫第1巻を読んで、剣劇ブームを呼び起こしたという傑作時代劇を堪能した後、こちらも後のミステリーに多大な影響を与えた、捕物帳の元祖ともいえる半七捕物帳を続けて読んだ。

これは、少し前の『半七捕物帳(三)』を読んだ際のメモだ。そうした大学ノートのメモを見たり、Wordの ファイルをひっくり返したりしているうちに、そっちこっちの記事が混ざり合って、何を書いているのかわからなくなる。

何しろ7カ月にも及ぶ期間、海外ミステリーに没頭した後だから、その反動で時代小説を読もうという気になったのかどうか、自分のことながら良くは分からないが、しばらくは気の向くままに、積ン読の蔵書を消化し たいと思った。
こうした未読の蔵書を整理するために、僕はExcelで「ReadingDialyFormat」と題した表を作って、データを整理しているが、気の向くままに行っていることだから、なかなか思うように進展しないのが難だ。
先日しばらくぶりにその表を整理していたところ、積ン読になっている多くの蔵書には、読みたい本がたくさんあることに、あらためて気づき、少しずつそれらを消化していこうと思ったのだ。
狭い自室のいたるところに積まれた未読の本は、何度もその位置を変えたりしながら、整理を繰り返してきたが、一向にその数は減らずに今に至っているので、それを減らすには一大決心が必要なのだ。
いつまで僕のそうした思いや決心が続くかわからないが、数百冊を消化するには数年はかかるだろうから、それこそ気ままにのんびりと取り掛かろう。などと思うことが、そもそも一向にはかどらない元なのだろうが、そんなことを言っても気の向かない作業には、容易に手もつかないものだ。

 

 

長い間、ぺリイ・メイスン・シリーズに明け暮れていたからか、ほんの少し虚脱状態の感じだ。本を読むことに頭で内容を一応理解して入るものの、感覚として面白さが味わえていない気がするのはどうしてか?また以前のように物語に没頭できるまで、しばらくの時間がかかるのだろうか。

何度も同じようなことを書いている気がするが、この眠狂四郎シリーズは結婚間もなく、僕の急性虫垂炎の手術で入院した時、カミさんに頼んで買ってきてもらった文庫数冊を、ベッドの上でむさぼるように読んだ。
退院後も次々と単行本を買って、当時出ていたものはすべて読んだ記憶がある。その後それらのすべてを蔵書として保存していたのだが、数年後にもう読むこともないだろうと、処分してしまったのを今頃になって悔やんでも仕方がない。
今では大概の本がネットで贖うこともできるとは言え、僕の本についての失敗は何度も同じことを繰り返して、その都度悔やむことだ。

 

 

日、1月19日は僕の関係する、社会福祉法人薄光会の運営協議会のため、富津市湊の湊ひかり学園に行ってきた。薄光会の事業所・施設を利用する障害者の、保護者・家族の会、天羽支部の副支部長の僕は、2年前に発足した薄光会運営協議会の委員に推薦されて、委員を務めているのだが、寄る年波ばかりでなく衰え行き心身に、そろそろお役御免を申し出ようと思っている。
一方、昨年3月から始めたメール便配達という、仕事を持っていることも大きくかかわって、その他の事に頭が回らなくなっているからだ。 まあ、そんなことを言いながら、結局は自分で積極的にならなくても、何とかなるようになると、物事に流されていくのだろうと、楽観的に考えてもいるのだが・・・・。

と言ったところで、昨日の会議のために少し滞っている配達に、行ってこよう。

 

収録作
# タイトル # タイトル
1 海の亡霊 11 京の雨
2 贋囚人 12 地獄の夜
3 美女崩れ 13 阿弥陀ヶ峰
4 笑う狂女 14 金髪船
5 刺青往生 15 皇后悪夢像
6 運命図絵 16 白刃湯
7 切支丹坂 17 贋金六千両
8 賭場女房 18 女心叙情
9 狂四郎哄笑 19 海賊村
10 槍と驕姫 20 暴風雨

 

 

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1871.誘拐

2019年01月18日 | 本格
誘拐
読了日 2018/0920
著 者 高木彬光
出版社 角川書店
形 態 文庫
ページ数 415
発行日 1973/10/20
書肆番号 0193-133804-0946(2)

 

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、一度読んでいるといっても、半世紀以上も前の事だから、もちろん覚えているわけはない。読み始めてみたが、半分くらいまで進んでも一向に記憶は蘇らない。この作品が発表されたころ、ファンの間に大きな反響を呼んだのみならず、探偵小説の世界を担う多くの作家たちにも衝撃を与えたのだった。
そんなことから著者の代表作の一つといっても過言ではないだろう。
僕も高木氏のファンだった一人として、読んでその世界を堪能したことだけは、記憶にあるのだが前述のように、今となってはその中身を覚えていないことの方に、ショックを覚えている。
確か(いや、確かという言い方は、適当ではないな、多分という意味だ)高木氏は、1963年に起きた現実の悲惨な誘拐事件である吉展ちゃん事件に触発されて、この作品を描いたのではなかったか?
その辺も僕の頭の中では時系列があやふやだから、確たることは言えないが、どこかでそんな高木氏の談話を 聞いたか読んだか、覚えがかすかにある。

 

 

誘拐事件は、特に営利誘拐は一説によれば、犯罪としてはもっとも割に合わない犯罪だという。身代金を受け取る際にどうしても、姿を現す危険があるから、きわめて成功率が低い、というのがその要因だ。計画に要する努力が結果に結びつかない、つまりコストパフォーマンスがあまりにも低すぎるというわけだ。
にもかかわらず、推理作家たちにとっては、そうは思えないようだ。何とかして、新たな方法を考えるに値すると思い、新しい誘拐事件をテーマに作品を発表し続けている。
今までに数えきれないほどの、誘拐事件を扱ったストーリーが、生み出されていることを見れば明らかだ。
僕のような単なる一読者とすれば、そんな割に合わない誘拐事件が、どのような工夫の下に実行されて、捜査当局はいかにその犯罪を解明するのかという、その両者の闘いをワクワクしながら読むことだけを、楽しめばいい。

 

 

日も外は少し冷たい北風が吹くものの、部屋はまぶしい日差しがあって、ストーブ要らずの温かさだ。
金曜日の今日は、メール便配達の荷物が、多くはいる予定だ。毎月決まって来る自動車関連の機関誌で、部数は多いが、軒並みと言っていいほどの、配達先となるから作業効率が良い。
ただし、配達先の動態地図へのマッピング(地図上の配達先に印をつける作業)と、配達先名簿作りという―これは僕だけの事だが―準備に時間がかかるが、毎月の変動は数件なものだから、あらかじめそれらの作業を終わらせておくことも可能だ。
僕は独自にゼンリンの動態地図に、前回の配達先をマッピングして、Excelで作成した配達先一覧とを、セットにしてある。
もうじき荷物が届くはずだ。

 

 

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1870.殺しの四重奏

2019年01月17日 | サイコ・サスペンス
殺しの四重奏
THE WIRE IN THE BLOOD
読了日 2018/09/14
著 者 ヴァル・マクダーミド
Val McDermid
訳 者 森沢麻里
出版社 集英社
形 態 文庫
ページ数 615
発行日 1999/06/25
ISBN 4-08-760360-1

 

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在このシリーズ作品が、マクダーミド女史によって何作書かれているのか知らないが、パソコンの不具合から、インターネットに接続できないことが、いかに不便なことか改めて感じいってる。大分前にこのシリーズが連続ドラマ化(タイトルは本書の現代と同じワイヤー・イン・ザ・ブラッド-血の桎梏だったと思う)され、テレビで放映されたのを見て、原作では女性刑事・キャロル・ジョーダンが主役の感じ(僕の独断による)だが、ドラマでは当時人気のあったロブソン・グリーン扮するところの、トニー・ヒルにスポットライトが当たっているような感じがした。
キャロル・ジョーダンを演じたのは、ハーマイオニー・ノリスで僕はこの女優さんの雰囲気に好感を持って見ていたのだが、何作目かで彼女の役柄は消えて、降板してしまった。今考えれば、彼女は役柄や待遇に不満があったのでは、僕はそんな感じを抱いているが、まあ、どうでもいいことか。

 

 

第1作の『殺しの儀式』を読んだ頃は、残虐な殺人の起こるサイコサスペンスを好んでいたから、“殺しの・・・・”とシリーズ作品を思わせるタイトルに惹かれて、買っておいたものだ。僕の手許にはもう1冊『殺しの迷路』があるが、Amazonで調べたら、『殺しの仮面』という作品があった。
現在翻訳されて刊行されている中で、“殺しの・・・・”というタイトルはそれだけだった。僕の思いとしては、いずれ著者の作品はシリーズに限らず、読むつもりでいるのだが、例によってそれがいつになるかは全く分からない。
すでに亡くなっている作家の場合は、残された作品の数やタイトルは分かっているから、比較的目標を立てて読みやすいともいえる。そうはいっても僕のような気まぐれの読書は、読書に限らず何かを成そうということには一大決心が必要だ。
ということで、やっぱり足の向くまま気の向くままか?

 

 

の記事は、昨日出そうと思っており、投降したつもりだった。そんな僕の思い込みという悪癖が出たらしく、今日ブログを確認したら、昨日の記事はないではないか。
春のような部屋の陽気に反応して、僕の脳が勘違いというかやってもいないことを、やったと思い込んだようだ。今更、一日ずれたところで、大勢に影響はないが、できるだけ早く遅れを取り戻して、何とか80歳2000冊の目標に近づけたいという気持ちが、少しずつ高まっているので・・・・。
僕の中には二人の人格がいて、もう一人は「まあ、いいじゃないか。」と言う。それを聞いて、「それもそうだ。」とすぐに易きに流れるのが、僕の良いところでもあり、悪いところでもあるのだ。今日も部屋には暖かな日差しが降り注いで、「のんびり行こうか。」という声に同調しているところだ。

 

 

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1869.二度殺せるなら

2019年01月15日 | サスペンス
二度殺せるなら
Kill and Tell
読了日 2018/09/20
著 者 リンダ・ハワード
Linda Howard
訳 者 加藤洋子
出版社 二見書房
形 態 文庫
ページ数 356
発行日 1999/02/25
ISBN 4-576-99004-7

 

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の物事に対するスランプ状態から抜け出すためには、どうも読書しかないようだ。パソコンの故障を直すためには、しばらくメールの配達の仕事を頑張るのだが、パソコンとインターネットで、その仕事の効率化を図ろうとしていた矢先の故障だったから、当分パソコンなしの落ち着いた生活もいいかな、そんな気分でいたのに、読書に対する意欲が少しずつ高まりつつある今、大分サボってしまったブログの隙間を埋めようとしても、肝心のインターネット環境が整わないから、困ったものだ。
今年の11月2日、79歳の誕生日までに1900冊には程遠くなってしまって、いまさら急いでも到底無理なことはわかっているが、それでも何とか目標の数値に近づけようとしている。

というのは、本書を読んだ昨年9月の事だ。いまさらという感じだが、80歳2000冊という目標から、遠く離れてしまった遅れを、いくらかでも取り戻そうと、毎日読書に励んでいるが、僕の読書は励むものではなく、純粋に楽しむものだから、そうはいってもそれほどスピードが増すわけではない。
今のところはわずかに昨年読み終わっている本について、記録をブログにアップロードしているだけで、早くそれを済ませて、今進行中の本の記録に移りたい。

 

 

図書館を利用することで、古書を買うことからは半年ばかりの間、遠ざかっていたが、何もいろいろ自分を窮屈な状態に落とし込まなくてもいいじゃないかと、都合のいい、言い訳を心の中でしている。
まあ、とにかく読書だけでも細々と続ける意欲がよみがえったことだけでも、いいんじゃないの?僕の中ではいろいろと思いが交錯している。 息子がお世話になっている福祉施設の、保護者・家族の会のために会報作りをしていたのが、パソコンの故障のために、何回か休まなくてはならなくなったことも、僕のスランプ状態を引き起こした要因の一つで、それでも何も考えずにその日その日を漫然と過ごすのもいいか、などという気もあったりして・・・・。
唯一の慰めは、3月半ばから始めたメール便配達という仕事が、思いのほか面白くて、月水金に配達物が届けられることだけを、楽しみにしている状態が続いている。

今読み返すと、この時期は本人は意識してないのかもしれないが、かなり落ち込んでいたことがわかる。何にしても今、読書への意欲も普段の生活も以前の姿に帰りつつあることに満足している。

 

 

およそ東西3㎞、南北2㎞の広さの団地内とはいえ、全域の地理や住宅配置図を記憶することは難しいから、配達時にはその都度作る配達先名簿と、動態地図をもって仕事にあたる。
だがそれでも時には迷うこともあって、だからこそその奥深さにも面白さを感じるのかもしれない。

僕はだらだらと無意味な生活に陥ることを防ぐため、起床や食事の時刻などを、できるだけ規則正しくしている。朝は6時から6時30分の間に起きて、洗顔歯磨きから朝食までを7時30分までに済ます。
12時から13時の間に昼食、夕食は6時から軽くとって7時までに歯磨きをする。とまあ、以上が僕の一日の日程だ。なぜそのようなことを心掛けているかといえば、やはり健康面への気遣いだ。歳を取るにしたがって、若いころのように無理がきかなくなっているから、無理をせずにできることといえば、時間を決めてできるのがそのくらいのものだろう。
長生きをしようとは思わないが、健康を維持することには少しの気遣いを心掛けようと、思っている。
今日は雲が多く、日差しが少し少ない分、ストーブの出番が多くなるのが、ちょっと気がかりだ。

 

 

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1868.泥棒のB

2019年01月14日 | ハードボイルド
泥棒のB
“B” IS FOR BURGLAR
読了日 2018/09/15
著 者 スー・グラフトン
Sue Grafton
嵯峨静江  
出版社 早川書房
形 態 文庫
ページ数 350
発行日 1987/06/30
ISBN 4-15-076352-6

 

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回のロマンチック・サスペンスなる「真夜中のあとで」に、大いに読書欲を刺激されて、傾向は違うものの同じアメリカの女流作家の作品を読む気になった。著者のスー・グラフトン女史は、3Fという読書スタイルというか、女性読者の読書欲をかきたて、楽しみ方を与えた女性作家のひとりで、「アリバイのA」から始まる、アルファベットを次々とタイトルに使った作品でおなじみだ。
女性私立探偵キンジー・ミルホーンを主人公に据えた作品は、ライバルとも言われるサラ・パレツキー女史と比較されることも多いが、同じ女性私立探偵の活躍を描いていながらも、互いに次々と傑作を生み出しているところは、両者相譲らずといったところか。
同じく女性私立探偵を描くストーリーを生み出しているが、それぞれその性格や活動の方法は異なり、それぞれのファンを獲得しているところが面白い。

 

 

僕も両者の作品をもっとたくさん読みたい気持ちはあるのだが、いつも書くようになにしろ、次々と発表される国内作品に目を奪われて、なかなか海外作品にまで手が回らないのが現状だ。
と言いながら、ガードナー氏のぺリイ・メイスン・シリーズのように長編82作(前に13作を読んでいたから、続けて読んだのは実質69冊だ)を読み切ったことが、気持ちの持ちようで読む本を決めることが出来るのだが・・・・。

このグラフトン女史のシリーズ第1作(アリバイのA)とて、2012年に読んで続けて読もうと思ったのはいいが、第2作までに6年もかかってしまったのだから、何をか言わんや、である。
まあ、それでも好きな時に好きな本を読めるのは、読者の特権だ。シリーズ作品だろうがそうでなかろうが、読みたいときに読めばいいのだが、やはり続けて読んだほうが、作品の雰囲気に溶け込んだり、行間のニュアンスを会得できたり、ということになるのだろうな。
僕のようにむやみやたら、手当たり次第に買って、蔵書を増やしていくと、なかなかシリーズ作品を系統立てて読むには、不向きだ。

 

 

書もあまり時間をおいたものだから、主人公のキンジー・ミルホーンが、どんな人物だったかも忘れていたが、最初の数ページで自己紹介があり、そんなところは作者・グラフトン女史の心憎い気配りだ。
年を経るにしたがって、すぐに忘れるということが多くなり、一説によれば記憶力と加齢には、関りは無いのだそうだが、卑近な例をとってみれば、パソコンの具合が悪くなって、このブログを高々半年ばかり休んでいたら、ブログへの記事のアップロードの方法を、見事に忘れていたのだ。悪い状況に見事という形容はないが、きれいさっぱり忘れていたということだ。
従来僕のブログへの記事投稿は、まずそのもととなる文章をワードのファイルにして、それをそっくりメモ帳にHTMLとしてコピーする。そのメモ帳をそのままコピーして、gooブログの新規投稿のページのHTML欄にペーストするという方法をとっている。
文章にするとちょっとややこしいが、メモ帳には国内長編とか海外短編集とかといった、記事の形態によってテンプレートが作ってあり、そこにワードの文章やデータを流し込むということだから、一定の作業で投稿できるという仕組みになっている。

今日は、メール便配達の仕事があり(毎週月、水、金に配達物が来ることになっている)、少なかったので10時には準備を済ませ、午前中に配達を終わらせた。その足で図書館に読み終えた本を返しに行き、帰宅して昼食にジャストといったことで、何か行動に無駄がないといった感じで、こうしたときは食後のコーヒーも一段とうまく感じるのだ。

 

 

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1867.真夜中のあとで

2019年01月13日 | サスペンス
真夜中のあとで
LONG AFTER MIDNIGHT
読了日 2018/09/13
著 者 アイリス・ジョハンセン
Iris Johansen
訳 者 池田真紀子
出版社 二見書房
形 態 文庫
ページ数 559
発行日 1997/11/25
ISBN 4-576-97142-5

 

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年10月から、ガードナー氏のぺりイ・メイスン・シリーズの長編全作を読み切ったほどの情熱はないものの、またぞろ、この作者の著作を読み続けてみようか?などとも思えるようになった。
こういうスリルとサスペンスに満ちた物語を読んでいるとき、登場人物たちの洒落た会話に、読書の醍醐味を感じると言ったら大げさになるか?いやそんなことはないだろう。
そうした洗練された会話が、時に緊張感を和らげて、小休止の役目を果たすこともあるのだ。

今日は朝から心地よい日差しが部屋に注ぎ込んで、たった今ストーブを消したところだ。外が寒くても日差しがあれば、部屋の中は春の温かさになって、怠惰な僕に体を動かすよう促す。コーヒーなど淹れに行こうか。

 

 

近ごろは国内作品でも時には、日本人らしくないと思われるような、しゃれた会話も登場するようになって、ストーリーによっては、そうしたアメリカナイズ?された登場人物の会話に、面白さを感じる作品も多くなった。
読書の楽しみ方は人それぞれで、しかも好みも多様でそうした現象を嫌う人もいるだろう。だから、僕とて国内作品のすべてのしゃれた会話を期待しているわけではない。
やはり欧米の作品にこそ、持って生まれた国民性から醸し出される、しゃれた雰囲気を感じさせる会話といったものに、期待を寄せるのだ。しかし、以前にも同様の事を感じてここに書いたが、アメリカでもイギリスでも女性の作家が手に汗握らせるような、スケールの大きなサスペンス・ストーリーを生み出して、しかも多くのファンを獲得するのは、それも国民性の違いからだろうか?

 

 

が国でも多くの女性作家が活躍しており、特に新人作家の登竜門ともいうべき、ミステリー賞の受賞者を受賞して、活躍する女性作家の多いことが、僕にはミステリーやサスペンス小説が、女性作家の専門になりつつあるような気さえしている。
読書を趣味とする僕とすれば、女性でも男性でも面白いストーリー-を生み出してくれさえすれば、どちらでも構わないのだが…。60歳の還暦時に目標とした500冊のミステリーが、スムーズに僕の手に入るだろうか?などと感じた不安のようなものは、今考えると嘘のような気もするほど、多種多様なミステリーが次々と刊行される現在の状態は、その中でおぼれているような錯覚さえ覚えるのだ。

 

 

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1866.東京湾岸奪還プロジェクト

2019年01月12日 | 冒険
東京湾岸奪還プロジェクト
ブレイクスルー・トライアル2
読 了 日 2018/09/05
著  者 伊園旬
出 版 社 宝島社
形  態 文庫
ページ数 318
発 行 日 2011/07/21
I S B N 978-4-7966-8421-7

 

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端技術やIT知識を駆使して、目的を達成するといった冒険小説といえばいいのか。著者のデビュー作にして、「このミス大賞」受賞作の、『ブレイクスルー・トライアル』を読んだのは、記録によれば2013年4月となっているから、6年も前になるのか。この文庫も最近買ったものではなく、記憶は確かではないが、おそらく数年前の事だろう。
僕の気まぐれな読書は、積ン読の蔵書の古さを増していくばかりで、今更せっせと読んだところで、一向にその数は減らないような気がしている。いつも同じことを言うようだが、それでも誰に迷惑をかけるわけではないから、僕自身にしてもそれほど痛痒を感じてはいないのだが。
前述のようにこうした先端技術の応酬によるサスペンス・ストーリーは、そうした知識をを持ち合わせていない僕をも、なぜか興奮の坩堝へと引き込むのだ。なんというか、ストーリーの登場人物と同等の知識を得たような気にさせるからなのだろう。つまり、知識欲を満足させるのだ。
何しろ昔勤務していた会社が所属していた、経営コンサルタントグループの講師として活躍していた、著名な先生の勧めで始めたパソコンで、曲がりなりにもプログラミングの面白さを経験したことが、その後のパソコンの扱いにも大きく影響しており、そうしたこともこのようなストーリーに惹かれる要因の一つかもしれない。

 

 

話は変わるが、僕は今年11月の誕生日で80歳を迎える。今でこそ80歳といってもそれほどの年寄とは言えないかもしれないが、75歳が後期高齢者の入り口だというから、80歳も立派な老人といっていいだろう。にもかかわらず、僕は知的障碍者の息子が入所している施設、グループホームあけぼの荘を運営する、社会福祉法人薄光会の運営協議会の委員や、保護者・家族の会の役員などをしている。
特に施設を利用する障害者の親、あるいは兄弟姉妹の組織である保護者・家族の会の役員は、当初の親の高齢化により、その息子や娘、つまり障害者の兄弟・姉妹に代替わりしつつあるのだが、役員になり手がいないのだ。だから、いったん役員を引き受けると、何年にもわたって務めることになるから、そうしたことも引き受け手がなくなるという負のスパイラルを生むことになる。
80歳にもなる人間がそうした役員を続けるのは、恥ずかしいではないかと思うのだが、いかがだろう。

 

 

か月も前に読んだ本について何を書けばいいのだろうと、いささか戸惑いのようなものを感じながら、まあ、いい加減なことを書いているが、昨年、冬の入り口には暖冬などということも言っていたが、厳しい寒さが続く毎日で、どうやら僕の両足の親指に霜焼けができたようだ。
子供の頃は両手両足の霜焼けに苦労したものだが、何しろ朝起きると膨れ上がった両手は、拳骨が握れないほどだったから、その痛痒さもさることながら、鉛筆を握れないことも学校生活にも影響して散々なものだった。今考えると手足の毛細血管の血流がスムーズでなかったことが原因だろうが、それよりも栄養失調が主な要因ではなかったかと感じている。
ということで、現在も僕の貧しい食生活は、両足に霜焼けなるものを発生させているのだろう、という結論になるのである。お粗末!

 

 

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1865.保健室の先生は迷探偵!?

2019年01月10日 | 学園ミステリー
保健室の先生は迷探偵!?
読了日 2018/08/31
著 者 篠原昌裕
出版社 宝島社
形 態 文庫
ページ数 367
発行日 2012/08/18
ISBN 978-4-8002-0070-9

 

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分前に買って積ン読になっていた文庫のうちの1冊。知らない作家だから、当然初めて読む作品だが、文庫の背に、宝島社の“このミス大賞”の文字があったので、手が出たのだと思う。にもかかわらず、積ン読になっていたのは、前回も書いたとおりの気まぐれからだ。
しかも何年も放っておくのは、べつに理由はなくその時々に読みたい本がほかにあったからというだけだろう。本人にも確たる理由は分かっていない。誰にも多少の差はあれ同様の事はあると思うが、僕も人並みに一度はまると、次々と(でもないが)同じ出版社、同じ作者、同様のカテゴリーを探して読む傾向がある。
その一つが本書の発行所の宝島社だ。このミス大賞の受賞者がすべてとは言わないが、多くの人気作家と作品を生み出しているところを見れば、興味を惹かれるのは当然だろう。多少あまのじゃくなところもある僕だが、このミス大賞には注目している。

 

 

中でも見落とせないのは、大賞受賞作に限らず、優秀賞や次点ともいうべきか、隠し玉と称して出版される作品にも、面白く読める作品が多いという子で、シリーズとして刊行しているものもあるほどだ。
そんなことからBOOKOFFなどで文庫棚を見ていて、前述のごとく文庫の背に“このミス大賞”などという赤い文字を見ると、つい手が出てしまう。まあ、そうした読者を狙って、表示してあるのだろうが。しかしながら、というか残念ながらというか、それほど僕の読書意欲をくすぐるほどではなかった。いや、面白くないというのではないが、岡崎琢磨氏の『珈琲店タレーランの事件簿』のような、後を引くほどの魅力には、及ばなかったということだ。
最もそうそう出版社の思惑が当たり続けたら、儲かってしょうがないだろうが、世の中そううまい話はないのが普通なのだ。

 

 

ころで、僕はこのブログのために、手許の蔵書と新しく買った書籍や、図書館で借りた本もすべて、表紙をスキャンして画像を保存している。ところが今回本書の画像を登録しようと思ったら、画像ファイルにないではないか。そこで多機能プリンターの原稿台に文庫を乗せて、スキャンしようとプリンターの電源スイッチに触れたが、反応がない。
マニュアルに従って、一旦電源コードを外して、ある程度時間をおいてからコードを接続した後、スイッチに触れるも同様に反応なしだ。CANONの相談センターに連絡すると、要修理の事象だという。「パソコンに続いてプリンターよお前もか!」
係員に尋ねるとなんと修理代は1万7千なにがしだという。少し足せば新品が買える値段だ。「踏んだり蹴ったり」「泣きっ面に蜂」いろいろ諺が浮かんでくる。それほど悪いことをした覚えもないが、何かの祟りか? まさかね。なんだかここにきて、ハードの寿命が極端に短くなっているような気がする。

 

 

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1864.化学探偵Mr.キュリー 2

2019年01月08日 | メディカル
化学探偵Mr.キュリー 2
読了日 2018/08/10
著 者 喜多喜久
出版社 中央公論新社
形 態 単行本
ページ数 330
発行日 2014/07/25
ISBN 978-4-12-205990-0

 

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年前に読んだ『ラヴ・ケミストリー』という本で、著者の名前や経歴などを覚えていたのは、化学的な知識が織り込まれた内容に、面白さを感じてほかの著書も読んでみたいと思っていたからだ。しかし、例によって僕の気まぐれな性格は、次々と出てくる新作ミステリーに目を奪われて、いつしか忘却の彼方となってしまうのだ。
8月3日にふと思い出して、木更津市立図書館に行って、文庫棚にあった本書のシリーズ、2、3、5、6の4冊を借りてきた。しばらく本から遠ざかっていたから、2週間の借り出し期間に全部を読み切れるかどうか、あまり自信はないが、とにかく読み進めることにする。こういう連作シリーズは、順番に読むに越したことはないのだが、そうしたことも「どうでもいいか」などと思ってしまうことが我ながら信じられない。

 

 

今日はもう14日だから、本書を読み始めて12日目となった。時間は人の都合などお構いなく過ぎてゆくから、毎日数ページあるいは10数ページか、1冊の文庫を読み終えるまで、10日以上もかかることは、今までなかったと思うが、パソコンの具合が悪くなってからというもの、あらゆることに面倒さが絡まって、読書にも身が入らなくなった。
いや、僕はそれほどまでにパソコンに頼り切っていたのだろうか?と、不思議な感じもするが、やはりそうなんだろうな。いや、あらゆることではないか、3月から始めたメール便配達の仕事には、ますます面白さを感じて、今週の月・水はお盆休みということで、仕事はないが、17日金曜から再開する仕事を心待ちにしている状態だ。
単に配達するだけの単純な仕事なのに、集合住宅の部屋の配置とか、特に僕の住んでいる地区には6棟のビルが集合する県営住宅があり、4階建ての各フラットに4つの部屋があり、2か所の集合ポストに8個ずつが設置されている、ということなどなど、突き詰めていけば工夫の余地がたくさんあって、時にはわくわくさせるのだ。

 

 

記の文章はいずれも、この本を読んだ昨年8月に書いておいたものだ。何もかも面倒だと言いながらも、読書のメモを記しておいたのは、記憶力の貧しい僕はすぐに忘れてしまうから、こうしたメモは大事なのだ。
それにしても、前回の『西郷札』を読んだのが、6月20日だから、2か月もの間本を読まなかったというのは、この読書記録を始めてから、初めてではないだろうか?もともと怠惰な僕だが、本を読むことだけに限れば、今まで面倒だなどと思ったことはない。これを書いている今、1月8日の午後は、部屋に陽が差してうららかな春を思わせる。

このシリーズの立役者、Mr.キュリーこと沖野春彦教授の活躍は、そんな僕を読書の面白さに再び誘いこんでくれた。ただ残念なことに、せっかく借りた後の3冊は読めず部返した。

 

収録作
# タイトル
第一話 化学探偵と炎の魔術師
第二話 化学探偵と盗まれた試薬の使途
第三話 化学探偵と疑惑の記憶
第四話 化学探偵と幻を見た者たち
第五話 化学探偵と人魂の正体

 

 

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1863.西郷札

2019年01月06日 | 時代ミステリー
西郷札
読了日 2018/06/20
著 者 松本清張
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 397
発行日 1965/11/25
ASIN B000JB2I2I

 

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書を最初に読んだのは、だいぶ前の事だ。まだこのブログを始める前だが、それでも1991年に緒方直人氏の主演によるドラマを見た後だから、20数年前か。
最初に収録された表題作が目的で買ったものだから、その他の作品については全く記憶に残っておらず、「西郷札」だけは細かなところまで覚えているのは、やはりドラマのせいで、視覚による記憶の確かさに驚いている。二十代の初めのある時期、僕は清張作品をむさぼるように読んだが、時代小説には手が回らなかったから、この本もドラマに触発されて読む気になったのだ。
今回改めてここに収録された短編時代小説を読んで、その面白さを再発見することになったが、若くて今より少しは勢いのある時期に読んでおきたかったと思っても、もう遅い。

 

 

このブログを休んでいる間は、気の抜けたような日々を過ごしており、ろくに本も読む気になれなかったから、今更、80歳2000冊の目標に向かって、遅れを取り戻そうと思っても、いささか遅きに失した感もあるが、少しずつ読書への意欲が戻ってきているような気もして・・・・。物事をどちらかといえば楽観視するのが、僕の欠点でもあり長所でもあるので、まあ、「何とかなるだろう」というのが今の心境だ。

西郷札とは、西南戦争の折、薩軍が発行した不換紙幣の事だ。
この西郷札をめぐって一獲千金を夢見る者たちの、悲劇的な結末を迎える物語は、このドラマの競演がきっかけとなって(?)、仙道敦子氏と一緒になった緒方直人氏だが。後にその結婚生活が破局を迎えたことに、僕は何となく西郷札が現代の事象にまで、影響を与えたかのような気がしたものである。と、まあ、全く関係のない一般の、片田舎の老人にまでプライバシーを云云されるのが、芸能人を始めとするいわば公人の悩ましいところだろう。
それはともかくとして、僕の頭には昔見たそのドラマの印象が強いものだから、本書を読みながらもかのそれぞれの場面を思い起こしながら、スリリングな展開に胸を躍らせていた。

 

 

という字であらわされた2018年であったが、そうした思いが嘘のように穏やかに晴れ渡った2019年が明けて、いや僕のクラス関東地方を含む太平洋側の事だが。冬型の気圧配置は、日本海側に大雪をもたらしているようで、なんとも気の毒な話だ。が、こればかりは致し方のないことだ。それでも、今日1月6日は関東南部の当地方まで、雲が行きわたって、雪でも落ちてきそうな空模様を示している。
こんな陽気の時は、僕の部屋も小さなストーブを燃やし続けなければならないのだ。何が困るといって、ストーブを付けっぱなしにすることによる、灯油の消費量が増えることだ。みみっちい話だが、わずかな年金を頼りにする生活は、倹約第一を瞑すべしで・・・・。などと言いながら8万2千円もパソコンの修理代につぎ込むのは、正気の沙汰ではない。
だが、そのパソコンがないことには生活に支障をきたす、とまでは言わないが、大分不便なことになるから、なけなしの金をはたいたのだ。愚痴を言っても始まらない。

 

収録作
# タイトル
1 西郷札
2 くるま宿
3 梟示抄
4 啾々吟
5 戦国権謀
6 権妻
7 酒井の刃傷
8 二代の殉死

 

 

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