隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1905.そしてあなたも死ぬ....

2019年04月21日 | サスペンス
そしてあなたも死ぬ
AND THEN YOU DIE....
読了日 2019/04/20
著 者 アイリス・ジョハンセン
Iris Johansen
訳 者 池田真紀子
出版社 二見書房
形 態 文庫
ページ数 470
発行日 1998/11/25
ISBN 4-576-98147-1

 

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訳小説の場合、同じ作者の作品はその翻訳者も同じであることが望ましい、と僕は思っている。アイリス・ジョハンセン女史の作品は数作に亘って、池田真紀子氏が担当しているが、その後については数人の翻訳者に委ねられている。
僕は本書の役者である池田真紀子氏が訳した作品を多数読んでおり、いずれも僕の好みの作品であったことも、大いに影響があるのかもしれないが、例えば相原真理子氏の死去により、その跡を継いだパトリシア・コーンウェル女史の検屍官シリーズが、何の違和感もなく読み続けられることが、訳者の腕前だと感じている。
そんなことは翻訳者として当たり前だ、と言ってしまえばそれまでの事だが、この読書記録を始めたばかりの頃、ある海外作品を翻訳者の名前で選んだこともあって、役者の名前も一つの目安としている。
そんなことを言いながら、本書は読み終えるまでに僕の身体の都合もあって、かなり長い時間がかかった。昼間は何かと気が散ることが多いから、読書の時間は夕食後にしているのだが、前回書いたように腰痛で整形外科の診断を受けて間もなく、腰痛は収まったのだが、左の腰から足先にかけての痛みが発するようになった。

 

 

4月15日に整形外科のリハビリに行った際、ドクターにその旨を言ったら、即座に「それは神経痛だ」ということで、「当院では機械がないから、紹介状を書くのでH病院でMRIの検査を受けてください。」とのことだ。僕はその紹介状を持ってすぐにH病院でMRI検査を受ける。
そして、検査結果の入ったDV]Dを持ってとんぼ返りで整形外科へ。ドクターは僕に画像を操作しながら、椎間板ヘルニアであることを説明する。
テレビや新聞でよく目や耳にしていた椎間板ヘルニアについては、よく知ってはいたが、まさか自分がなるとは思ってもいなかった。「痛み止めを出しますから、しばらく様子を見ましょう。」ということで、その日から腰痛の薬と神経痛の薬を飲むことになったが、神経痛は姿勢によっては痛みが増したり、歩行に困難をきたしたりと、誠に厄介なものだ。

そんなことで、夜の読書も思うに任せず、の状態が続いているのだ。

 

 

日は木更津市議会議員選挙の投票日で、カミさんと娘と3人で近くの投票所に行って投票を済ませてから、昼食は幸楽苑に行った。我が家の近辺では君津市の国道127号沿いの店が、ホームセンター、ジョイフル本田の前に早くにオープンしたが、僕は入ったことがなかった。
その後、木更津市請西店が数年前にオープンして、カミさんの誘いから3人で行ったことがあるので、今回もそこで昼食ということになったのだ。近ごろ僕は全く外食をする気になれなかったのだが、反対にカミさんの方はたまの外食を楽しみにしているようで、割と近くの蕎麦屋に行ったりしている。
幸楽苑は前に入った時にも、チェーン店のラーメンにあまり期待はしてなかったのだが、まあそこそこ旨かった。何よりメニューの少なさやシンプルさが、客に受けているのか、賑わっており特に今日は日曜ということもあって、子供連れも多く混んでいた。
夏の参院選の前哨戦だといわれている統一地方選挙が、どういう影響を夏の決戦に与えるのか、明日の朝刊が楽しみだ。それにしても足が痛い。

 

 

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1904.猫とアリス

2019年04月08日 | ハードボイルド

                                            

猫とアリス
読 了 日 2019/04/08
著  者 芦原すなお
出 版 社 東京創元社
形  態 文庫
ページ数 274
発 行 日 2015/02/20
ISBN 978-4-488-43007-8

 

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成15年6月に読んだ『ハート・オブ・スティール』の続編だ。同作はその後東京創元社から、『雪のマズルカ』と改題されて発行されたから、正式には『雪のマズルカ』の続編だ。
芦原すなお氏の作品に出合ったのは、東京創元社の『みみずくとオリーブ』が最初だった。同じく平成15年の2月だった。あまり売れない作家の美人の奥さんが、知り合いの刑事が持ち込む事件を、話を聞くだけであたかも安楽椅子探偵よろしく、解明してしまうという短編シリーズで、『嫁洗い池』、『わが身世にふるじじわかし』へと続く。
売れない作家というところは異なるものの、まるで芦原氏自身と奥さんをモデルにしたかのような、ホンワカとした雰囲気を醸していたから、というだけでなくもともと僕は、安楽椅子探偵譚に傾倒している。たちまちその魅力にはまったのだが、何しろ作品数は少なく、間もなく読み切ってしまうのだった。
そこでほかの作品もと思って読んだのが、前述の『ハート・オブ・スティール』だ。

 

 

ところがこちらの作品は超ハードボイルドと言ったらいいか?夫の死後私立探偵事務所を継いだ笹野里子は、夫が残したもう一つのリボルバーを携えて、ハードな仕事をこなしていくのだ。鋼鉄の心臓というタイトルそのままの行動たるや、読んでいて思わずギョッとさせる。 そうしたシリーズに続編が出来るとは思ってもいなかったから、タイトルに惹かれてAmazonで取り寄せた本書が、まさしく続編であることを知って、驚いたのだ。

このところ―3-4週間前から、何かすることが面倒になって、読書もままならない状態だ。特に従来読書の時間となっていた夕刻から、夕食後の時間に本を開いて読み始めると、途端に眠くなってしまうのは、体が読書をやめろということなのだろうから、僕はさっさと本を閉じて寝ることにしている。
一方夜の時間にテレビをつけて見るともなしに、クイズ番組などを見ていると、ついつい時間を忘れて見続けることになり、気が付いて慌てて本を開くと、前述のごとくの状態になり、寝てしまうということが続いている。
僕が従来テレビをあまり見なかったのは、時間を忘れて面白くもない番組を見続けることが、無駄な時間を過ごすという思いでいたからだが、先述のような状態から別に見たいとも思わない番組で、時間つぶしをするようなことが何日か続いている。単なる日常生活のスランプならいいが、そうでないと人生の終末への入り口に差し掛かっているのか?

 

 

晩はまだ肌寒い感じだが、桜の満開が北の地方まで届くような勢いで、いよいよ本格的な春の到来、と思いきやまだ寒さが戻ってきた。もう少し灯油のお世話になる日もあるのか、と、先日はカミさんと他にも買い物があるので、近くのホームセンターに行ってきた。
最近このホームセンターでも灯油の販売を始めたのだ。もともとこの会社は石油の卸業が主流だったことから、なぜほかの企業でもやっている灯油の販売をしないのかと思っていた。遅まきながら今年に入って駐車場の一角に販売スペースを設けて、僕が従来買っていたガソリンスタンドより安い価格で販売を始めたのだ。
我が家からの距離はスタンドまでと似たような距離なので、安いホームセンターに乗り換えた。 もうすぐ灯油の必要もなくなるが、1リッター当たり1円でも2円でも安い方が、貧乏暮らしの我が家にとっては助かる。18リッター2缶を1缶ずつ車に積んで、以前なら18リッター2缶を両手に持っても、それほど重さを感じなかったのに、今では1缶持ってもふらつくほど力がなくなった。

その時は重いと思っただけの事だったが、多分それが引き金になったか、今になって腰の曲げ伸ばしに鋭い痛みが伴って、少しの動作にも不便をきたす事態だ。歳は取りたくないと感じるのはこんな時だ、なんてのんびり言ってる場合ではない。
以前カミさんが通っていた整形外科を受診した。ドクターはレントゲン写真を診て、「骨には異常がないから、心配はいらない」という。だが、そのあと電気をかけたり、ウォーターベッドのマッサージを受けたりして、張り薬と内服薬を処方されて、しばらくリハビリに通うようにとのことだった。
メール便配達という仕事を休むわけにはいかないので、今日受け付けた荷物は、事務的な準備だけして、明日配達することにした。何日か憂鬱な日が続く。

 

収録作
# タイトル
1 青蛇
2 クリスクロス・六本木
3 猫とアリス
4 デュオニソスの館
5 無間奈落

 

 

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1903.最後の架け橋

2019年04月02日 | サスペンス
最後の架け橋
LAST BRIDGE HOME
読了日 2019/04/01
著 者 アイリス・ジョハンセン
Iris Johansen
訳 者 青山陽子
出版社 二見書房
形 態 文庫
ページ数 245
発行日 1998/02/25
ISBN 4-576-98003-3

 

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く最近になって少し読み続けてみようと思ったアメリカの人気女流作家の作品だ。
僕の偏見かもしれないが、西欧ではこうした女性の作家が描く、サスペンス―ロマンティック・サスペンスと呼ばれているが―の世界が人気を呼んでいるようだ。もちろん国内でもそうした作家の作品が、たくさん翻訳され出版されている。僕はそうした作品にあまり興味がなかったものだから、読んでこなかったのだが、それでもNHKテレビで放送された、そうした作品を原作としたドラマを見て、メアリ・H・クラーク女史を知り、いくつか読んだ。
アメリカという国柄かその広い土地を舞台としたストーリー、多民族国家の不気味な組織など、そうした小道具というか、ストーリーに欠かせない多様なオブジェクトにより、スケールの大きな物語が生まれる(のだろうと推測する)。
それだけでなく、ロマンティックと謳われているように、中にはラブストーリーと言ってもおかしくないような、内容も盛り込まれているなど、多彩なストーリーで読者を虜にしている。

 

 

どちらかと言えば、まあそんな断りを入れなくとも、ミーハーな僕もそうしたストーリーに、胸をときめかせて次々に読んでみたくなる。そんな僕のような読者を八方美人と言うのは、ちょっと意味合いが違うか。その時々でそちこち好みが変わって、読み散らかすことは、この読書記録を始めたころの目的とは離れる。
とは言うものの、僕の読書は半分以上が楽しみのためでもあるから、どう読もうと、どんな書物を読もうと、一向にかまわない。
そんな弁解をする必要もないが、それでもどこか僕の頭の中に、節操もない自分に恥ずかしい、という気持ちがあるのだろう。3冊目となる著者の作品は、先に読んだものとは少し異なる内容で、ちょっと短めだ。
にもかかわらず、読み終わるのに時間がかかったのは、ある意味かたくなな主人公に感情移入できない部分があったせいかもしれない。

 

 

日は5月から始まる新しい年号の発表があり、テレビではどこもその年号の決定に関するニュースで、賑わいを見せていた。今朝の新聞の第一面にも『令和』という年号が大きなスペースを占めている。
平成の時には、最初にわずかな違和感を覚えたが、今回はそのような感じはなく、素直に受け入れることが出来た。まあ、僕が受け入れようと受け入れまいと、そんなことがどうこうすることはないのだが、今回の年号改正は従来とは異なる雰囲気があり、天皇陛下の生前退位という事柄が、大きく国民の感情に占めているからなのだろう。
今はもう昭和の世代は、二つ前の年号の時代となって、特に僕のような年寄りには、その生前退位という天皇の気持ちに寄り添いたいという、寂しいが「お疲れさまでした」という、気持ちが強くわく。
激動の時代などというが平成の時代が、特にそうした印象を持つのは自然災害の大きさや、バブル崩壊などという、経済事情の激変ともいえる時代だったことが、強く心に残っているからだろう。新しい令和の時代が、平和で穏やかな時代となることを願おう。

 

 

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