隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2025.准教授・高槻彰良の推測 呪いと岩井の語りごと

2021年06月27日 | 青春ミステリー
教授・高槻彰良の推察3
呪いと祝いの語りごと
読了日 2021/02/03
著 者 澤村御影
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 285
発行日 2019/11/25
ISBN 978-4-04-108733-6

 

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リーズ第3作となった。今刊行されているすべてを持っているから、落ち着いてゆっくりと味わえる、と思っていたら、早くも第6作が出た。嬉しいと思う反面なかなか僕の思うようには世の中は進まないものだと感じている。
いやいやそうではないか、新刊が出ることは良いことなのだが、それが古書店に並ぶにはちょっと時間がかかるだろう。そうなるまで僕の手に入ることは難しい。中古であろうが古書であろうが、僕の経済事情はそう簡単ではないのだ。苦しいながらも何とか回っていたのは、やはり現役のサラリーマン時代で、どうなっていたのだろうと、今では時々思い出そうとするのだが、カミさんをちょろまかしたことしか覚えていないのだ。
そんなことをしていたから、今になって体の調子が思わしくないのか、一昨日(6月25日)朝食を食べた後、体がだるくて、配達の仕事を途中でやめた。

 

 

 

気象情報によれば翌日土曜日は晴れだというから、残りは明日(26日)にしようと横になった。
結局その25日金曜日は、朝食の他は何も口にせず、とても食べる気が起らなかったのだ。
と言ったところで、市役所から新型コロナウィルス用のワクチンの接種県が届いた。市役所では4月中に送ったというのだが、僕の所はカミさんの分だけ届いて、僕の分は無かったのだ。
市役所は間違えることはないだろうから、もしかしたら僕が間違えて捨ててしまったのか?まさかそんなこともないだろうが、とにかくもう一度送ってもらうよう頼んでおいたのだ。早速NETでワクチン接種のぺージを呼び出して予約をした。
一番近くの日が7月4日の日曜日で、午前11時を予約時刻とした。NETの予約はとても簡単で、集団接種はそれほど混雑してないのだろうか?年寄りの僕がそっちこっち出掛けるわけでもないが、それでもワクチン接種は新型コロナウィルス感染予防の役には立つのだろう。 接種が終わったら、その様子についてまたここに書こう。

 

 

うやら体調が平常に戻りつつあるようだ。と言ってもこのところは、寝不足が続いて体の調子があまり芳しくないのだが…。面白くもないテレビに見入って、夜更かしが続いているにもかかわらず、朝は通常のように、遅くも6時半には起きているから、朝食後少し横になることが多くなっている。
これでは大学を受けるどころの騒ぎではない。いや、出来ることならと言った条件付きだが、そして経済事情も許せば、いろいろと難しい条件が付きまとうが、大学の講義を受けてみたい、キャンバスの雰囲気を味わってみたいと思うが、まあ、思うのはタダだから、時々そんなことを考えるのだ。
高校時代の不勉強を忘れて、今更そんなことを考えたってどうにもならないのだが、歳をとったからこその憧れだ。だが、体力も気力もすでに底をついている。

6月27日現在、既に2052番目まで読んでいるのに、今回の投稿はやっと2025番目だ。記事を書きあぐねている。毎度の事ながら、読書記録への情熱も少し薄れているらしい。この記録を始めた頃の志と燃え立つようだった熱が少しでもいいから、戻ってくれないかと願う日々だ。

 

収録作
# タイトル
第1章 不幸の手紙と呪いの暗号
第2章 鬼を祀る家
extra それはかつての日の話

 

 

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2024.歌舞伎座の怪紳士

2021年06月20日 | サスペンス

 

 

歌舞伎座の怪紳士
読了日 2021/01/18
著 者 近藤史恵
出版社 徳間書店
形 態 単行本
ページ数 271
発行日 2020/01/31
ISBN 978-4-19-865008-7

 

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イトルから既読のシリーズ作品と勘違いをして、読み始めてから違いに気付くということも、今までに何度か経験している。今回もそんなことの一つだ。
著者が歌舞伎フリークともいえるほどの、歌舞伎ファンであり、作家デビューの前から歌舞伎見物に通っていたことが知られている。そんな中から生まれたのが名探偵今泉文吾シリーズのうち、梨園の事件を扱う歌舞伎ミステリーだ。
僕はこの梨園しリーズが好きで、特にこのシリーズいくつかの作品で語り手となっている瀬川小菊と言う女形役者の語りが気に入っている。女形らしく?オネエ言葉が柔らかく、不自然でなく響いてくるのだ。その師匠である瀬川菊花も今泉文吾をよく知っており、事件となると小菊に「名探偵を読んでおいで」と命ずるのがストーリーの展開となる。
長々書いたが、本書はそのシリーズとはかかわりのない全くの別作品だった。

それを説明すると大きなネタバレになってしまうから、詳しくは言えないのだが、よく考えられた謎は最初から伏線として掲げられており、終盤でなるほどと納得させられる。
近藤作品を僕が好んで読むのも、そうした所に引き寄せられるからだ。
だが、僕の好みの作品だけが紡ぎだされるわけではない。残念ながら作家の頭には僕の知らない物語がたくさん詰まっているのだろう。いや、残念なのは僕だけで、それだからこそ、多くの読者に受け入れられるのだろう、ということだ。

 

 

このところ、オリンピック開催を前提とした?対策が急転直下と言うくらいに、目まぐるしい展開を見せている。政府の専門家会議(基本的対処方針等諮問委員会会長)の尾身氏の言は唯々むなしく聞こえるばかりだ。
開催の意義を聞いていると、どこが国民の安心安全なのか?どこかに隠された秘密の対策があるのだろうと、思うしかない。オリンピック開催の中、またまた緊急事態宣言を発する事態に陥ったらどうするのだろう?
そんなことを僕が心配しても始まらないか!

 

 

んな話は置いといて、楽しい話をしようと思うが、楽しいこともあまりない。
このところBS日テレで、石原裕次郎氏の映画が1週ごとに放送されている。石原氏は僕の青春時代のスターだ。日活映画の黄金時代は、日本映画の黄金時代でもあった。その頃が僕の唯一の娯楽が映画であった。
貧しい時代ではあったが(誠に残念なことにその貧しさは今もってあまり変わりないが…)彼の映画を始めとした日活アクションが次第に無国籍化していくごとに、映画産業は衰退していったのだ?
そんな中、僕が当時非常に残念な思いを持ったのは、赤木圭一郎氏の事故死だった。若さの無謀さと言ってしまえばそれまでだが、ゴーカートの運転ミスで壁に激突しての死だった。ニュースで知った僕は新たに日活のアクションスターとなった赤木氏のファンとなっていたから、残念と言うか悲しみに陥ったのだった。
確か昭和14年生まれで僕と同い年だったから、全くの若い死は多くのファンを悲しみのどん底に陥れた。
もし彼が生きて今も俳優としての活躍をしていたら、どんな役柄を演じていただろう。そんなことを思いながら、今も時々思い出すのだ。

 

 

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2023.帝都探偵 謎解け乙女

2021年06月18日 | 大正ロマン
帝都探偵 謎解け乙女
読了日 2021/01/30
著 者 伽古屋圭市
出版社 宝島社
形 態 文庫
ページ数 349
発行日 2013/12/19
ISBN 978-4-8002-2080-6

 

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回予告しておいた話。少し前にハードディスクに保存してある映画「ミッション8ミニッツ」を見た。
パナソニックのブルーレイレコーダの具合が芳しくなく、数か月の間動かなかったのが、何もしないのに急に治って、動くようになったのに1週間ほど前にまた動かなくなった。
まあ、機械の事はそれくらいにして、運よく見られた映画の話にしよう。アメリカ軍が軍事的な目的で戦死者の記憶が死の直前8分間の記憶が脳に残っていることから、その8分間だけ記憶をよみがえらせて、爆発事故の犯人を捜そうと言うミッションを与える、と言うストーリーだ。ダンカン・ジョーンズ監督によるディズニー映画で、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガが出演している。
既に死んでいる兵士を夢の世界で動かすといった感じで、実態を動かすわけではないが、彼の頭の中に生きているような感覚を与えるのだ。 もちろん、映像では生きているように動くのだが…。
列車爆発の真相を確かめるというのが目的だ。最初は列車の座席で、目の前の座席に座った女性・クリスティーナ・ウォーレン(ミシェル・モナハン)の知人という設定が、予告もなく彼に与えられた役柄だ。

そして、列車は対向する列車とすれ違う場面で、爆発事故で大部分の乗客が死亡するという結果を招くのだった。そうした場面を何度か繰り返すうちにコルター・スティーヴンス(と言うのが彼の名前だ)は、爆発がどのようにして行われたのかを知る。そして犯人を捕らえることが出来るのだが、ミッション以外の出来事が・・・・。

僕は現在映画館に通うことはまずないのだが、テレビで放送される映画をみて、好みの映画を何本か録画保存してある。見る前からこれは僕の好みに合いそうだという予想の下、録画するようにしている。
大部分はノーカットで放映されるNHKBSプレミアムの番組だ。それについてはまたの機会に。

 

 

 

間に図書館で借りた『歌舞伎座の怪紳士』を読んだとはいえ、1冊の本に17日間もかけたのは初めてではないか、と思う。
別にコロナ禍とは関りは無いが、暮の12月に受けた白内障及び緑内障の手術後の視力は格段に良くなったのだが、元々遠近乱視という複雑な目の症状を抱えていたから、術後もやはりメガネは必要だった。
前のメガネはもちろん合わなくなっているから、新しく作る必要がある。そこで、1月26日に、術後1か月以上になるから眼の状態も落ち着いたろうと、眼科でメガネの処方箋を作ってもらい隣のメガネ屋さんに注文した。
従来は近くの眼鏡市場というチェーン店で通っていたのだが、眼科の隣でメガネ屋を営む傍ら、眼科で目の検査を請け負っているから、そっちのほうが何かと都合がいいだろうと、頼んだのだった。
多少値は張るが(いや多少ではなく眼鏡市場の倍ほどの値段だったが)仕方がない。

そして出来上がった眼鏡は、全く目の症状に合わなかった。新聞の文字が読めないのだ。
何度か交渉したが、作り直すこともできずに現在に至っており、メガネの上からハヅキメガネと言う拡大鏡をはめて本を読むということをやっている。
何ということだ。高い金を払ったうえ役に立たない眼鏡を買って、不自由をきたすとは、バカな話だ。
そうした不便さも読書の時間がかかる要因の一つだ。と言った愚痴はこのくらいで終わりにしよう。
書いていて、自分の至らなさから出た不幸は、持って行き所に困る。

 

 

いたことのない作者名と、反対に僕の興味をそそるようなタイトルに、目を引かれた。
Amazonのおすすめの中に見つけた文庫だ。近頃は遠くなりつつある昭和の時代も遠い昔と言う感じになっているが、本書の時代は大正の頃のようだ。
大正ロマンなどと言う言葉も聞くようになって、古き良き時代―という言い方は、あまりよくなかったことは忘れて、良いことばかりが記憶に残っているということらしいが…―まあ、いいではないか。
そうした時代を背景に車屋さんの青年が名家のお嬢さんを乗せて走りながら、お嬢さんとともに事件を解決に導くというお話だ。
あまりよく知らない時代が今とは違って、ゆっくりと時の流れを感じて、近代に移り変わっていく様が、懐かしく感じられて、それもドラマを面白くする要因だ。

 

収録作
# タイトル
序章  
第一ノ事件 死者からの手紙
第二ノ事件 密室から消えた西郷隆盛
第三ノ事件 未来より来たる男
第四ノ事件 魔炎の悪意
最後ノ事件 名探偵誕生
終章  

 

 

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2022.銀鈴探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2

2021年06月16日 | 連作短編集

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銀鈴探偵社
静おばあちゃんと要介護探偵
読了日 2021/01/10
著 者 中山七里
出版社 文藝春秋
形 態 単行本
ページ数 299
発行日 2020/10/10
ISBN 978-4-16-391271-4

 

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にとって唯一の娯楽とも言えた映画鑑賞(はるか昔の事だが…)、すなわち映画館へ足を運ぶということが途絶えたのはいつ頃の事だろう?随分と時間が経っているだろう。
貧しい家庭だったにもかかわらず、映画館の入場料に不自由を感じた思いは、多分無かったのだろうが、記憶に残っていることはない。見たい映画は欠かさず見ていたという覚えしかないのだ。古き良き時代だったといえるかもしれない。
テレビで高画質の映画が楽しめる現在のような時が訪れるとは夢にも思わなかった時代だったから、その時々で観た映画は記憶のみに残るだけで、後は運が良ければリバイバル上映が見られるといったことだけだった。そんな時代を過ごし僕は、後にビデオテープの出現をどれだけ喜んだか、そしてそのまた後のDVDなるものの出現に、“歓喜の涙”をと言うほどではないが、好きな映画を好きなだけ好きな時に見られるという、夢のような時代を迎えることが出来たのだ。

 

 

 

話がなんだか分からない方向に向かったか!
そんないい時代にもかかわらず、唯一見たいものが見られないということはあるのだ。テレビドラマの事だ。テレビドラマ、特に海外の作品は評判の良い、あるいは視聴率の良かった作品は、終わると同時にDVDやブルーレイディスクになっていや、国内のドラマも同じか、レンタル店の棚に並ぶ。
だが僕が見たいと思う作品は、もう少し前の作品でそれほど評判にはならなかったから、残念ながらDVDにもブルーレイにもなっていないのだ。
多分元のビデオも既にジャンクとなっているだろう。そんなものを望むほうが無理と言うものか。
それでも僕は唯一待ち望んだ作品をまとめてみることのできたのが、少年時代に映画館で観た『警視庁物語』だった。昔テレビでも評判になった『七人の刑事』という警察ドラマの原型ともいえる映画で、まるでドキュメンタリーとも見える優れた警察ドラマだった。
東映チャンネルと言うCS放送で、シリーズ作品25作品中24本が放送された。聞くところによれば、後の1本『謎の赤電話』だけがフィルムが古く傷だらけで、放映不能だということだった。
それでも中野本だけでも見たいと思っていた作品の24本と言う大半を見られたということが、僕にとっては夢のような出来後田だった。そんなラッキーともいえる出来事はそうそうあるものではなく、その後は巡り合っていないのだった。大分横道が長くなった。(最近ハードディスクに録画しておいた海外映画を見て、ふと思い出したことを書いた。それについては次の記事で書こう。)

 

 

存知このミス大賞受賞作『さよならドビュッシー』の登場人物、不動産会社を経営する社長・香月玄太郎が名探偵ぶりというか、暴君のような口ぶりながら、その権力をも活かして難題を解決するような印象を持たせるストーリーだ。その抑え役と言うより調整役と言ったほうがいいか、介護員として寄り添うのが静おばあちゃんだ。セミシリーズと言えるような、この小さなシリーズは、メインキャラクターを交代しながら3作を数える。
僕は中山七里氏の作品を始めて読んだのが『要介護探偵の事件簿』で、頑固な老人が難題を解決するストーリーが面白かったのだが、主人公の香月玄太郎と言うのが、『さよならドビュッシー』に登場するキャラクターの一人なのだが、『さよならドビュッシー』のストーリーのごく最初の部分で、不幸な火事のために亡くなってしまうという運命だ。
2012年3月の事だから、改めて月日の経つ速さを実感する。その後に、シリーズ化?されて、本作のような作品にもなって、読者を喜ばすのだが他の作品ではあえない最期を遂げた人物が、生き返って?活躍するというのも面白い。

 

初出誌「オール讀物」
# タイトル 発行年・号
1 もの言えぬ証人 2019年5月号
2 像は忘れない 2019年8月号
3 鉄の柩 2019年12月号
4 葬儀を終えて 2020年2月号、3~4月号
5 復讐の女神 2020年8月号

 

 

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2021.准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る

2021年06月02日 | 青春ミステリー
准教授・高槻彰良の推察2
怪異は狭間に宿る
読了日 2021/01/02
著 者 澤村御影
出版社 KADOKAWA
形 態 文庫
ページ数 285
発行日 2016/05/25
ISBN 978-4-04-108152-5

 

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的障碍者の息子が入所しているケアホームCOCOは、千葉県富津市湊に存在する。以前は割と数多くというほどではないが、たまにこのブログに関連記事を記述していた。僕が役員をしていたせいもある。今は全くそうした役柄から離れているため、あまり書くこともなくなった。
だが、コロナ以前は年に何回かは車で遊園地などへ連れていくこともあり、特にそうした施設の乗り物が好きな彼の、喜ぶ顔を見ることが出来た。今こんなコロナ禍の中では、そうしたこともままならず、顔を見ることもできない状態を作っているコロナウィルスを恨めしく思うばかりだ。

昨日今日と、テニスの大坂ナオミ選手の話題がテレビで放送されているのを見て、詳しくは分からないが、うつ状態が続いて気分の落ち込む様を、理解してもらうことは難しいことから、会見を拒みさらには全仏オープンを棄権することにまで発展した。彼女に対する多方面からの支援が集まっているが、四大大会からの追放などと言う問題にも進みかねないことから、何とか穏やかな解決に向かうことを期待している。

 

 

シリーズ第1作の“民俗学かく語りき”を読んで、惚れっぽい僕はたちまちその虜になってしまった。
それなのに間に図書館の本などを挟んで直ぐに“2”に移らなかったのは、買うのを先延ばしにしたからだ。残念ながらこのシリーズは既に第5巻まで出ているにも関わらず、木更津市立図書館を始め近隣の図書館にも蔵書がなかったのだ。
仕方なく旧来の手順でネットの古書店や近隣のBOOKOFFで、探して贖うことになる。
だんだんと世知辛くなる僕の懐だから、見つけてすぐに買うというわけにはいかないが、なんとかかんとか第5巻までを手に入れることはできた。
出来れば気に入った本、それもシリーズとなれば、一旦自分の本棚に収納して、じっくりと時間を掛けて読みたいのはやまやまなれど、経済事情からそうしたことは僕にとって、贅沢の極みともいえるから、こんな既刊をすべて手に入れることなど、めったにないことだ。

 

 

ばらくぶりにお気に入りのシリーズ全巻を手にして、と言ったって全5巻だが、至極満足感を味わっている。随分と安上がりな満足感ではある。
ある事情から、あと2-3か月すれば、いくらか僕の経済事情も緩和できる見通しが立っている。
別に無駄遣いが出来るほどではないが、節約すればふた月に1冊程度の文庫新刊なら買うことが出来るといった程度だ。

さて、第二巻のストーリー群は下表のとおりだが、僕はこの作品が単なるライトノベルだと思っていない。高槻彰良准教授の民俗学講義を受講しているかのような感じを持っているのだ。
僕は高校しか出ていないから、わずかにではあるが、いやわずかとは言えないか、大学生活に憧れのような感じを抱いている。だからこのシリーズのような大学生活を軸に構成されたストーリーにも、憧れかあるいはなんとなく郷愁のような思いも持っている。
似たような大学生活の中のミステリー作品をいくつか読んできた影響なのか。
高槻准教授や深町尚哉の取り上げる怪奇現象は、ある意味取るに足りない、と思われるものもありながら、僕を惹きつけるのは、彼らの活躍により論理化されて解決の道にたどり着くからだ。
僕は次第にこのシリーズにはまり込んでいく自分を抑えることが出来ない。

 

収録作
# タイトル
第一章 学校には何かがいる
第二章 スタジオの幽霊
第三章 奇跡の子供

 

 

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