隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2078.家族

2022年04月25日 | リーガル

 

家族
読了日 2021/11/27
著 者 小杉健治
出版社 双葉社
形 態 単行本
ページ数 280
発行日 2009/05/17
ISBN 978-4-575-23658-3

 

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ばらくぶりの小杉健治氏の作品だ。好きなジャンルの一つであるリーガルサスペンスを多く手掛ける著者の作品が、僕を魅了して結構たくさん読んでいる。本書で25冊目となるから、一人の作家の作品を20冊以上読んでいるのは、それほど多くはないはずだ。
僕は惚れこむとその作家の作品を追求することが多く、続けて読むことはそれほどでもないが、機会があるたびにあるいは思い出す都度、読むことが多い。今はため込んだ本、大部分が積ン読になっている本の消化に夢中になっているから、続けて読むことはないが、出来るだけそんな中でも同じ作家の本を探しては読むことにしている。
読むつもりで買ったのに、読まずに積ン読になっているのはどういう訳か、確たる理由があるわけではない。自分の手許に有ればいつでも読めるということなのだが、目に余るほどの情報が絶えず身近にあって、買ってきた本より面白そうな本のタイトルが目に入り、思わずそっちの方に気を取られて買ってきた本は、忘れ去られる。
大部分はそんな所で積ン読本になってしまうのだ。

 

 

最近は小杉健治氏の作品は時代物が多く、リーガル作品は少なくなっているようで、なんとなく淋しい思いでいるが、考えてみれば(リーガル作品が)出てくるたびに読んでいるわけではないから、僕の我儘な考えかも知れない。
さて、本書はホームレスの男が盗みの目的で住宅に侵入し、老女を殺害した疑いで逮捕された、そんな所からスタートする。男は容疑を認め、裁判員裁判が始まるが、裁判員の一人である谷口みな子は殺害された老女の息子がホームレスに依頼した、嘱託殺人ではないかと言う疑いを持っていた。
ここで、裁判員制度について少し。この制度が実施されたのは平成21年5月からだ。一般市民が不当な扱いや自由や権利を奪われることを防止するために制定された制度で、選ばれた裁判員は裁判官とともに、有罪、無罪を決定し、有罪の場合はその量刑を考えるという仕組みだ。
無差別に選ばれる裁判員だが、仕事に不都合があったり家庭の事情により、裁判に参加することが難しい場合もあり、裁判員の選定も一筋縄ではいかないこともある。本書ではそのあたりも描かれて興味深い。

 

 

杉氏の作品だけでは無いのだが、公判の進み具合により次第に明らかになる、複雑な人間関係に胸が躍るほどの面白さを感じさせる。リーガルサスペンス―裁判劇の真骨頂がそこにあるのだ。本書では最初から事件の容疑者が犯行を自白しており、それが事実ではなく真犯人がほかにいるのではないかという疑いを持つのだが、話が進むにつれてその辺がどうも本当らしく思われてくる。
だが、事件の真相がもっと他の部分に有ることが・・・・。

話は違うが最近僕はテレビ番組を観ることが多くなり、夜更かしが多少多くなった。前にも少し触れたことがあるが、ビデオレコーダーが壊れたために、録画して翌日昼間に見る、ということが出来なくなったからだ。
その代わりリアルタイムでテレビを見ることが多くなって、録画しても観ることのないことが少なくなったのだ。そのうえ見ることに熱心になったことも確かで、気づくと夢中で観てることが多くなった。
そんな中でつい近頃始まったNHKの連続ドラマに嵌っている。辻堂ゆめ氏の『卒業タイムリミット』だ。1回15分という短いドラマだが、タイトルの如くタイムリミットに迫るストーリーだから、毎回ワクワクさせられながら観ている。
ドラマは予定では24回まであるそうなので、じっくりと観賞するつもりだ。

 

 

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