なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

いつまでコロナ?

2024年03月24日 | COVID-19

 3月21日(木)に入院している患者さんが発熱して、コロナの迅速検査が陽性になった。もともと1か月前にCOVID-19に罹患した患者さんだった。

 糖尿病性腎症・腎不全で透析クリニックに通院して血液透析を受けていた。2月に地域の基幹病院整形外科に入院して、腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた。

 入院中の2月24日に発熱があり、COVID-19罹患と判明した。2月27日に酸素飽和度低下・意識レベル低下があり、胸部CTで胸水貯留・肺水腫・肺炎像を認めた。「肺炎はCOVID-19肺炎とも細菌性肺炎どちらともいえる所見」とされた。

 「肝機能障害で抗ウイルス薬は使えず、抗菌薬を投与した」とも記載されている。週3回の透析が病院の都合で週2回で行っていて、溢水によるうっ血肝だったらしい。

 3月7日に当院に転院してきて、腎臓内科の若い先生が担当していた。入院時から断続的に発熱(37℃台)が続いていて、肺炎の治療を継続していた。

 そして3月21日は38℃を越える発熱があった。入院患者が発熱すると、ほぼ自動的にコロナの迅速検査が行われる。コロナの迅速検査(抗原定性検査)が陽性と出た。これはどう解釈すべきかと、病棟の看護師さんが悩んでいた。

 

 転院前の3月6日(発症後11日目)に先方の病院でコロナのPCR検査をしていた。結果は陽性で、Ct値が23.50となっていた。この値だと感染性あり、となる。肺炎がひどいと感染性がなくなるまで2週間かかるそうなので、ありうることだった。

 それでは3月21日(発症後26日目)の抗原定性検査陽性は解釈されるのか。ちょうど感染管理で大学病院感染症内科の先生が来ていたので訊いてみた。

 PCRのCt値は、35以上ならば感染性なしと判断できるが、25~30では感染性はある(残っている可能性がある)そうだ。外注になるが、PCR検査を提出してCt値を見れば感染性の判断がつくだろう、といわれた。(Ct値で確定はできないので、あくまで参考値)

 

 透析を週3回行って、肺うっ血・胸水は軽快している。そうなると肺陰影は、COVID-19の炎症期としての間質性肺炎となる。

 それにしても、病状が不安定なままの転院ではあった。(地域包括ケア病棟やリハビリ病棟への患者さん供給源の病院なので、基本的には助かっている)

 

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