なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸閉塞

2024年03月12日 | 消化管疾患

 3月11日(月)に内科再来を診ていたが、その日は新患がいっぱいで、58歳男性が回されてきた。

 9日深夜から腹痛が始まって、4回嘔吐していた。腹痛は間欠的に強くなり、治まっても痛みは残っている。市販の整腸剤を買って飲んでいたそうだ。その時に少量の水分をとったが、食事はとれなかった。排便もない。

 2014年にS状結腸捻転で、地域の基幹病院消化器内科で内視鏡的整復術を2回受けている。2015年もS状結腸捻転で当時当院消化器科にいた若い先生(当時は消化器科2名体制)がいったん整復したが、すぐまた捻転した。

 内視鏡的整復は限界として、当院外科(当時)で腹腔鏡下にS状結腸切除術を行った。「捻転はしないだろうが、癒着性腸閉塞になる可能性はある」といわれたそうだ。

 診察室には普通に歩いて入ってきた。腹部は膨満していて、左下腹部に手術痕周囲に圧痛がある(腹膜刺激症状はない)。症状からは「癒着性腸閉塞」だった。

 腹部X線できれいな?ニボーを形成していた。血液検査では炎症反応の上昇と、脱水症による血液濃縮・腎前性腎不全を呈していた。

 腎障害があるので、CTは単純だけにした。小腸が拡張して、消化液が貯留している。一部腸管が急に狭窄している部位があった。腹水はない。

 まだ保存的に診れる段階とは思うが、腸閉塞は外科疾患で手術の適応を考慮しながらの経過観察になる。現在当院は外科がないので(非常勤医の外来のみ)、紹介搬送になる。

 基幹病院の地域医療連携室に連絡すると、外科医に回す前に「現在満床ですけど相談はできます」、といわれた。あとは搬送できそうな病院はどこだろうかと考えた。

 外科の先生が出て、入院できるか検討して返事しますという。ひょっとして入院できるかもしれない。その後連絡が入って、男性なら1名可能という。

 すでに診療情報提供書と画像CD(コロナとインフルエンザの迅速検査もして陰性)を準備していたので、救急車を要請して搬送させてもらった。たまたま空いたところに滑り込んだのかもしれない。

 

 3月8日(金)は外部の先生が当直で、皮膚科の先生が遅番(当直医の到着までの担当)だった。医局で話をしていると救急隊から連絡が入った。

 患者さんは高齢者で地域の基幹病院にパーキンソン病で通院している。COVID-19に罹患して、酸素吸入10L/分でも酸素飽和度が90%に満たないという。病棟の事情もあり、無理ですと断っていた。

 その日の夕方に大腿骨骨折の患者さんが基幹病院に搬入されたが、ベット満床で入院できなかった。当院の整形外科医に入院依頼の連絡が来て、担当する先生が時間外まで残っていた。(出勤者が少ない病棟に無理に頼み込んで入れた)

 

 先週は若手の看護師さんから、今月いっぱいで辞めます、といわれた。できる看護師さんで、物おじしないので上に立って指導もできそうだと思っていた。残念。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする