伝統構法をどこまで、どう残すのか、生かすのか?
大変に難しい課題に、寡黙に取り組んでおられる
大先生の施工事例を見学させていただきました。
ありがとうございます!
写真は縁側から見える景色。海が目の前です。
テレビでも取り上げられたので、ご存知の方も多いかもしれません。
改修工事・・・と聞くと、新築より簡単なのでは?
と、一瞬思いがちですが、実は全然違うのです。
今あるものを、どう生かすのか、さらに改善するのか、、、
それはそれは知恵の出し合い、技の出し合いなのです。
設計の先生からの説明、
1) 立地条件への考慮
南に海、北に山、つまり地盤の不均衡に対してどう対処するか
→荷重を増やさないため、基礎工事は部分補修とした。
2) 風土を生かす
日中は南風、夜は北風
→床下の通風孔と、北側の風抜け窓を設置。-2度ほどの涼しい空気。
海を見渡せる縁側のある空間で。
台風の吹上が強い。
→軒の出1.3Mに対し、垂木は1.7Mまで奥に伸している。
木製建具は雨仕舞いの段差有りに4重。
3) 予算配分の割り切り
→2階は改修しない。座敷は普段使わないから2階、
寝室を1階として終の住処に。
そんな話の流れから、クライアントさんが「エアコンなしでも快適」
というコメントが出て、それはもう大満足のご様子にこちらも嬉しくなりますね。
写真撮影は許可をいただいています。お顔はぼかさせてもらいました。
既存建具高さが短いのですが、奥様の台所の裏への出入りに再利用されていました。
浴室は、腰下は天草陶石、腰上と天井は、板張り。
風通し良くしてあるので、引き戸を開ければカビなし。
一般の来場者からは、素敵〜と。ため息が漏れていました。
伝統構法をユネスコの無形文化遺産にという動きもあります。
http://dentoh-isan.jp
たくさん勉強させていただいたので、当方も気が引き締まりました!
今後の設計活動に生かします。
午後には、復原現場も見学してきました。
そのレポートは、森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトのfbにアップしました。
https://www.facebook.com/mori.ki.kurashi
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