せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

暮れのご挨拶 本年もありがとうございました。 〜苦慮した時は、先達に学ぶ〜

2020年12月28日 | ワークライフハッピー


本日で、仕事納めの方も、多いと思います。

年内、最後のブログです。
と言っても、来週仕事始めも、
ちょうど、月曜日。

いつも通りのブログのアップの
リズムになりますね。

今年は、皆様にとって
どのような一年だったでしょうか。。。

あまりにも、急激な社会情勢の変化で、
柔軟な心と、対応する行動力が求められる
一年だったかと存じます。

一方で、日常の暮らしを営めることに
これほど感謝した一年もなかったかと思います。

私自身は、本当に身が引き裂かれるような
しかし、身動きできないような、、、

何を優先すべきか、
かなり苦慮した一年でもあります。

このブログの長い読者の方は、
私のプライベートも、
よくご存知でしょうか。。。(笑)

今年は、関東と九州の2拠点生活がスムースに
行かなくなった年であったこと。

熊本地震からの復興が、ひと段落した熊本を今度は
豪雨災害が襲ったこと。。。

<厄介ごとは続く>

2拠点生活のスタートは、
母の余命わずかの宣告が発端でした。

そのうちに大地震に逢い、数年後
更に、知人友人の甚大な豪雨災害。

今年の豪雨災害の支援で、私が
熊本に長期滞在の夏休み明けには
関東にいた我が子の引きこもりと

家族の問題は、一難去ってまた一難と、
続くのだなぁ。。。

正直、母のガン発覚以来、
腹の底から笑うことは無くなっています。

何かしら、病気や災害と向き合う時は
自分だけが楽しんでも良いのだろうか。。。

という、後ろめたさが無意識に
働くからだと思います。

それに実際向き合っている時は、
自分もシンドイからです。

子どもにだけは、しわ寄せが行かないように、、、
と、育児と仕事と、ケアと両立してきたつもりが

今年は、コロナの影響で、
子どもの心身も、ちょっと調子が狂いましたね。

<初期対応で乗り切る>

皆さんも、毎日が、精一杯。
だったのでは、ないでしょうか。

もちろん、外出を控えた分
ゆったりとした時間も過ごせました。

それでも、家族の問題は、
消えることはないですものね。

放っておくのは簡単。
見てみないふりをするのも。。

しかし、病気や火災と同じで、
問題というものは、初期対応が肝心。

大事になる前に、早めの対処で
私も、娘として、親として、
できるサポートを頑張っていきます。

<大人も、子どもも我慢した年>

先日、学校が最後の日に、部活の仲間で
お菓子パーティーを、
部室でやったという我が子の報告。

(元気に、学校に行けるようになって本当に良かった。
親身になってくださった担任の先生、カウンセリングの先生方
ありがとうございます!)

持ち寄りお菓子を、
交換して食べるだけの些細な
ことだったらしいのですが、

中には、泣き出す子が居たそうです(嬉し泣きです)

一緒に遊ぶこと、
外出すること、
そういったことを
きっと、ずっと我慢してきて、

仲間とワイワイすることが
本当に楽しいと、身に染みたのですね。

子どもたちの心にも、
大きな影を落としていることが
分かるエピソードでした。

私自身、腹からは笑えないけれど
暗くならぬよう、
微笑みだけは、絶やさないでいたいなと
思います。

<有事の際の、心の拠り所>

地震に災害、飢饉に疫病が流行った時
日本に広まって行ったのが、仏教でした。

仏像が作られた経緯や、歴史を紐解くと
そこには、民の哀しみがあることが、
分かってきます。

祈ることで、拝むことで、願うことで、
目に見えない、自分の力では及ばない脅威と
向き合ってきた日本人。

私は、その知恵を、今年は、学びました。
仏門に入ったわけではないですよ===。

心の持ち方ですね。
(ドキュメンタリーや読書、仏像鑑賞などにて)

和の文化は、季節には取り入れてきたけれど
これまで、西洋的な効率優先の生き方、暮らし方
仕事の仕方で、ずーっと来ていたなぁと。

日本人が、災害でパニックに
ならないことを、世界が絶賛したり
暴動が起きないと驚かれたり

コロナを食い止められていることを
特別視されたりする日本は、なぜ?

と、率直に思った時に、神道や仏教文化に
たどり着きました。

参考「歴史のなかの大地動乱」―奈良・平安の地震と天皇 
(岩波新書)  2012/8/22 保立 道久  (著)

もっと、深いところでの日本文化、
ほとんど知りませんでしたからね。

今年は、食わず嫌いをやめて、密教や
般若心境の本も読みました。

心の持ち方を、学習?!
しておいて本当に、良かったです。
自分が狂わなくて、笑。

2拠点生活でのロスも、
実際は、相当に在るので
7年を過ぎ、8年目だった今年、
やや虚しさにも襲われました。

そんな中でも、
今年出会ったライターさんの「空海読本」
これには、大変に励まされました。

参考:弘法大師空海読本<新装版> – 2015/3/2 本田 不二雄著

空海は、天才と言われますが
じつは、7年間の空白期間があるそうです。

思い悩み、修行し、自分の生きる方向性を
探っていたようです。

見極めたら、行動は早かったようです。
異例の早さで、唐に渡ってますしね。
異例の早さで、帰国して、九州に留め置かれたり。

海外にいるより、活動の場が与えられるまでに
時間が長いという現実に
相当に焦りもあったのではと思うのですが
その間、九州で、
じっくりと資料整理や計画を練るのですよね。

移動できなくても、目の前のことをやる。
未来を見据えて、、、。

う〜む。コロナ禍の中の
私たちも見習うべき姿勢ですね!

これまで、尊敬する最大の建築家は
レオナルド・ダ・ビンチでしたが(ハード面)

心に寄り添う(ソフト面)の成し遂げ方に、
「空海」が加わりました。
(信者の方にとっては、弘法大師さま)

<来年は、もっと気持ちを明るく持とう!>

そして、来年は、、、
晴れて、大笑いしたいなぁ。

外出不足で、ゆるみがちな
腹筋も使って、笑。

いろいろな、想いや出来事
そして、悩みもあった年かもしれません。

それでも、来年はやってきます。

皆様にとって、明るく、楽しい出来事が
一つでも増える年となりますように。。。

お互い、塞ぎ込まず、
この有事を乗り切って参りましょう!

本年も、大変お世話になりました。

天地の恵みと、ご縁 (+仕事仲間や友人)と、
そしてご先祖さま(+現在の家族親戚)
に感謝して、

今年も西暦の最後を、迎えたいと思います。
ありがとうございました!!
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今年の木造三昧の学びを、来年も活かします! 〜冬至「一陽来福」を迎えて、兆しを観じる〜

2020年12月21日 | ものづくり


本日は、冬至。
日が暮れるのが、本当に早かったですね。

易経的には、陰の極まり。
冬至の別称は「一陽来福」

つまり、明日より「陽に転じる」、
自然界の転換点です。

もちろん、寒さはこれからが本番。
実際には、立春頃に春を感じます。

易の「一陽来福」とは、変化は感じないが、
「兆しを観じる」ことを説くのだそうです。
(易経一日一言:竹内亜希子編より)

皆さんは、どんな兆しを観じて
準備なさっているでしょうか。。。

今年は、思いがけず、コロナ禍という
世界中で、日常生活が強制的に
転換させられるような年でした。

昨年の今頃は、すでに発生源の地では、
発症していたようです。

日本としては、立春を過ぎてから
だんだんと、情報が明らかになり、
はっきりと全体像が見え始めたのは、
年度の切り替わり頃でしたね。

そういう点では、この時期、やはり兆しはあり、
コロナは陽に(パンデミックへ向かって)
広がっていった模様ですね。
嬉しくは、ないのですが(涙)

自然界の中で、何万も発見されているウィルス。
ワクチンをつくっても、イタチごっこになりそうとの
生物学者の見解は、私は正しいと思います。
(それでも、諦めない開発研究者、医療従事者の方には、感服します)

今、イギリスで変異したウィルスのニュースなど聞くと
1年で、驚くべき成長と、恐ろしくなりますね。

一方で、人類の進化にも欠かせないウィルス。
激動の地球環境の変化に向かって、
人間を試しているのか?!とも思えてきます。
(これはあくまで自論です。エビデンスはありません。)

しかし、建築やは、3次元の世界に生きています。
建ててなんぼ、造ってなんぼです。

災害多発、温暖化に備えた
いえ、それをむしろ抑えるような
モノづくりをしていかなくてはなりません。

そこで、ワタクシの兆し。。。

ずっと叫んできた日本の木を使ったモノづくりが
持続可能な社会をつくる。。。

これが、個人の叫びではなく、
大きなうねりとなってくる来年だと思います。

これまでの学びを、いよいよ具体化していきます。

今年は、外出自粛に伴い
おかげで、たくさんのオンライン講座が受けられました。

今までなら、遠方で参加出来ない講習もありましたが
むしろ、希望した講座は、ほとんど受けられたという
良いおまけが付きました。

木の講座を振り返ってみますと、、、

今年の初めに受けた
板倉構法」の講義は、日本の木をふんだんに使って
都市部にも、内外表しの木の住まいを建てられる
技術と、法的手続きを学ぶ講義でした。

費用面や断熱性に課題もあるため
住まいの一つの方向性として、
MKデザインスタジオ一級建築士事務所の
モデル化を練っています。

そして、次に受けたセミナー、
「なぜ、今、木を使うのか?」では、
都市木造へのチャレンジを促され、

公共工事など大きな施設での「木造のすすめ」や
「都市木造の設計」の講座も受講し、
現況の課題や、工夫点。法律改正に、
気をつけるべきポイントを学びました。

都市木造は、大きな規模には至らないかもしれませんが
クライアントさんと計画中です。
いよいよ、チャレンジですね。
(もちろん、コロナの影響で足踏みも続いていますが)

そして、未だ検討中の事項といえば、、、

これからの
「災害国日本の住まいは、どうあるべきか?」
です。

難問です。

「災害対策の支援相談員の講座」も受講すると同時に

所属する日本民家再生協会で企画した
今年のオンライン連続講座「日本の住まいのなりたち」に、
ヒントを得ようと、頑張って準備し、学んでいます。



建築学科では、西洋建築様式だとか、
古建築の歴史時代年表等は学びますが
木造のなりたち、住まいのなりたちなどは、
掘り下げて、学ぶ機会はありませんでした。

今、まさに学び直し。。。

受講生のみなさんからも、
講座が「面白すぎる」という声多数です。
(アンケートも取ってます)
知らない事も、多いし、目から鱗も。

講師の先生の、これまでの研究の成果を
全部、披露してくださっている
講義でもあるので、本当に驚きの連続です。

そうか、、、日本人は大陸の漢民族に押された
南越の人々が流れてきたのが祖先にいるとか、

そこに、高床式と板倉という
建築様式がもたらされたとか

縄文式の竪穴式住居の原型のようなものが
アイヌの住まいとして、
「北蝦夷図説」に描かれてあるとか、、、

全然知りませんでした。



「間宮林蔵」という冒険家が、まとめたその本。
なんと、図書館で借りることが出来ました。

図の漢字が読めなかった。

冒険家の名前も知りませんでした。
伊能忠敬の弟子で、隠密だったのですね。

あぁ、、江戸期に発行されたというその本は
忠実に復刻されております。

達筆な中表紙

暮らしぶりも示した手書きの図説。
この時代は、筆で墨でしょうか。よく描けています。


過去を学び、現在を知り、
そして、未来の建築、暮らしを考える。。。

もちろん、地球年齢で言えば、
ついさっきが縄文時代なので
人間はそんなに変わっていませんよ。
本質はね。

はやぶさ2のミッション成功のニュースや
自衛隊の宇宙部隊の訓練公開の話なども耳にすると
宇宙での建築まで、想いも飛んでいきますが(笑)

まずは、生きている間に出来ること
目の前の地球上でのことですね。

今年詰め込んだ、知識、情報を、その中で大事な要素を
このお正月に整理しつつ、、、自分自身の想いと
世の中の動向と合わせて、来年も、木のモノづくりを
益々、進めてまいります。

実際、今年は、進んだような、進んでないような
モヤモヤ感も残りました。(大きな災害もありました。)

どうぞ、来年も皆様も、あきらめず目の前の目的、
 目標に向かって、進んでいけますように。。。

変異したウィルスにも、感染しないよう
気をつけて、冬を乗り切りましょう!
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建築の新陳代謝2〜新旧横浜市庁舎の建築家展に学ぶ、考える〜

2020年12月15日 | ユニバーサルデザイン


続きです。

村野藤吾という建築家が、
他の建築家と違った経歴は何か。。。。

それは、エリート、ストレートではない、
遅咲きという点に、あったようだ。

ホワイトカラーの前に、
ブルーカラーも経験している様子。
工場が、人の空間であると思えない現実に直面し

空間に差別があってはいけない
感じての設計活動だったようだ。

それは、今回の新たな私の発見だった。

実際、大学は早稲田なので、優秀な方なのだが
九州出身で、田舎者と都会のギャップも
今より、もっとあったであろう。

私の学生時代でさえ、
「地方の大学出身では、建築家になるのは無理」
と、はっきり言われたものだ。

そんなにも、建築業界は、
都市部と地方では違うのか?

村野藤吾の、「東京の連中は、、、うんぬん」
という文句のようなつぶやきもあったそうな。

最後まで、大阪を拠点とされたと
説明があったが、東京での仕事ももちろん、
設計稼業は、全国展開している。

これまでも、いくつか村野藤吾展は拝見したし
建築空間も味わってきたが

今回、実際に図面を保管している
大学の研究者の話で
とても印象に残ったのが、

「建築家とは、本来一人でやるもの。
一人で社会と向き合うもの。」
と村野藤吾が語っていたそうだ。

孤独な仕事なのだ。

そして、答えは、
「自分自身を信じること。
自分の体の中にしかない」
のだそうだ。

私が独立した時、自分やスタッフの、
事務所の心得として、

「建築のモノづくりは、その人を越えない。」
まず、自分磨きから。。。という項目を掲げている。

それに近いなぁと、とても共感した。

時代や人、環境にどれだけ反応できるか
知識や知性、美意識をどれだけ、
蓄えていられるか、そして
それを形に発露できるか。。。

常々、感じてきたことであるが
やっぱり、コツコツ頑張らなきゃ、
ならないのね、笑。

そして、研究者からは、村野藤吾は
「コルビジェを尊敬し、模倣しつつ
北欧建築の影響を強く受けている」と
分析があった。

だから、ヒューマンスケールの
建築になっていると。

建築は模倣から始まる。。。
とは、言われるが、
ここまで、似ていたとは!?

これまで、日本にない
西洋建築を作ろうとしたのだから
欧米建築を視察したり
相当に図面集で学ばれたようだ。

戦前戦後のモダニズム建築の
巨匠と呼ばれる人たちは
努力の巨匠であり、
模倣の達人でもあった訳だ。

先達に学ぶことは、本当に必要だ。

改めて、私も、できる限り、
学生時代には気がつかなかった部分や
理解できなかった部分も含めて
改めて建築を学び直し、楽しんでいこうと思う。

そして、孤独な稼業はしょうがないと、、、
諦める!?かしら。(笑)

その中でも、自分なりの楽しみ、手応え
そういったものを見つける達人にも
成りたいですね!

来年に向けて、まとめのような
今後の希望のような
そんなブログになりました。

最後に、
どんな仕事も、最終的には、
責任が伴います。

「身軽足軽、人を創らず」

最近知った言葉です。

今川家の家臣・雪斎禅師が
「責任は多く、かつ重いほど人物を創り上げる。」

と語ったそうですね。

荷の重さ。。。

建築のものづくりで、常々感じるこの感覚。
私をつくってくれているのねぇと、
感謝しながら、
プロジェクトの重みを背負っていきます。

こういう社会情勢の中でも
リモート講習会や、建築展で学べたことは、
本当に身になりました。

今年は、足腰を鍛える(ベースを作る)
ことが出来た、一年になりました。

今後の方向性、そして活動に
活かして参ります。

追伸:
赤レンガ倉庫で同時開催だった
浦辺展も見応えがありました。



若い学生さん方が、模型作りを通じて
建築を知る体験をなさっている
展示でもありました。

模型作りは、大変に根気のいる作業です。
神経も研ぎ澄まさないとできません。
集中力も試されます。

後輩たちも学んでいることも
私の励みになりました。
感謝です。



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建築の新陳代謝〜新旧横浜市庁舎の建築家展に学ぶ、考える〜

2020年12月14日 | ものづくり

モダニズム建築の代表的建物。旧横浜市庁舎。現在の様子。

暮れである。

もう今年は、本音をぶちまけてしまっても
良いだろうと
ここに来て、日頃の想いを以下、
吐露するようなブログとなっています。(御容赦下さい)

****

封じ込められた想いや活動

今年は、様々なオンライン研修会、
セミナーが開催される中、
珍しく会場へ足を運んだ。
(2部構成のシンポジウムで、
そして、建築家展も同時開催)



今年新しくなった、会場である
横浜市の新市庁舎の空間を
肌で感じたかった為でもある。

新市庁舎建設については
横浜に設計事務所を構える身としては
ずっとモヤモヤ感を残す出来事である。

それは、日本の建築家の中でも、
巨匠と言われる
村野藤吾の設計による旧横浜市庁舎が、
解体の憂き目にあった時、

反対、保存活動を始めたJIA(日本建築家協会)

その後、我々の協会の会長で建築家の槇文彦が、
新市庁舎の設計監修の立場となり

大きな声を上げての保存活動ができなくなるままに、
新市庁舎の建設が進み、

旧市庁舎は、横浜市が採用した
ディベロッパーの駅前再開発の案に
飲み込まれる形で決着されたからだ。

建築家不在の建築の増殖。

むしろ、新市庁舎の設計者に私たちの
トップである建築家が、選ばれたのであれば

まだ、私たち建築設計を専業とする会員も
納得がいったであろう。

しかし、大手ゼネコンの設計施工で行われた
新市庁舎は、私が学生の頃、心震えるほど
憧れた建築家、槇文彦の形跡を残すものではなかった。

建築の新陳代謝といえばそれまでだが、、、
建築の風景は均質などこまでも同じになっていく。。。

↓横浜新市庁舎


その地域らしさ、
その場の「地の力」を吸い上げて設計されるような
建築は、もはや生まれないのか。。。

建築家不在の建築のものづくりが加速する日本

AIが発達しても無くならないと言われている
建築家の職能だが、
すでに、役割が曖昧にぼかされている現代。

必要とされるのは、職能ではなく
看板か?ネームバリューか?と感じる。

成熟社会は、消費社会か?

真に、持続可能な社会を目指すのであれば

今ある建築の価値を、
古くて使いにくい、時代遅れ、手狭である、、、
など機能面だけで、使えないと、決めつけることなく

建築の歴史的、文化的価値を検証し、
空間を使い続ける手法が、
議論されるべきだからだ。

ここにも、経済優先の
民主主義の矛盾が見えて来る。

人が少なくなる=税収が少なくなる
だから、人を増やす。

そのために、お金を落としてもらう場所を作る
=賑わいが必要。

そんな構図だけで、
建築をつくり、街をつくっていく
今の日本のものづくりの流れに、
疑問を大いに感じている。
開港160周年のプロジェクトである
駅前再開発者の説明も
終始「商業中心」であった。

今年、コロナの影響で、
空間は3蜜を避けることが必須となった。

悲しいかな。
その、賑わいを示す、再開発の建築パースは
まさに、3密の図柄。
パースを拝見したJIAの仲間と苦笑いである。

旧市庁舎の建築家を研究する学者からは、
海外の事例として、商業というよりも
文化施設をうまく利用して
文化的な賑わいを活性化した例が紹介された。

う〜む。

市民の文化的知性が日本人は少ないの?
西洋的であればなんでもOKな日本人なの?
新しい方が古い方より価値があると考える日本人なの?

我が市民性、国民性までも問われるなぁと、
学者先生方の話を伺った。

それとも、私も含めて、建築的知識がないのが
圧倒的多数だからか?

結局、そこに立つ建築は、
やはり国民性を示している部分は
大いにあるのだと思う。ふぅ。

個人の矛盾と社会の矛盾

今の横浜の私の周りは、

個人がまともに関わってはいけないのか?
と、思わせるほどの、

大きなマネーゲームのような
建設ラッシュ。高さを競う建物群。

復興が一向に進まない故郷の熊本と対比すれば
なおさら、その開発スピードは、
まるで、瞬きしている間に、進んでいくようだ。
(官民問わず)

月一度のフライトで、熊本から羽田に降り立つ度、
東京、横浜の風景が一変している。
あちらこちらで大きな工事が進んでいく。



私自身、開発の恩恵を受けている矛盾。
羽田までの高速道路の時間が10分縮んだ。

湾岸を走る時、私という小さな存在が、
そのうねるようなマネーゲームの流れに
飲み込まれていく感覚を得て、
酔いそうになる。

工場の機械の塊が、黙々と煙を上げ
大型の建物群が目の前に迫る時、

持続可能な社会
森林を大切に
環境に優しく、、、、

などという言葉が、
ちゃんちゃら、おかしく思えてくる瞬間。

私だって、フライトで、石油エネルギーを
大量消費している。

大きな脱力感に苛まれながらも、
帰宅する頃には

家族を、クライアントを守ること、
目の前の、森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクトに、
諦めず集中しようと、氣を奮い立たせている。

疲れるとは、こういう時なのである。
理想と、現実のギャップが大きすぎる時だ。

だから、疲れないようにするには、
大きな問題に目を背けるのではなく、
意識しつつも、

今、自分ができることに
焦点を当てるしかない。

そんな風に感じてきた、この数年である。

今回のシンポジウムの1部では
建築家の生き方から、
建築の価値が、 少し深堀されたので
その点は、勇気を頂いた。

次回は、そのことを綴ります。
今日は、前談でした。(失礼!)

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自然の命を余すとこなく、頂く。〜今年は、ゆずが大豊作〜

2020年12月07日 | 季節感のある暮らし
 

本日は、二十四節気の「大雪」
それでも、関東の天候は、暖かです。

これから、「冬至」に向けての
季節の区切り目。

温暖化によって、
やや実感が湧かない部分もあります。

15日の新月までの大掃除日和
と思えば(先のブログで紹介)
有難くもなります。

日曜日には、冬支度、はじめの一歩
でした。

横浜の家のゆずを、刈り取り
保存食へ。

今年のゆずは、昨年とは変わって、
大量に成りました。

実のなる木は、一年おきだそうですよ。
多くとれる年と、そうでない年が。

子孫繁栄の知恵だとか。
人間にも当てはまるかしら?!

10kgのミカン箱にいっぱいになっても、
まだ、全部は取り切れず、
 次回に持ち越しました。




取ったゆずは、絞って、
まずは、ポン酢に。

その皮を、スライスし、
きび糖と煮てゆずジャムに。

白砂糖を使わないので、色は茶色。

見た目は、綺麗ではありませんが、
ヨーグルトなどに添えると、
ほろ苦さが、なんとも言えず美味です。



また、今年は、ゆず味噌も試作してみました。

ゆずの皮をすりおろし
味噌と、醤油とみりんを混ぜて
油で炒めた鳥ひき肉を少し入れて、肉味噌に。

ゆず味噌は、そのまま、
ご飯にかけて食べても良いのですが

少し、薄めて、ふろふき大根にかけて食べたら、
とても相性が良かったです。

左がゆずジャム、右がゆず肉味噌


ゆず20個で、お酒の瓶に半分の果汁。
ジャムが、小5瓶。
肉味噌が1瓶できました。

出てしまった皮のクズは、最後はゆず風呂へ。
余すとこなく、使います。

それでも、全部で200個ほどは、なっているので、
もっと、もっと、大胆に使わねば!
ゆずケーキ?ゼリー?次回は、何つろう〜!?

庭木には、実のなる木を植えよ
という格言もありますね。

暮らしを豊かにしてくれる果実樹。

これから、住まいづくり、
庭づくりを検討されている方には
ぜひ、取り入れてほしいものです。

保存食を作るのは、少々骨が折れますが
風邪予防には、バッチリなのではないか。

その一心で、お出かけ日和の天候を
コロナ対策としても、お出かけを控え
冬支度日和に置き換えました。

気をつけなくてはいけないのは、
食欲の秋が、、、、

冬になっても終わらないことですね。

食べ過ぎ注意報が出ております(笑)

ゆずジャムは、お湯で溶かして
ゆず湯としても飲めます。

逼迫している現場のニュースを見るにつけ
医療従事者の方々に
飲んでもらいたいくらいです。

手作りのものは、遠慮しないといけませんよね。
食べてもらうのは、家族のみに、とどめています。

大雪の季節。
日中は暖かでも、朝晩は冷え込みます。

どうぞ皆様も、お風邪などひかれぬよう。
冬支度を万全に。。。

お過ごしくださいませね。
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