せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

伝統的建物の耐震設計_限界耐力計算講習会

2016年12月14日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


熊本県建築士会の女性部会の先輩と
限界耐力計算講習会を開催した。

もともとは、所属する日本民家再生協会の技術部会の
現場見学に行ったことがきっかけだ。

協会の設計士が「限界耐力計算」にて
民家再生を手がけていると伺い、
ちょうど私もその手法で設計を始めようとしていたところだったので

実際の計算と現場との兼ね合いはどうなっているのか
とても興味があったからだ。

その現場で、制振ダンパーの取り付けをみて
設計者にいろいろと質問した。

その後、設計担当にダンパーメーカーを紹介してもらい
メーカーの構造設計担当が、講師として来てくださることになった。

しかも、熊本復興支援ということで
交通費は自腹で!有難いことである。

熊本の建築士も施工店も、古民家の修復の相談は受けるものの
具体的に、どう修復したらいいのか。。。
実に多くの方が悩んでおられる。

耐震性能をあげる根拠検討が、難しいのだ。

しかし、伝統構法の良さは、コンクリート建築と違い
修復ができる。

在来工法よりも仕口が見えている分、
傷んだ状況も分かるし、計測もできる。

そして、あれだけの大地震を受けても倒壊しないで、
人命を守っているのだ。
一時期非難された方でも、余震がおさまり
ご自宅に戻っておられる方も多い。

(倒壊した場所は、地盤がよくなかったり、
木材のシロアリ被害や不朽によるものが大きく、
伝統的な建物だから壊れるは真っ赤な嘘)

講習会の内容は、伝統的建物の良さを伝えるとともに
構造補強の基本的な考え方、限界耐力計算の手法、
そして現地調査では、耐震壁の測定方法などを学んだ。

調査対象として、ご自宅を解放くださったMさん
講師のSさん、そして、熊本復興支援にと援助くださったF社長。
機会を作ってくださった民家再生協会のNさん、

建築士会の仲間の皆さん、ご協力ありがとうございました!!
卓上の勉強(計算)と現地での調査で、
2日間にわたり実務の良い学びの機会でした。

段取りや案内作成などの苦労が吹き飛びました、笑。


↑写真右下の学会指針は自学中。。。

皆さんに粗相がないようにと思いながら、挨拶も下手で
受付をしなが、講習にも参加とバタバタとした私ですが、
受け入れてもらって感謝です。

「こんな勉強会を待っていた」というお言葉も頂戴し
開催して良かったと胸を撫で降ろしました。

引き続き、学びを生かし、実務設計、復旧工事と進めてまいります。
そして、熊本の建築士の皆さん、ともに頑張ってまいりしょう!!

余談
自分へのノルマ、月曜日のブログ更新ができていなかったのは
このためです。
月曜日に更新を楽しみにしてくださっている方には、ごめんなさい。

今月は守れそうにありません、涙。

あまり、自分に課さずにやってまいります。
こんな私ですが、どうぞ、ブログを訪ねてくださいね。

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省エネ法はユーザーの味方か?メーカーの味方か?

2016年10月24日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

いろいろなものに、常に疑問や矛盾を感じるのは、

建築を生業としているからか

生まれ持った性質なのか、

それとも深く考えすぎる傾向にあるのか

自分でも、自分がよく分からないでいる。

生きていきた中で遭遇した経験や
人や師との出会いに寄るものも大きいのだろうなぁ。

昨今の建築事情と絡めて、綴りながら
自分自身の取り組みの方向性も示せたらと思う。

今日の疑問その1)

省エネ法はユーザーの味方か?
メーカーの味方か?

2020年に省エネルギーの新しい基準が完全に義務化される。

その前段として、「今年は省エネ性能の表示制度が始まり、
来年度には大規模非住宅の建物の新築には、
適合判定や確認検査が必要となる」
(建築物省エネ法研究会H28年4月)なのだ。

各地で勉強会や制度の説明会が有料で催されている。

先日は、木造住宅の講習会に参加した。

理解したかのミニテストもあり、
学生時代の環境工学の時を思い出しながら計算。
満点取らなきゃダメでしょということで結果は出て、ほっ。

実務レベルのこの計算方法、
実に大工さんもこれからはやらなきゃならない。
大変である。

設計事務所も義務化された仕事が増えるのである。
(悲鳴が上がりそう。設計料も上げていく措置をとらないと〜)

実務では、補助金を受けるのに、すでに新築で
新しい基準での計算、設備機器の選定を行ってきた。

計算ソフトもあるので、
実際は手計算ではなく数値入力で結果判定は出る。

そこで、感じたのは、数値をクリアするための
最新の機器を買うことには費用がかかるということ。

補助金は一般品との差額を埋めるためのもので、
ものすごく得になるのかとそうではない。

いい住まい創りたい!ユーザーさんのためだ!
とこれまでは、国の基準の最高峰を採用するために、
申請の手間暇を惜しまないできた。

しかし、この内容が、すべての住まいに
当てはめなくてはならないとなると、、、

ますます、設計は時間がかかり、
ユーザーは費用がかかり
メーカーは高い商品が売れることになり、
利益を享受できるのは、メーカーなのか?
というところである。
当然開発費はかかっているはずなので、
元を取るといったほうが良いのかもしれないが。

機器を完全に新しくするのではなく、
今のものを引き取って改良してくれるならばともかく、
完全に使い捨て、消耗品となると、
地球環境の面ではゴミも増える。

新陳代謝と割り切るべきなのか?

断熱材だって、今あるものに足し算でできないのか
1か0ではなく、1+αみたいな。

などなど、、、

(実際古いお宅のグラスウールなどは昔は表しで使っていると
水を含んで崩れたり、カビたりしており、
性能は落ちているので無理なのだ。材料の選定の問題もあり)

本当の省エネになっているのか?

の疑問が出るわけである。

だから、なるべくゴミにならないもの、リサイクルできるもの
そういったもので、やっぱり設計したい!と思ってしまう。

制度がどんどん良くなればなるほど、、、、
私は、もっと別の方法やり方もあるのではないか?
と考えてしまう。

一設計者では太刀打ちできない(笑)国の基準ではあるが、
やっぱり自分のクライアントさんには
住み手、使い手に良く、
そして真の意味で環境に良い方法を、とりたい。

講義を受けながら
そこを踏ん張って、提案していきたいと密かに誓うのであった。
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伝統的建物・住まいの設計監理のパンフレットが出来ました!

2016年10月22日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


熊本地震後、被災した住宅の相談にのってまいりました。
その中に、伝統的建物も多く含まれました。

「もう解体するつもりだった」
「出会えてよかった」のお声を頂いております。

熊本の建築士は手も一杯ということもあり
福岡の日本民家再生協会の仲間とチームを組んで、
今後、設計監理を引き受けていくことにしました。

ただ、皆さん不安や心配も多く、改修の流れがわかると
安心されるかと思い、事例写真でパンフレットを作りました。
当事務所で設計監理した事例を載せています。



その名も、チーム「メトシェラ」
伝統的住まいや古建築の調査・改修設計監理・再生方法アドバイスを行います。

パンフレットより ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「メトシェラ」はカリフォルニアに現存する世界最古級の樹の愛称です。
聖書の登場人物ノアの祖父の名で、不老不死の象徴名でもあります。
 私たちは古き良きもの(古民家、古材、伝統技術など)を活かし、
新しいものと組み合わせながら、建物を蘇らせることで、
メトシェラのように、環境に長く寄り添い、凛と生き続ける建築を目指します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

詳しいパンフレットの内容はこちらMKデザインスタジオ一級建築士事務所のHPにて
ダウンロードいただくか、お問い合わせください。

http://www.mk-ds.jp/news/2016/10/01.html
http://www.mk-ds.jp/news/2016/10/02.html

最初のプレ調査とご相談は無料で行っています。

工務店さんやベテラン大工さん
大学研究者や学生さんの調査協力など、色々な方にお世話になって実現します。

最後に、パンフレットの事例写真の掲載に御協力いただいた
建主さま始め関係者の皆様に感謝いたします!
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震災後の建物の被災度区分判定とは?

2016年09月09日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


ブログでの報告が大変遅くなりました。

今年6月に、震災復旧のための震災建物被災度区分判定・復旧技術者になりました。
8月には、木造耐震診断資格者の講習を終えました。

熊本での講習会はいっぱいで、それぞれ大分と福岡で受講しました。
テキストはびっしり、ずっしり。


資格証をHPにアップしましたので、良かったら見てください。
http://www.mk-ds.jp/news/2016/09/2016mk.html

今日は少し、専門的な震災後の復旧の指針について書きます。
以前、応急危険度判定について書きました。

地震発生直後に行う「応急危険度判定」の次の段階、
混乱がやや落ち着いた時期に行う「被災度区分判定」についてです。
(いずれも日本防災協会の指針、国土交通省監修)

まず、建物が復旧可能なのかどうかの判断をします。

受けた地震力と、被災状況を照らし合わせてみて、復旧の要否を見ます。
学校の再開が遅れたのも、この判定に時間を要したからだと考えます。

下図はそのフローチャートです。
その中でも「補修」なのか「補強」なのかを検討します。



「補修」は、被災以前の状態に戻せば良いもので、
「補強」は、被災前以上に改善することです。

実際、この判定から、監理していた改修工事現場は、
屋根は「補修」で、費用を抑え、壁は「補強」と工事内容を変えました。

最初の写真は、その時のチェックリストと考察のメモです。
むやみにお金を掛けて補強するのではなく、
限られた予算の中で何を優先するか、
という客観的判断にもつながります。

施工者と、建主と、設計の共通指針にもなりますね。

普段の新築の設計と監理だけでは見えない、復旧という現場。
建築士の職能って幅広いと実感すると共に、
その指針を指し示す大切さを噛みしめました。

『建築設計図は、大きな航海に出る地図だ!』

と常日頃、現場船を難破させないように、どう舵取りするか
に、気を配りますが、

今回の熊本地震では、地図が破けてしまって、バラバラになり、
情報を拾い集めて、再検討する。

そんな設計の仕事であるなぁ、、、という印象を受けています。

熊本の建築士だけではなく、他県からも多くの方がサポートに
応援に来て下さっています。

熊本在住でないとダメとか
建築士会に所属していないと活動できないとか
言っている場合でないと、本当に思います。
(ちくりと、言われた口です)

自ら、被災地入りして活動くださる方もいます。
頭が下がります。

今後もふるさと熊本の復旧に頑張ろう、汗をかこうと思うのでした。
来週は、宇土市の住宅相談(無料)にも参加する予定です。
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建築家展にご来場いただきありがとうございました。

2016年03月14日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

2016年3月12日、13日、くまもと森都心プラザにて、
ASJ水前寺スタジオの建築家展に参加しました。


ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

住まい・建築の具体的なご相談あり、
まだ漠然としているけれども夢を叶えたいなど

いろいろとお話を伺えて良かったです。

この週末はあちらこちらでイベント多く、その中から選んでいただいて
お越しいただいたことは、本当に嬉しい限りです。

皆さんが、真剣にそして本気で検討いただいているご様子に
こちらも出来る限りのことはしたいと思うのでした。

ご参加いただいた建築家の方々、
ご準備くださったスタジオ及び
ASJのスタッフのみなさまお疲れさまでした。


追伸:

看板効果!?
イベントや会議も多い駅近のビルということもあり
立て看板をご覧になった知り合いの方が、私の顔写真を見つけて、
わざわざ、立ち寄ってくださいました。ありがとうございます。

また、「すぱいす」や「リビング」など地域誌にも掲載いただき
同窓生からも励ましのお言葉を頂くなど、声かけいただきました。
こちらも、ありがとうございました!!

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