せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

暑中お見舞い申し上げます。今年は「水の気」

2017年07月24日 | 季節感のある暮らし


昨日、暦では「大暑」を迎えました。
皆様方には、暑中お見舞い申し上げます。

近所の神社にて、皆様のご健康を祈らせていただきました。

九州の豪雨、秋田の豪雨、新潟は佐渡の豪雨、
と、大雨、川の氾濫、土砂災害と続いております。

被災された方には、謹んでお悔やみ申し上げます。
家の中の土砂を書き出すお姿など、ニュースで見ますと胸が痛みます。

今年は、陰陽五行では「水の気」にあたり
新しく物事を始めるには適した年であり、
様々な気持ち、物事をクリアにしていく、、、

と心得た新年でしたが、

まさか、「水害」に直結していくとは、、、
思いがけないことです。

幸いにして、当方にの横浜、熊本、どちらの拠点も今の所、
被害はなく、ありがたい思いです。

一方で、自分だけは大丈夫という
申し訳ない気持ちが交差しているこの頃です。

被災地の近辺の方や、
同郷の方は同じ思いではないかと想像します。

私ができることといえば、
一人でも多くの方に育った日本の植林の木を使って
住まいや建築を創り、森林の環境を健全に育成していくことです。

2012年の故郷の大規模な土砂災害で、
「スギを使うことが自分の使命」と心得たことを
実行に移すのみです。

被害が加速するということは、
ますます、スギの使い手、作り手も加速せねばと焦っております。

一方で、どうしようもない地殻変動に対して臨むなどと!
という大きな声も聞こえてきます。

ですから、こんな時こそ、心落ち着けて
自分を見失わず、目の前の仕事をコツコツでしょうか。

(夏休みに入り、子どもの食事の世話やお出かけ、家族親戚付き合いなどに
ちょいと時間が割かれて、余計に焦っているのかもしれませんが、、、笑)

この日本列島の災害と気候についてですが

旧暦のことなどが書かれている書物によれば、
地殻変動期に入り、異常気象と言われるものは減りはしない、
むしろ、酷暑があれば、ドカ雪も降る
そんなことが、これからは続く、、、とありました。

それが、ちょうどブログを始めたころ、、10年以上前ですね。
世界でも様々な災害は起きています。

ですから、毎年のゲリラ豪雨などは、仕方のないことかも
と、自分を納得させてみたりしておりました。

しかし、ここ数年、身近でこれだけ続くと、
やはり堪えます。

良い意味で、活動を転換させていく年にしたいです。

「森と樹と暮らしを繋ぐコミュニティラボ」の活動も
熊本地震後は、ペースダウンしておりますが
水面下で動いております。

災害情報などを聞き、これも、天から、継続すべし!
とのお声を頂いているようです。

さらに、林業や山の専門家ともつながる年とし、
真実を伝えていく年、、にしていきたいと

「新月」の昨夜、誓ったところです。

さらに、今年は、旧暦で3年に1回挿入されるという
「閏月」が7月にあります。

旧暦で言えば5月が2回、長い夏を覚悟しつつ、、、

みなさまも、夏の水関係の事故にも注意しながら、
ご自愛いただければと思います。

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江戸末期建築の民家生活を体験して-3『集落保存にみる志を貫く活動』

2017年07月23日 | 日本民家再生協会

↑ブログ掲載の写真は日本民家再生協会のMさん撮影分も投稿に含みます。
一人でも多くの民家ファンを増やすために、使用許可をいただいてます。Mさんに感謝!


民家生活体験レポート最後のテーマは、
3)『集落保存にみる志を貫く活動』
残すことの意味とは?何を大事にして、何を切り捨てるのか
 〜保存活動家のお話を聴いて、勇気をもらったこと〜 です。

伝統的な建物を、当時の佇まいを、
なるべく忠実に、保存するということの大変さを、
二日目の夜、全員が集合しての席で
披露くださった、Hさん。

長年、活動にかかわってきてくださった方の真摯なお話に
会場の皆が、胸を撃たれました。



まず最初に、保存活動は、最初は一人の「水源を守りたい
の気持ちからだったというのには、驚きました。

開発行為を避けるのが目的だったそうです。
水と木と暮らしを結びつけて活動していくうちに
古民家に関わるようになった私自身も
森と樹と暮らしを繋ぐ活動を始めた頃は、

「柿本は建築をやめたのか?」
という人まで、実は現れていた数年前。
自分への迷いがなかったか?というと嘘ではありません。

この方の存在を知った今、民家へたどり着いた流れは
環境を守ることに通じる、
だから必然だったのかもしれない
と思えました。

とても勇気をいただきました。

現在、その方は亡くなられ、ひっそりと藪の中に
残された有志で石碑を建てられたそうです。

お名前は、表舞台には出てきません。
活動を通じて、多くの反対者や敵もいたとのこと。
語り手のHさんは涙ぐんでおられます。

元の住民ではないその勇者は、遠くは飯田市から
バイクで木や畳を運び、
民家の修復をコツコツとなさっていたそう。

日本でも稀な民家含んだ周辺環境の保存活動。
何事も最初に行う方の勇気と行動力には頭が下がります。

誰かに褒められるわけではなく、
誰かに疎まられる方が多かったかもしれないその人生に、、
想いを馳せるひと時でした。

実際は、建築家も調査で入っているのですが、
保存方法の折り合いがつかなかったとか。

専門家は、耐震や、快適さ、美しさも求めますからね〜。
費用面も高く見積られたのかもしれません。

民家は、耐震改修はなされていません。
傾きもあり、朽ちている部分もあります。

建築の理想的なカタチにエネルギーを注ぐよりも
むしろ、環境に溶け込む風景としての住まい、
昔ながらの営み、生い茂る草草も環境の一部
という人が造りきれない部分も大切にしている様が
こよなく人に愛される所以なのかもしれません。

素人や地域の工務店の援助を借りながら
人の手で、少しづつ修復を行っている様子が、
私たちの宿泊時にもありました。

自分たちも少しでも役に立てたらと、
屋根の枝払いや、床磨きなど行いました。

↓ぬかで磨くとツヤツヤになった床板


この一連の活動は、民家の持つノルタルジー的な保存ではない、
環境すべてを含んでのことであったのです。

その根気のいる活動と、水源が守られたことに
私たちは感謝仕切れないほどです。

 最後に、個人的にHさんに「志の貫き方」を教わりました。
上から諭すのではなく、心の中に秘めていなさい。

下まで降りて行って(活動賛同者ではないコミュニティのことですね)
そこから、仲間を、人を巻き込んでいくのだよ、とのことでした。

私が、建築の専門分野だけではなく、
全く別の分野、ビジネスの世界に飛び込んでみたり、

地域コミュにテー活動に関わる時間を多く取ったりすることは
あながち、間違っていないかもしれないと思えてきました。

(一説には、成果が出ないのは、やり方が違うからという説もあり、、、
萎えることもしばしば)

遠回りかもしれないけれど、やはり自分を信じて
導きのまま、与えられる機会のままに、
素直に活動していくことも、方法としてあると思えてきました。

言い聞かせているだけかもしれませんが、笑。
(あの世でしか、結果はわかりませんから)

具体的な建築の保存方法とは、また違った、
一人の志を持った勇気ある活動の話。

建築や良き環境が残るのは、一人の孤軍奮闘から、、、
そんなことを教わりました。

何を生かし、何を捨てるのかも、志の貫き方であると、、、
自分軸をしっかりと持つことも、ぶれない活動の継続性につながることも
学びました。

民家を通じて、人生哲学をまなんだ夏の宵です。
長文、お読みくださりありがとうございます。

↓天井が高い空間だと、背の高い私も違和感なし⁉︎ 
鴨居には頭ぶつけそうになりますけどね、笑



下記、NPO法人公開の、保存活動年表抜粋です。

歴史を紐解くと、
昭和45年の集団離村の後、中京の開発業者が大平宿での別荘開発に着手したのを受けて、
大平の自然保護、大平宿の保護のため「マスヤ会」が発足し、
「大平宿を残す会」に名称変更。
その後、全国歴史的風土保存連盟・全国町並み保存連盟に加盟、大平保存再生協議会発足したとあります。
さらに昨年、管理母体、NPO法人「大平宿をのこす会」から、飯田市の観光公社が管理しています。

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江戸末期建築の民家生活を体験して-2『人間が自然の一部に回帰する民家』

2017年07月22日 | 日本民家再生協会


今日は、前回の「民家生活を体験しての気づき」続きです

次のテーマ『人間が自然の一部に回帰する民家』
癒しやくつろぎはどこから生まれるのか?
生きていることが気持ち良いと感じる瞬間
〜江戸時刻で生活してみて分かったこと〜

まず最初に、少し、補足を。
体験生活は、江戸時間で行われました。

<江戸時間の紹介>
日の出と日没の時間を基準に一日を12刻に分けた不定時法で、
午前は、

「夜・九ツ」から始まり、
「夜八ツ」、
「暁七ツ」、
「明け六ツ」、・・・日の出30分前
「朝五ツ」、
「昼四ツ」、、、
と、面白いことに、数字が減っていって、
それぞれに、「○○ツ半」が入ります。

数字が増えていく数え方に慣れているので、不思議な感覚です。
午後は、「昼」「暮」(日没の30分前)「宵」「夜」となります。
自然と一体となった粋な感じですね。

この時間の数え方で過ごすということから
すでにタイムスリップ。


↑苔むした石が古の時を感じさせる。

地球の命と同時進行に自分が生きている
そういったことを思い出させてくれる瞬間です。

電気というものができて、時間の感覚がなくなった現代の暮らしから、
一気に、「地球時間」に引き戻されます。

私は子どもを産んでから、朝型生活になり、
すこぶる調子が良いのですが、
大学の研究室、設計事務所勤務と続いた夜型生活時は
クリエイティブな活動は夜に生まれると思い込んでました!

でも、今はわかります。ひらめきは、朝降りてくるんです。
昼間かもしれない。

そして、自然時間で過ごす方が、幸福度が高いということです。

夜型の時は、愚痴が多かったし、不平不満も多かった気がいたします。
なんとなく、疲れが取れないからでしょうね。
そして、今回、民家の生活をして、ますます感じ入りました。

朝、鳥の声で目覚め、夜、虫の声で眠る。
自然の目覚ましと、ヒーリングミュージック、笑。

南側と北側の引き戸を開け放し、昼寝をした時には、
まるで風と一体となったような瞬間が訪れました。

川のせせらぎの音、草が風で擦れる音、そういった音の中で
まるで大地に自分が浮かんでいるかのような感覚。
これが、究極の癒しなのかなぁと。



自然との一体感を人は思い出した時、
人は心地よいと感じ、癒しを感じるのではないでしょうか。。。

木の空間、自然素材が創り出す住まいの空気感は、
まさに、そこに真髄があると私は思います。

日本の木をありのまま使い、無意識に感じる木の息遣いを、
せめて現代の暮らしの空間にも、
取り入れたいし、取り入れてほしいですね。

今回の体験で、より実感しました。

これからも、自信を持って、木の空間を、
木のある暮らしをお勧めしていけます!
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江戸末期建築の民家生活を体験して-1~『家族の絆を育む民家』~

2017年07月21日 | 日本民家再生協会


この夏の連休は海の日でも、山にこもっていた柿本です。
日本民家再生協会の仲間と、長野県飯田市の「大平宿」に2泊3日。
ガスやマッチに頼ることなくの生活。

「古代発火法」と言われる木と木をこすって火種をつくる
火おこしのやりかたで、囲炉裏に火を灯し、
煮炊きやお風呂を沸かすという生活をしてきました。


どのような集落かというと、風景はこちら
http://www.oodaira.org/home/da-ping-su-nei-de-tu

宿泊の内容は、生活体験だけではなく、
古民家の調査とその考察。
掃除や修復作業も行うといった
民家に住まう家族、そのものになる!という体験。

さらに、集落に住んでいた方の当時の話や思い入れ、
現在の活動紹介などを聴くというものでした。

本当に多くのものを、感じ、話し、受け取った日々でした。

この民家体験を通しての気づきや感想について、
3つのテーマでまとめます。

1) 『家族の絆を育む民家』
家族の絆はどこから生まれるのか?感謝の気持ちが湧き出る時。
 〜民家での疑似家族体験を通じて気づいたこと〜

2) 『人間が自然の一部に回帰する民家』
癒しやくつろぎはどこから生まれるのか?
生きていることが気持ち良いと感じる瞬間。
 〜江戸時刻で生活してみて分かったこと〜


3) 『集落保存にみる志を貫く活動』
残すことの意味とは?何を大事にして、何を切り捨てるのか
 〜保存活動家のお話を聴いて、勇気をもらったこと〜
—————————————————————————

まず、最初のテーマ『家族の絆を育む民家』

電気、水道は来ているものの、
江戸末期に建てられたその民家の当時の生活に近づくべく、宿(家)に着いたらまずは掃除から。
日が暮れぬうちに、炊事、お風呂沸かしです。8人家族+1ゲストの構成。

一度に、沢山の量の料理を作ります。手分けして、野菜向きに野菜切り、お湯沸かしに、火の番、、、。
同時に進行することを、ほぼ8人で分担。
それでも2時間30分ほどかかったでしょうか。(感覚的に)
   *時計のない生活、時刻は拍子木の知らせのみの江戸時代の時刻で暮らす。
↓竃のノスタルジックな写真は、協会のメンバーによるもの



食器を並べ、囲炉裏の周りに各自が座り、
料理を取り分けてゲストをお迎えして、「いただきます。」

この瞬間に、疑似家族が、家族になりました!
囲炉裏の灯が、皆に安心感を与えたのでしょう。
ほっとしながら、笑みもこぼれて。
なんとも言えない連帯感。




お一人だけ、ゲストを迎えたことで生まれた結束感もありました。
料理の出来栄えなど、、、どうかしら?と、みなで息を飲む感じでした。

朝晩と食事を作りながら
家と家族とは何か、とても考えさせられました。

・ 共同で助け合いながら、生活する。
そこに生まれる「互いへの信頼関係」

・ 火を囲む安心感、屋根で雨風をしのげる。
ハードな側面で家により生み出される「安心感の共有、食事を共にする喜び」

お風呂は、夜には湯も冷めて、最後だった私は、
お父さん役の年下男子に追い炊きをしてもらっていたのですが、
何度も窓付近まで来てくれて「熱くないか?湯加減はどうか?」を尋ねてくれるのです。

子ども役の私は、「まだ、まだぬるい」と答えるを繰り返し、、、。

この時も、相手を信頼すること同時に
大きな「感謝の気持ち」が湧いてきました。

自分以外の誰かのために、時間と手間を割いてくれている相手に対して。
昔の暮らしは、家族同士が互いに「愛しているかどうか」などと話さずとも

・ 「互いを思いやって行動する、生活する」そのものが、愛だったのではないかと、、、
そんなことも考えながら、湯に浸かるのでした。

今では、お風呂焚きは機械ががやってくれるから、、
お父さんの家での出番もなく
家族からの感謝って、お給料の額だったりして!?

などと考えが飛躍したりもして。

家族の絆が生まれるのはそういった共同生活からなのだと、
そこがスタートなのだと。だから、より人との関係を深めたければ、
外のレストランで歓談するのではなく、
作業を共にすることなのだと、改めての実感でした。

私が設計する住宅(民家)も、
家族の絆が深まる」そんな仕掛けがある
空間を創ろうと、改まった気持ちと

同時に、私自身、もっと家族に頼って良いし、
頼られてて良いんだなと、、、

このブログのテーマである「ワークライフバランス」にも通じる
気づきがあったのでした。

2)、3)のテーマは次回のお楽しみに〜。
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熊本、横浜それぞれの梅雨明けに思うこと

2017年07月19日 | 季節感のある暮らし



九州の土砂災害が気になりながらも、予約済みの飛行機に乗り
阿蘇カルデラを眺めながら、
先週、熊本から横浜に戻ってきました。



熊本での梅雨明けを知らせる雷豪雨の後、
山道の道路では高所作業車が
枝を切り落としてくれていました。蝉の声も聞かれました。

道路を塞がれることなく、運転できるありがたさ。
自然が多いということは、手入れも多いということです。
緑豊かな暮らしにつきものの、人間と自然の植物のせめぎ合い。。。
環境とは、眺めるためにだけあるものではないのです。

本日、横浜では昼に初蝉の声、夕方にはひぐらしの声を聞きました。
昨日の大雨と雷のあと、梅雨が明けたようです。

やっと、ニュースで流木被害を防ごうとする話も出てきて、
ホッとしています。

今日は、ブログで書くと要求しているようで、避けてきた話題。
頂き物について書きます。

季節感のある暮らしのテーマなのだから
たまには、いいかしら、ね。

世の中は、お中元シーズン。
今年もお付き合いのある工務店さんから
定期的にいただいて、恐縮する次第です。
お気遣いありがとうございます。

暮らしを大事にする方からの依頼が多い私は、
住まいの設計や監理中に、クライアントさんからいろいろと頂き物をします。
写真は、自家製の大豆。新米ならぬ、新大豆です。
いただいて、水につけて、煮てみました。



まん丸だった、大豆が、水に戻すとシワシワと皮が広がり
茹でたらすっかりツヤツヤの煮豆の形。



可愛すぎます。

お味は、もちろんほくほく。
いくらでも食べられます。。。

命を育ててくださっているクライアントさんへの感謝と
小さな丸い粒に宿る命への感謝と
それを味わえる幸せへの感謝を込めて。。。

ちゃーんとクライアントさんに役立つ設計監理者でいようと
味わいながら改めて誓うのでした。

大きな自然と建築との関係も大事。
住まい手のささやかな暮らしと、そこを豊かにする住まい設計も大事。

両方、しっかりと目を見開いて
真実と本質を見極めながら
今日もせっけい日和を、過ごします。
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