せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

追加工事に学ぶコト

2017年05月29日 | A04設計_熊本県X邸古民家再生



古民家再生の依頼主さまから、入居後「相談に乗って欲しい」のご連絡。
いくつか、追加工事の依頼でした。その工事が終わり、
日曜日は監理者として御在宅と伺って、確認に。

1)照明計画

現場にて減額した照明器具をやはり追加したいとのこと。

当初、ダイニングの照明計画は、
天井のダウンライト4つと、テーブル上のシーリングでした。

天井の段差や勾配は、再生なので、原型に合わせるしかなく
北側は、下がり天井なので、高さもなく
照度的にも、ダウンライトを中止しようか、という打合せになりました。

ダイニングの上は、
食事は温かみのある電球色で
新聞など読み物や書物をするときは、蛍光色でと、
切り替えられるシーリングを選定。

ですので、昼間の機能と
夜のリラックス空間の演出もバッチリの予定でした。

もちろん、そこは大変気に入っていただけたのですが、
壁が暗いのが気になるとのこと。

照度よりも、その「暗く感じる」という点が
現代的な暮らしでは気になられるご様子。

シーリングの高さを調整しに伺って様子は見ていたものの
やはり戻したいとのこと。結局2灯減額、を1灯戻すことに。


電気担当も、破格値でやってくださって。感謝!

明るくなって良かったとご主人。
折り合いがついた感じでしょうか。。。

2)濡れ縁下の排水。

屋根排水がどうしても濡れ縁の部分に来てしまう事例。
縁台の下に流して、砂利敷きに浸透させるという計画。

その計画は、変わらないのですが、
なんと、土間コンクリートに「苔が生えてしまって」のご連絡。

確かに、南側とはいえ、陰になる部分。
延長することに。
外構工事担当者さん、サービス工事でやってくださり、感謝です!


3)それから、元井戸の近くの雨水浸透桝

実は砂利が陥没した!の連絡。

陥没状態は以前見ていましたが、埋めたと伺っていた井戸の場所も
雨水の浸透で、下がるとは!?

驚いたのを覚えています。

やはり、水のルートというのはあるものです。
井戸の場所と桝の位置関係と工事の注意点を学んだ次第です。


それにしても、、、、依頼主さまが綺麗に住んでくださっているのが
嬉しかったですね!
快適な生活ができてこその古民家再生。

現場も、設計も監理も大変ではありましたが
本当に良かったなぁとしみじみ思うのでした。

関わってくださっている皆様に感謝して!
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民家の学校_山梨塩山の集落比較

2017年05月22日 | 日本民家再生協会



先週、アップしそびれたテーマです。
一週間越しですがお付き合いくださいませ。

関東にいる間に、
日本民家再生協会の民家の学校に参加し、
山梨塩山の集落比較に行って参りました。

普段は入れない個人宅にもお邪魔できるチャンスと伺い、
早朝から出かけ、泊まりでの研修会。

山道をバス移。
霧の中、伝統的な住まいの集落が現れると
まるで別世界に来たようでした。

熊本の民家と違って、甲州の特徴ある屋根の造り。

カイコを飼うために、明かりを取り入れるべく
屋根の形を変形させていった、兜造り(芦川集落)と

腰屋根造り(重伝建地区の上条集落)
http://www.city.koshu.yamanashi.jp/rekisi_bunka/bunkazai/detail/
それぞれの集落の特徴や違いを、グループワークしながら検討。

気候風土や、集落の暮らしが、住まい建築に影響する様が
とても印象に残りました。

大変珍しい
表面を手がんなで削った柱


現代のツルツルっとしたものではなく
デコボコ感の味わいがなんとも美しい。

大工さんの苦労が滲み出ていますね。

研修は、民家を残すことの意義や課題、活用方法などを
実際の重伝建地区に取り組んでいるNPOの方のお話も実体験に基づき
貴重なものでした。

さらに、民家巡りをしていると日本文化のおさらいをしているような
錯覚も覚えました。日本人として、知らないことがたくさん。
日々勉強ですね。

ちなみに、こんな素敵な木彫りの仏様の実物を見せていただけました。
2Mの木彫り、迫力が違いました。

本物の写真は、撮りませんでしたが
参考に過去の展示会の案内リンクを貼ります。
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/5th_tenjiannai_symbol_013.htm

最後に、伝統的な大工道具の体験もさせていただき、
面白かったですよ〜。

合気道の舟こぎ運動の要領で引いたら、スムースに行きました。
これは、次回のネタにしたいと思います!
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木質化の本当の意味、棚ひとつから学ぶもの

2017年05月08日 | ものづくり

建築や空間づくりで、「木質化」という言葉が流行っている。

(木質化、とは、写真のような感じ、MK desgin studioの事例)



(殺風景な壁に、無垢の木の装飾で温かみのあるリラックスした空間に)

現在、国や行政は、
林業活性化、国産木材活用と
室内空間の木質化を推進する方向だ。

補助金が出る自治体もある。

良いことと思う。
この際、積極的に利用すべき!

一方で「木質化」という言葉が
独り歩きしているようにも思っている。

補助金の対象が、スギ、ヒノキなど
伐採した方が山の環境が良くなるはずだったものが、

経済産業省のエコポイントも、業界に押されて、
国産木材が対象だったのが
いつの間にか、
CO2固定による地球温暖化への貢献、と理由がすり替えられて
外材もOKとした経緯がある。

木を使うことにお金が動くから、
これが国の本音なのだ。きっと。

経済活性化という名のもと、推し進められてもなぁ。
人は動かないよなぁ。
売り手主導の市場のパターンは変えられないと思うのだ。

人にどうして良いのか、総合的に説明し、体験してもらえないと
マーケットは育たない。

私がなぜ、日本の木でクライアントに木質化を勧めるのか?

社会貢献の大きさ? YES!
シックハウス対策? YES!
自然素材による癒し? YES!

人間は大昔、森に住んでいた猿なのだからDNAに刷り込まれている
木に落ち着きを感じるから? YES!

もちろん、どれもあり。

究極は、HAPPYになるから!
人に良いと思うから人に勧められる。

その人を幸せにできるなと思うから勧めるのである。

人と空間とは、呼応している。

壁や床や天井の仕上げの
目に見えない波長というものが、人と合い、
さらに吸収し合っている

人工物は、どうしても反発し合う。音もしかり波長もしかり。

と、理学的な証明は出来ないが、肌で感じている。

自分の考えは、間違っていなかった!
そのことを、先日、はっきりと実感した。

リフォームで、洗面台の上段の棚のみを変えた場所。

マンションを購入したクライアントさんが、入居時から
「ずーっと気になっていて、ずーっと気に入らなかった」という場所。



立派なシステムの広々とした化粧台なのに、、、
何がご不満なのだろう。正直に訪問した時にそう思った。

でも、「どうしても無垢の木の棚に変えたい」とおっしゃる。
建築屋としては、いっそ洗面化粧台を取り替えたい。

しかし、手間も費用もかかる。
限られた予算と工期で、棚だけでも、

とおっしゃったことを実現してみると、、、

そこに立ってみて、「はっ」とした。

気持ち良いのだ。



棚ひとつでもこんなに違うものなのだ。
これは、ビフォーアフターを知っているから分かること。

「ストレスがなくなったのよ〜」と喜ばれるクライアントさん。

「洗面台の下の扉は、もう気にならない。」

住まい手の言葉に、ますます、うなる。

私、棚をナメていた。

人の肌に触れるほどの至近距離で、多くの時間を過ごす場所。

その人のストレスを吸収し、さらに、調湿し
波長を整えてくれる役割をしてくれているのではないか!?

木が大いに役立っている。

そんな気づき。

さらに、鏡効果で、倍になっている見た目。

うむ。

これにはクライアントさんの
コストパフォーマンスの良さを感じた次第。

事前に写真では、完成報告を受けていただけれど、
ちゃんと「場」に立って、感じることも、とっても大事。

現在は、メディアやネットや様々なところで
バーチャルな情報があふれ
綺麗な空間、見た目の良さはあふれているけれど、
その空気感までは伝わらない。

これは、他のクライアントさんもおっしゃっていました。
自然素材の木の家に住むと、ホテルの嘘が見えてくるって。

あぁ、、
本物志向のクライアントさんに学ぶ日々でもあります。

これからは、自信を持ってお勧めできます。
棚を変えるだけでも違いますよって!
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伝統的建物修復現場の動画アップのお知らせ

2017年05月01日 | A06設計監理_熊本県M邸古民家再生New


月初めにお知らせが2件あります。

1)2017年5月の日程

柿本の熊本事務所営業日のお知らせをHPに掲載しました。
http://www.mk-ds.jp/news/2017/05/20175.html

2)チームメトシェラの動画サイトを立ち上げました。

MKデザインスタジオ一級建築士事務所の
HP「プロジェクトの最新情報」からご覧ください。

http://www.mk-ds.jp/newworks/2017/05/20175-youtube.html

熊本の職人さんんが頑張っておられる様子が流れます。
建主さん、現場監督さん、職人さん、みなさんのご協力に感謝いたします。

そして設計監理者としてチームを組んでいる
やどり木の近藤さんの華麗なコテさばきが
美しいですよ!ぜひご覧ください。

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「くまもと型復興住宅」配置計画中!!

2017年04月24日 | くまもと型復興住宅


夏日もある今日この頃。
あっという間に、春が過ぎていく予感です。

暖かくなってくると、人も生き物も動き出しますね。
現調もしやすい季節となりました。

春雨の合間、晴れの日に
無事に現調できた敷地の配置案を練っています。

「五木葉枯らし木材活用で家族が元気になる住まい」の
復興住宅の案が、ちゃんと南向き玄関のままで
ぴったりと入るではありませんか!

素晴らしい!

ご要望のヒアリングを伺ってみても、
ベースの案で、うまくいきそうです。

「実は、ガイドブックでこの案が気になっていたんです。」と奥様。

まさに神の計らい!?
別の場所で、偶然にも私とお会いしたご家族からのご指名です。

奥様の直感は当たっていたのですね〜。
以前のお住いの跡地にピタッと入るとは。

もう少し、アレンジが必要かもしれませんが
まずは、うまくいきそうで、ホッとしています。

おかげさまで、私たちの案は
お問い合わせも多くいただいております。

実際には、敷地条件、ご予算、ご家族構成など
様々な条件を折り合いつけながらの計画になります。

工事時期など、ご要望に沿えないこともあるかもしれません。

それでも、熊本の工務店さんと力を合わせ
一軒、一軒、真心込めて取り組んで参りたいと思います。

現地調査、打合せ、ヒアリング、設計を
「木の住まいで暮らしを考える会」の
女子部(笑)で分担しながらの作業です。

ミセスからマダムからまで、在籍しております。
どの女子に会えるかは、お楽しみに!
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