せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

復旧復興は、ご家族や地域の未来を創ること

2017年01月30日 | 熊本便り


午後からは、晴れて調査日和。

梅の花が美しく咲く、建物解体跡。
難を逃れた近隣の蔵が見えるほど空が広くて。

道路際でひときわ危険で、地震直後に自力解体なさったとのこと。

思い出深いお住まいと、ご先祖からの蔵を
解体されたご家族の気持ちを思うと、胸が詰まります。

それでも、前を向いて明るく振る舞う皆さんに
私は頭が下がる思いです。

敷地内には、まだ残る蔵と、
ご主人が子どもの時からあるという建物は、
被災しながらも、補強しつつお使いになっています。


本日は、残った蔵や建物の復旧を
どう行っていくか、お悩み中のご相談でした。

すぐに、方針は決められませんが、思い出や状況を伺いながら
私もご家族の明るい未来づくりに尽力できればと思った次第です。

建築的な視点で見ますと、

こちらは、昭和初期頃の建物の小屋組み。
「和小屋」でした。



よそから譲り受けたという土壁の仕上げの上に
モルタルで壁を覆った元米蔵は「洋小屋」。



多分、時代がこちらがより若いと思われます。
構造の作り方の時代変遷が見受けられます。

そして、おそらく土壁の上にモルタルを塗った水切りがうまくいかず、
一旦壁に入ってしまうと、なかなか乾きませんから、
土台の腐食が見られました。



それでも、倒壊を免れた理由の一つは、こちらにあると思われます。
生の木を使った土台です。



辺材部分(いわゆる白太)はシロアリ被害はあったものの
心材(赤みの部分、シロアリが食べられない部分)がしっかり残っています。

無垢の木の強さは、ここにあり!です。
乾燥すればするほど強度も増す無垢の木材ですが

体の外は食われても、芯までは食わせないぞ!
と言っているようで頼もしい。

長期的にみれば、ジャッキアアップして取り替えたい土台ですが
他に復旧を急ぐ場所もあり、ここはもう暫くこのままとなりそうです。

建物、地域性、ご家族の年齢構成やご職業、、、

それらの諸条件をもろもろと整理しながら、

地域での建物、場、のあり方も見据えて
将来の展望なども盛り込んだ復旧に取り組めたら幸いです。
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春節に、今年の成功を願う

2017年01月28日 | ワーク・ライフ・バランス


旧暦新年を本日迎えました。
まさに、新年快楽!(あけましておめでとう)ですね。

早朝散歩でも、初春の暖かさを感じるようになってきました。

大寒のころは、本当に寒くて、
数日前は雪もうっすらと積もりました。



それでも、昨日から手袋とマフラーなしでも歩ける
朝の日の出頃です。

間も無く、立春。
暦通りの暖かさ。

いよいよ、私の新年が始まります。
様々なことが動き出しますよ〜。

今年の私の目標は、、、、
個人的に、

Master of Lover 

昨年、私の守護樹「りんご」の持つ意味を
英語超訳してくださった方から。



本来の意味は、「愛を貫き、自分を極める」です。

人が強くなること、成功することのベースには

「まず、自分を知ることから」
「自分の本質を見極めることから」
「自然とのつながりから」


だと、考えている私にとって、
ケルト文化の「ツリーサークル」はとても役立ちます。

どの時期に自分が生まれたかによって
自然との関わりの中から、生きるヒントをもらうのです。

建築、ものづくり、森林関係、子育て、PTA、ボランティア、、、
いろいろな活動に関わる中、

どちらかというと頼るより頼られる側。

「やるべきこと」と「やりたいこと」がごっちゃになってきて
手が回らない!なんてことがよくあります。

その時に、自分に立ち戻って、

「本当に、やりたいことなの?」
「やるなら、やりたいと思って楽しんでやってる?」
「義務でやってない?、人情に流されてない?、周りの目を気にしすぎてない?」

と自問することにしています。

そして、今年は、自分の本質

Master of Lover

とちゃんと繋がっているか、確認していこうと思います。

人生に答えなんて、正解なんてないと、思う昨今。

20代の社会人なりたては、損得で考えるやり方を学び
利益になるかどうか、で行動していたように思います。

30代では、自分の人生を輝かせることかどうか、
に焦点を当てていたし、

40代では、正しいか、正しくないかとか、
正義のようなものに目覚めて、、、

でも、間も無く50代を迎える直前に、
それまでの生き方も間違っていないけど

もっと楽に、もっと自由に、
もっと自分に近づいてもいいのかな。。

と思えるようになってきました。

まっさらで生まれて、まっさらで帰る
その折り返し地点なのかもしれません。

人生の成功は、名誉や地位や資産で量れるものではなく
自分が思い描いていた場所に自分が到達すること
だと、信じている私は、今年は、そんな年にしたいですね。

皆さまの、今年一年の自分らしく生きる
という成功をお祈りして。

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伝統的建物の被災調査と修復アドバイスを行ってきて 〜生き残る建築とは?〜

2017年01月27日 | 熊本便り


熊本地震後、行政や個人から依頼を受けた
「建物修復支援ネットワーク」の方に同行して、
あるいはご紹介いただきながら、
伝統的建築の被災状況の確認や、解体前の調査に携わってきました。

建築士としての職能ながらも、
すべてボランティアでの参加でした。

お住まいは数十棟、それに加えて蔵や長屋門、店など多数です。
熊本の民間の文化財とも呼べる素晴らしい建物ばかり。

↑柱脚が大きくずれた長屋門

↑柱は束石の上でずれて止まり、建物倒壊を免れる伝統構法

調査に入らせていただきながら、

熊本の底力を
先代達の知恵と技術と資産を
肌で感じ、鳥肌が立つほどでした。


↑瓦ではなく、左官での海鼠壁デザイン、
職人さんや住み手の遊び心が伺えます。



↑立派な軸組だが、継手の部分で破断

持ち主からの惜しむ気持ちや、思い出も聴きながら、、、
もっとお話を伺いたいと思いつつも
解体を前にした建物では、
寒い中の実測やスケッチに専念せねばなりません。

私としては、限られた時間の中での、
精一杯のボランティア活動でした。

いよいよ、公費解体申請が年度末までと
残る建物、残らない建物のラインが明確になりつつあります。

専門家集団は、残すべき価値ありと思いながらも
民間の場合、住み手の意思が第一優先。
強制するわけには行きません。

「うちよりもっと良い建築があるから」と近所を紹介してくださる方や
「お隣も見て欲しい」と依頼を受け、急遽お邪魔したり。

たくさんの建築と地域の方々との出会いがありました。

仲間と共に訪問しながら、いつも最後は虚しさが残ります。
何とかしてげたい。しかし、想いだけではどうにもならない。

以前、近代建築の保存活動をしている東京建築士会の方や
神奈川県での活動発表などの中で、

残る建築と残らない建築は何が違うのか?
という議論をしたことあります。

1番は、『地域に愛されている建築かどうか』でした。
そして、残った場合の『活用方法があるかどうか』でした。

ただ感傷的に残すのではなく、生かされてこその建築。

どれだけ、歴史的価値があっても、それを活かす人がなくては
建物は残らない
のです。

そして、個人の力だけではなく、専門家、地域住民、行政
これらが一体となって動かなければ、建築は残らない!

今回の被災状況を見ながら、つくづくと感じます。

先日訪問した先では、
地域ボランティアブループが立ち上がり
国や県から派遣された方が公費で
民間の蔵に入られて文化財資料を出される
現場に立ち会いました。

↑撮影は建物修復支援ネットワーク

私としては、ふるさと熊本の資産とも言える伝統的建物が
一つでも多く、公費解体を逃れ、
修復と保全で生かされていくことを願ってやみません。

そして、貴重な資料が、失われないよう
活動されておられる方に敬意を払います。

明日より、旧暦で新年。

本日を持って、
私の平成26年熊本地震のボランティア活動もひと切りとし、
伝統的建物の、実際の修復相談の設計実践に移って参ります。

依頼主さまより、許可を得た分に関しては
随時、ブログでも報告致します。
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くまもと型復興住宅発足式とTV取材

2017年01月23日 | 熊本便り


先週、18日は、熊本県が主催する「くまもと型復興住宅」発足式でした。

地域住宅生産者グループがつくる「住まいの復興ガイドブック」が、
今後、仮設入居やみなし仮設にお住いの方々に、配布されます。

39グループ、55案、
1000万円代と2000万円以下でつくる案が掲載されています。
次の日には、地域新聞にもガイドブックのことが詳しく載りました。

↓クリックすると拡大します。




各案の性能の比較に加え、ローンの組み方や、優遇措置、
掲載されています。

ガイドブックが、本当に必要な方のお手元に届き、
自立再建に向けて、歩み出されることを願ってやみません。

発足式の次の日には、
早速、私たちのグループ「木の住まいで暮らしを考える会」の
TV取材がありました。

ディレクターさんが、
数ある中から、「住み心地が良さそう」と選んでくだいました。
ありがとうございます。

取材についてや私たちの案について詳しくは、
MKデザインスタジオ一級建築士事務所のHPに掲載中です。
http://www.mk-ds.jp/news/2017/01/2017119-rkk.html

私たちも熊本復興に向けて、一歩一歩頑張ってまいります。
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人は、木と氣で繋がる

2017年01月16日 | 合気道に学ぶ


昨日は、地域のどんどやで温まった小正月を終え
熊本でも今朝は-4度ほどの気温と
冷え込みが一段と増しました。

全国では大雪のところもあり、雪道の登下校や
運転される方、十分に気をつけていただけたらと思います。

前回からの「気」の話し続きです。。。

「森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト」の根本的な意味合いと
「合気道」と世界観が通じるという話でした。

最初に、活動の説明です。

プロジェクトの中の「もくぴーす」(スギ間伐材アクセサリー)は
身近に、本物の木に触れてもらうのが目的です。
まずは、スギの柔らかさや温かみ、香りを知ってもらう。


↑アクセサリーやキーホルダーの小物

日本の山で、ご先祖が子孫のために植えた木を
手入れされずに、ほおって置かれるのを食い止めるためにも
スギの価値を上げていくユーザー育て事業です。

木の使い手、スギのファンを増やすという意味に加えて、
もっと人間は自然の中で生かされているんだよ

というメッセージを受け取ってもらいたいというのが
創り手の想いです。

次に、合気道の「氣」というのは、
何かと言うと、

『「氣」は常に自然の中にあり、「氣が通っている」というのは
「自然と私たちが氣でつながっている状態」』だそうです。

このお正月休みに「氣の力」を読んで理論としても学びました。

↑ワニブックス、心身統一合氣道の藤平信一会長の書籍

そこで、はっとしたのです。
合気道の稽古で学んでいることと
私が、プロジェクトを通じてやろうとしていることは
まさに同じなのだと。

「自然の一部である人間」という立ち位置を
忘れて振舞うことによって、起こる様々な弊害。

感謝の気持ちを忘れたり、
病気になったり
人とコミュニケーションがうまくいかなかったり。

合気道の本では、すべて「氣の滞り」が起因しているとあり
合点がいきます。

「木に触れていると、自然との一体感を常に無意識で感じられるから
人は強くなれる」
と考えている私にとっては

まさに、自分自身もその状態を保ちたいと「氣」の稽古をし
さらに、多くの方にそうなってもらいたいと
「木」(もくぴーす)を通じて「氣を意識する」ような機会を
手にするためのツールを創作しているのでした。

活動は「日本の森林」にこだわり、環境問題、林業再生など
大きなテーマもあります。
その中でも、実際の切り口は人。

稽古を通じて、「氣」は大変に奥が深いと感じておりますが

自分の心身の健康維持のために始めた合気道が
自分のライフワークやライトワークに繋がっていくとは
考えもしなかったこと。

人間というのは、何かしらに導かれているというのは
本当のようです。

それに、「氣」という本質に迫るものと根っこの部分が
同じであるならば、「木」を通じて行っているこの活動も、
より本質に迫った活動なのだと、自信が持てました。

事業としての広がりに足踏みをしていると感じた
昨年だったので、諦める気持ちもちらっと湧き上がりましたが、

「森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト」の使命を
新たに意識した次第です。

今年は氣分も新たに、
もくぴーすを通じて、大地とのつながりを
これからもどんどん広げて行きます。
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