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石垣島崎枝にラム酒工場が。

2023-02-20 04:22:36 | 暮らし


 のぼたん農園のすぐ上の農地は長く売りに出ていた。その場所を購入して、のぼたん農園と関連付けて利用しようかと考えて、土地を見せてもらったことがある。しかし、大きな石が多くて、農地としては使えないと考えて辞めた場所である。

 その場所を購入した人が居る。どうもラム酒工場を作るために購入したとという話だ。その土地を買った人は外国人の方で、イタリア人だとか、フランス人だとか、スイス人だとか、インド系の人だとか言われている。眺めの良い場所だから、買いたい人は居るとは思っていた。

 ただし、農振農用地である。利用方法には限定がある。農業法人とか、NPO法人とか、そうした組織であれば、購入することは出来る。しかし、誰であったとしても、その農地を購入して、ラム酒工場を作るということは特例でも無ければ出来ないことだ。

 農振農用地である以上当然その場所で農業をしなければならない。農産物を購入して作るから良いだろう、と言うのではだめだ。サトウキビ農家が加わっているとすれば、可能となるかも知れないがまだまだハードルはあるが。たぶんこの辺りは準備して取り組む。

 NPO法人であれば、もう少しゆるい形で、購入を進めることは出来る。法的には買うことは出来る。しかし、その農地で農業を行う以外のことは出来ない。工場の建築申請などするのだろうか。それもしないで、進めてしまう人も少なくはないのだ。どうなるのだろうかと思っている。

 石垣島前勢岳ではユニマット社が農振農地を購入し、転用してゴルフリゾートを作ろうとしている。これには、石垣市が後押しをして推進している。このユニマット社がゴルフリゾートを作ろうとしている農地は、そもそも畜産団地を作るために、国の事業として、農地として公共事業で開発された場所である。

 道路などもその時に整備されている。わざわざ農地の整備をしておいて、今度はゴルフリゾートへの転用である。実に税金を上手く悪用して、土地の転売ビジネスのような話である。誰かがすごい利益を上げるに違いない。農業が弱い、弱いところにはこうした悪い虫がつけ込む。

 そのユニマットは以前、西表島で似たようなことを行い、リゾートホテルを作り上げた。ところがユニマット社にはホテルを経営するつもりはなかったのだろう。それを星野リゾートに転売している。ユニマットでは経営できなかったホテルが、星野になったら予約が取れないほど人が来ている。

 ユニマットはそもそも、汚い仕事を引き受けて、転売が最初からの視野に入っていたのだろうと噂されている。今度のゴルフリゾートもむしろ転売が目的では無いかと言われている。果たしてあんなに風の強い場所でゴルフが出来るはずがないというのだ。

 こういうことは行政と連携しなければ出来ない。ユニマットの社長は西表にホテルを作るときには、住民票を竹富町に移したのだ。そうしたら多額が税金が竹富島に入るようになった。それが功を奏したのか、利権がらみの開発が実現してしまったのだ。それが今では世界遺産の島の唯一の星野リゾートと言う落としどころになった。

 すべては農地の価格が安いと言うところから来ている。先日中国の人が、沖縄の屋那覇島で、島の半分ほどの土地を購入していたことが、中国人女性のブログに出て騒ぎになった。親族の企業はホームページで「リゾート開発計画を進めている」としている 。

 石垣島のゴルフリゾートも韓国企業当たりが計画しそうである。中国企業や韓国企業が、ゴルフリゾート用に農地を購入というのでは、さすがに石垣島でも住民の反対が起こるだろう。そこでユニマット社が仕掛けたのではないだろうか。日本のゴルフ場は安くて良いというのが、中国韓国のゴルファー達の感想だそうだ。

 日本の円安誘導はこういうことなのだ。日本を安く切り売りして、利益を上げようという人達がいるのだ。政府には展望など無いから、土地を買うのが外国人であっても問題が無い。土地が有効利用されて、経済に恩恵があればそれの方が良いわけだ。

 確かのぼたん農園の上の土地は、農振農用地のはずだ。行政が後押しでもしない限り、ラム酒工場が出来るとは思えない。農振農用地はそもそも、農業以外は出来ないと言う決まりがある。農業に必要な施設が特例で許可される。のぼたん農園の機械倉庫も面倒な手続きを経て、やっと許可が出たものだ。

 ラム酒工場が出来るのは悪い事ではない。しかし、それならば合法的に工場を作れる場所に作るべきものだろう。すでに清福酒造ではラム酒作りを始めている。ゴルフリゾートも農振農用地に作ると言うところが問題なのだ。同じ農地であっても白地農地であればまだ可能性がある。こういう悪例が農地の減少に繋がってゆく。

 農業が弱いために起きていることだ。弱いところには膿が出る。農業が強い時代にはあり得ないことが起こる。政府が農業を諦めてしまったから、起きていることだ。食料生産が38%しかない状況で、一向に改善出来ないで手を打とうとしないから、弱い農業が崩れ始めているのだ。

 サトウキビは石垣島の主たる農業の一つだ。南西諸島の農業はサトウキビ補助金で維持されている。補助金がなければ、世界の砂糖価格と競争は出来ない。現在、石垣島では一つしか無い製糖工場が、老朽化して操業が万全とは行かないらしい。

 補助金で何とか生産しても、沖縄の砂糖は余り始めているのだ。老朽化した工場を解体して、新規建造となると、国の補助金がなければ、到底無理なことだ。国にしても砂糖きびに展望がないことは分かっている。新工場の建設は厳しいに違いない。

 それでは、石垣島のサトウキビ農家はサトウキビを辞めて何を作れば良いのかと言うことになるのだろう。今は牧草地が広がってきている。放牧地ではなく、草の生産地である。輸入牧草が高騰しているので、島内の牧草生産が盛んになっているようだ。

 石垣島では牧草が年5,6回生産できるというので、有利なところがある。サトウキビを辞めて牧草生産と言うことは今のところ余り見ない。耕作放棄地だった場所が牧草地に変わって行くのを見る。牧草を管理さえすれば、刈り取りから、サイレージまで委託でやってくれるらしい。

 晴天が続くとなると、一気に大きな機械で島中でロールベールラップサイロ が作られて行く。昔はサイロと言えば、高い塔のような建物が、牧場の目印のようなものだだったが、今は大きなビニールに包まれた玉が、牧場の象徴である。

 確かにラム酒工場が出来て、サトウキビが利用されるのは一つの展望である。おもしろい着眼点である。それは南西諸島全体で始まっている。新規にラム酒工場を立ち上げるというような話であれば、それはそれで素晴らしいのだが、工場を作ることが出来る場所で工場は作り、農地ではサトウキビを作るべきだ。何かおかしな話にならなければ良いのだが。
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