ぱおんの小部屋

水郷爆釣隊隊長のひとりごと…

車遍歴8.サイバーCR-X

2021-03-05 07:00:00 | 車遍歴

サイバーCR-X Si グラストップ ワインレッド MT

走行距離12.4万キロ 車体価格17万円
 
稀少なワインレッドのCR-X Siの情報が飛び込んできた。マニュアルミッションの上に17万円と格安だ。ただ、ショップが名古屋ということで少々悩んだが、暴走CR-Xのボディがヤレてきたこともあって、購入することに決めた。クルマは柏のホンダまで陸送をかけた。陸送費は5万円。車体価格と合わせても22万円である。

上の写真は中古情報のサイトで見たもの。これが17万円なら安い。陸送費をかけても取り寄せる価値はある。
そして柏のホンダに到着した時の写真が下。仁が車両のチェックをしている。
今度こそ一生乗るCR-Xということで、ホンダでは整備をしっかりと行った。交換できるパーツは新品に替え、ホイールは純正サイズにこだわった。185-60R14、しかもエコタイヤを装着。グリップ力を下げ、ボディにかかる入力を小さくすることで、クルマの寿命を延ばそうという作戦だ。


納車された時はこの状態。付いていたFEAのフォグは外された。点灯状態が悪く、車検に通らなかったのだ。あのフォグはカッコ良かったから、本当は外したくなかったんだけどね。
 
暴走CR-Xの16インチホイールが勿体無いから移植したらとホンダに言われたが、クルマを長持ちさせるためには純正サイズだと力説して、陸送CR-Xに付いていた14インチホイールをそのまま使った。

ステアリングとシフトノブはいつものヤツを装着。レカロシートもそのまま暴走から移植した。不調のナビも買い替えたかったが、資金不足で、前のナビをまた着けている。

それにしても整備に金が掛かった。以前にルーフキャリアを取り付けていたらしく、ピラーの所の塗装が剥がれていたのだ。その補修代、さらに左側のリヤフェンダーが錆び付いていた。このリヤフェンダーの補修が大変。塗装もしてキレイに修復したが、ボディの中まで錆が侵食していたので、何年かすると塗装が浮いてくる可能性が高いという。その時はまた補修しなければなるまい。
 
それに下回りにも錆が多い。前のオーナーが海の近くに住んでいたのだろうか。錆び取りをして、錆止め加工をしておいた。

こうして、ほぼノーマルの状態に戻されたワインレッドのCR-X。掛かった費用は100万円以上。しかし、これだけ直しておけば、長く乗ることができるだろう。一生乗り続ける夢のマシン。ワインレッドのCR-Xとの人生が再び始まった。
 
その2へ続く
 
 
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車遍歴7.サイバーCR-X

2021-02-24 07:00:00 | 車遍歴

サイバーCR-X Si グラストップ ブラック MT

走行距離10.2万キロ 車体価格36万円
 
追突され、部品が入手できずに廃車になってしまったワインレッドのCR-X。駄々をこねて保険金を多めに貰ったため、次もCR-Xを購入することができるようになったが・・・
 
この頃から中古車市場のCR-Xの弾数が少なくなり始めた。特にSi。それを何とか探して、柏のショップで後期型のSiを見つけた。
 
試乗に行くと、正直程度はギリギリという感じ。暴走仕様になっていて、ホイールはインチアップされ、車高は落とされ、HKSのマフラーが装着され、サスは固めてある。コーナーはやたらと速い。しかし、そのぶん酷使されていて、ボディが大分ヤレているようだ。
そうは言っても、クルマがないと困る。ワインレッドのCR-Xを部品取りのためにホンダに預けたままにしてあるし、急ぎ次のクルマを用意する必要があるのだ。試乗した当日、契約を済ませた。
 
手続きを済ませ、ホンダに持ち込み、エアコンなどを載せ替えてもらう。事故前に新品に交換したばかりのパーツを移植したのだ。当然、代々受け継いできたナルディのウッドステアリングもまた装着した。このステアリングを握ると、マイカーになったような気がするんだ!
ナルディのウッドステアリングの他に、例の無限のシフトノブももちろん取り着けてある。シートもワインレッドの時のレカロを移植した。
早速、黒い暴走仕様CR-Xの走りをチェックする。人家の無い川沿いの急カーブを高速旋回すると、速い速い。固められたサスと、スポーツタイヤの威力である。ノーマルは185-60R14だが、このCR-Xは205-50R16にインチアップされていて、タイヤもポテンザが着いているのだ。
 
これまでのCR-Xとは全く違う。ステアリングに対してクイックにフロントが切れ込む。ロールも少なく、タイヤの接地感も手に取るようだ。
しかし、その楽しさも長続きはしなかった。利根町のある交差点の手前に段差があった。その僅かの段差。それを突っ切った瞬間!
 
ドカーン!
 
クルマが分解するのかと思うほどの物凄い衝撃。バリバリバリと画面が乱れてナビが停止した。扁平タイヤと固めたサスが段差のショックを強烈に伝えてきたのだ。
しばらくすると、キリキリキリとナビが再起動したが、これ以降、ナビの調子は徐々におかしくなっていった。
それでも毎週のように潮来へと釣りに出かけた。下の写真はラーメン屋純輝の駐車場。CR-X SiRが停まっていたので、わざわざその横に滑り込んで停めた。カッコいいマシンのランデブーだ。
この経験があっため、このCR-X、段差などには特に気を使って、ショックが出ないような運転を心掛けたが、段々とボディにダメージが出てきた。リアのハッチが閉まりにくくなってきたのだ。普通に閉めたのではロックが掛からない。バーンと叩き付けるように強めに閉めると、ドーンと跳ね返る。上から押さえ付けるように、ドスンと落とさないといけない。
 
1年も経つと、ドアの閉まりも悪くなってきた。やはり過度にハイグリップなタイヤや、無理なインチアップはクルマの寿命を短くするようだ。タイヤを純正サイズに戻すことを考え始めた。
その時である。ワインレッドの中古車が市場に出てきたという情報が入って来た。Siのマニュアルで走行距離は12万キロ、車体価格は17万円。格安だ。問題はショップが名古屋にあるということ。
 
悩んだが、乗り換えることにした。この暴走仕様のCR-X、これだけボディがヤレていると、先は長くない。それに何と言ってもワインレッドのCR-Xである。もう一生乗れないと思っていたクルマにまた乗れる。こんなチャンスはもうないだろう。
 
名古屋のショップに連絡を入れた。

暴走CR-X最期の春。桜が咲き誇る霞ヶ浦。ただ、このCR-Xは廃車にしたわけではないので、その後も乗っている人がいるに違いない。もしかしたら、まだ現役かも。
 
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車遍歴6.サイバーCR-X その2

2021-02-12 07:00:00 | 車遍歴

サイバーCR-X Si グラストップ ワインレッド MT

走行距離8.6万キロ 車体価格35万円
この頃に茨城へ移住したが、その理由が釣行の問題である。当時は金曜の夜に笹塚から出発し、途中葛西で仁を拾って潮来に向かっていた。当然帰りは同じルートを戻って来る。
 
この運転が辛い。土曜の未明に現地に着くために、金曜夜はほとんど睡眠が取れない。そして、一日釣りをして疲れ切った体で帰って来る。すると、葛西から笹塚までの道のりが危険なのだ。渋滞にハマると意識が朦朧としてくる。
 
この危険を避けるために考えたのが茨城への移住か車中泊マシンの購入だった。しかし、ここでワインレッドのCR-Xを購入した。このCR-Xは一生乗るつもりだ。もう車中泊マシンを買うことはできない。それで茨城への移住が確定したのだった。
CR-Xの大きな弱点の一つがシートである。後席は犬も参るワンマイルシートで、人間が長時間乗れるような代物ではない。しかし、実のところ後席はそれでいい。後席が必要な人は、基本的に同じメカニズムを積み、後席が広いシビックを選べば良いのだ。
 
弱点のシートは前席のこと。一見、ホールドも良さそうで問題は無さそうに見えるが、実際はイマイチ。長時間乗っていると腰に相当のダメージが蓄積する。仕事で静岡往復をした時など、立てないほどの腰痛に苦しんだ。
 
そこでレカロシートを装着。これは八郎潟遠征に備えて着けたもの。腹黒い男のボルボのシートが疲れ知らずで、やはりヨーロッパのシートが良いと実感し、それならばと最上級のドイツのレカロを選んだのだ。
このレカロシートの威力は強烈。長距離運転での疲れは激減した。腹黒い男と八郎潟に遠征した時も、争って運転席に座るほど。何しろ助手席に座っていると腰が痛くなってくるため、運転している方が楽なのだった。
 
これだけ気に入って、大切にしていたワインレッドのCR-Xだったが、別れは突然にやってきた。それは釣りの帰りに起こった。
その日は全く釣れなくて、諦めて早々に引き上げていた。帰路の途中には野池がある。そこは簡単に釣果を上げられる池だったので、そこで何匹か最後に釣って帰ろうと考えた。ウィンカーを出し、野池への道を曲がる・・・ドーン! もの凄い衝撃とともにクルマがスピンして側の竹藪に吹っ飛ばされた。
 
後ろを走っていたデリカに追突されたのである。しかも、デリカはカンガルーバーを着けていた。おかげでクルマの被害は甚大である。
 
はっきり言って日本国内でカンガルーバーは禁止すべきである。今回はクルマだからまだいいが、人を撥ねたらどうするのか。あのバー、子供の頭の高さくらいにある。あれが頭に直撃したら、それこそ即死ということも有り得よう。危険極まりない。
「ヒャッハー!! 潰れてやがるぜ!!」
事故現場に現れて嘲り笑う腹黒い男。ふざけたヤローだ。
 
そんな訳でせっかくのCR-Xが廃車になってしまった。入手不能な部品、エキストラウィンドーが割れてしまったし、フレームも歪んだのである。
 
もちろん、追突事故なので責任は10-0だ。だから修理代が100パーセント出る・・・と思ってはいけない。クルマには残存価値というものがあるからだ。簡単に言えば、そのクルマを売る時の買取価格くらいまでしかカネが出ない。
 
CR-Xはその時点でかなり古いクルマになっていた。そのため、残存価値はゼロ。全く出ないという理不尽さだ。ただ、保険会社はなるべく早く示談に持ち込みたいため、多少のカネは出る。その金額をなるべく少なくして和解するのが保険会社の腕の見せ所なのだ。
 
しかし、こちらはただで引き下がる気はさらさら無かった。超稀少なワインレッドのCR-X、それにデリカにカンガルーバーが着いていなければ廃車にならなかったかも知れないのだ。
 
カンガルーバーが無ければ、そこまで強硬に言わなかった。事故を起こしたくて走っているヤツはいない。だが、あのバーを着けている以上、そして、それによって被害が拡大している以上、10万受け取って示談ですなどあり得ない話だった。
 
揉めに揉めたが、パーツを大量に交換していたことを考慮し、載せていた釣竿が折れたことにしてクルマ以外の補償金を出す形で67万円が支払われた。
 
これでまたCR-Xを購入することはできるが・・・ワインレッドのSiなどはそうそう見つかるものではない。はっきり言ってカネなどいらない。あのCR-Xを返して欲しかった。


 
 
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車遍歴6.サイバーCR-X

2021-02-09 07:00:00 | 車遍歴

サイバーCR-X Si グラストップ ワインレッド MT

走行距離8.6万キロ 車体価格35万円
5台目となるワインレッドのCR-Xと4台目のブラックのCR-X。ブラックは前期型、ワインレッドは後期型。ボンネットの凹凸、フロントのナンバープレートの位置、ウィンカーランプの形状などが少し違う。違いは少しだが印象はかなり違う。
CR-Xのイメージカラーはブラックだった。販売数の8割がブラックだったという。そのため、ワインレッドの中古車はなかなか出回らなかった。ワインレッドは後期型にしかないカラーな上、後期の販売の中心はVTECのSiRである。Siのワインレッド車の販売数など微々たるものだ。
 
さらに言えば、SiRにはMTの設定しかなかったため、後期のSiはATの購入比率が高い。もともとシビックに比べて数が少ないCR-Xで、その中でも数が少ないワインレッド、さらにその中でも数が少ないSiのMT車、なかなか出会えないのも当然だった。
 
そのCR-Xに遂に巡り会ったのである。この千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。乗り換えを決めた最大の理由はこれだったのである。
 
ワインレッドCR-Xの情報を入手すると、すぐさま店へと向かった。店は熊谷。一応はクルマを見させてもらうという話だったが、もう最初から買うと決めていた。
前後で違うホイールが着いていたが、これは別のホイールに交換してくれるとのこと。屋根付きの駐車場で保管されていたらしく、塗装の状態もいい。

後期型のリアビュー。リアガーニッシュ(CR-Xのロゴのある部分)の上下に黒いモールが着き、ブレーキランプなどが前期型より細くなった。これにより前期型より引き締まって見える。ボクが後期型が好きな理由の一つだ。
うむ。実に美しい。夢にまで見たワインレッドのCR-Xである。しかも、嬉しいことに程度も良い。走行距離は行っているが、最初に買った無限CR-Xと比べても遜色がないほどだ。前のオーナーは女のコ。大事に乗られていたようなのだ。コーナーポールが着いているのだけが気に入らなかったけど。電動ポールだったから外せなかったし。
 
しかし、ポールなど些細なこと。すぐさま契約をした。ハンドルとナビの移植を依頼して、クルマを預けていったん帰り、翌々週に受け取った。
 
ついに、ついにワインレッドのCR-Xのオーナーになった。CR-Xを乗り継ぐこと5台目で、ついに夢が叶ったのだ。
クルマを受け取った翌週、早速釣りに出かけた。アルミホイールは前後とも同じものに揃えられていた。
 
このCR-Xは大当たり。ブレーキを除くあらゆる部分の程度が抜群。この先、死ぬまでこのクルマに乗り続けられればと思うほどだった。
 
ただ、ブレーキだけはすぐに手を入れることに。このクルマ、ALBが搭載されていた。アンチ・ロック・ブレーキ。今で言うABS(アンチロック・ブレーキ・システム)だ。この時代のホンダはALBと呼んでいて、テールにALBとデカールが貼られていた、誇らしげに。
 
しかし、当時のALBシステム、信頼性が低かった。ブレーキがロックした際、油圧で踏力を押し戻してロック解除するわけだが、この油圧がすぐに抜けるようになってくる。すると、走行中ずっと油圧ポンプが作動し続けて、ガラガラガラガラうるさい。
 
そうなった時、CR-XのオーナーはたいていALBシステムをOFFにしていた。このシステムの修理が大変だったからだ。ALBをOFFにしても、アンチロックのない普通のブレーキになるだけで、走行に支障はない。
その後も数多くのパーツを交換した。程度が抜群なのでずっと乗り続けたい。そのためには消耗品を新品に替えておいた方が良い。燃料ポンプも、オルタネーターも、ウォーターポンプも、エアコンコンプレッサーも新品に交換した。

この頃は、クルマだけでなく、生活も激変した時期だった。笹塚から藤代に引っ越しをしたのだ。東京都渋谷区笹塚のシテイボーイが、茨城県北相馬郡藤代町へ行く。あまりの環境の変化に最初は戸惑ったが、何しろ釣りのための引っ越しである。霞ヶ浦がグッと近くなって、週末は楽しかった。
 
また、この頃に爆釣隊メンバーのトモと出会っている。野池でトモが釣りをしているところへCR-Xが風のように滑り込んで来て、ボクと仁がクルマから降りて来て逮捕状(TN/50)を投げたかと思うとすぐに釣った。「さすがは爆釣隊‼︎」とトモを驚かせた。
 
その時の印象が強かったのだろう。後々になっても、トモは「隊長はやっぱり赤いCR-Xのイメージです」と言っていた。


その2へ続く・・・
 
 
 
 
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車遍歴5.サイバーCR-X

2021-02-05 07:00:00 | 車遍歴

サイバーCR-X Si グラストップ ブラック MT

走行距離8.2万キロ 車体価格32万円

グラストップ、ノーマルルーフ、サンルーフと乗り継いで、再びグラストップに戻ってきた。この時期になるとCR-Xは格安中古車の部類に入るようになり、気軽に乗り換えができたのだ。
 
ここまで乗ってきたCR-Xは全て前期型。CR-Xは途中でビッグなマイナーチェンジがあり、VTECエンジンを搭載したSiRが追加された。それに合わせて、ボンネットやバンパー、テールランプなどのデザインが変更されている。
 
ボクは全体的に後期型のデザインが好みだが、ボンネットだけは前期がイイ。このポコっと飛び出たパワーバルジ、これがカッコいいんだよなー。
ところで、このCR-Xに乗って、浅草辺りを走っていた時、パトカーが迫ってきた。左に寄せて止まれという。クルマから降りると、「あ、意外に年を取ってるな」という失礼な一言。さらにクルマの中を見せろという。
 
警官は二人組。年配の方が若いのに指示している。「こういうクルマはナイフなんかを隠し持っていることが多い」。若いのが荷物をガサゴソを調べ始めた。ドアポケットを調べていくと、ギラリと銀色の光! 「おっ⁉︎」嬉しそうな声色、しかし・・・
出てきたのはナビのリモコンだった。「何だ、リモコンか・・・」そのシュンとした声。
 
結局、何も見つからなかったが、それにしても酷い話だ。
こんなこともあった。
当時ボクは笹塚に住んでいて、釣りの時は葛西まで仁を迎えに行っていた。深夜首都高速を走っていると、パトカーが迫って来てクルマを止められた。スピード違反だという。そして取り調べが始まった。
「こんな夜中に何処へ走りに行くんだ?」
「後ろのシートを取り外しているんじゃないか?」
いやいや、CR-Xのシートはもともと犬も参るシートだし、走りに行くんじゃなく釣りに行くんだけど。竿も積んであるだろうが。
 
足回りやら、タイヤやらも調べていたが、全てがノーマルだと分かると、「気を付けて行くように」と、あっさり放免。本当にふざけている。いくらCR-Xが街道の狼(当時の中古車雑誌にそう書かれていた)だったとしても、相当な偏見があったのだろう。
ハンドルはやはりナルディを継承している。このハンドルを握ると、自分のクルマだと感じるまでに慣れ親しんでいた。
 
このCR-Xは大きな事故こそなかったが、ドライブシャフトブーツが破れてベアリングが錆び付き、ガリガリと音が鳴るようになってしまった。エアコンのスイッチも弱風が効かなくなり、マックスでゴーゴー吹かせるだけになった。そういう問題もあって、2回目の車検の時に乗り換えることに。
 
確かに修理も含めた車検の見積もりが37万円と高かったこともあるが、乗り換えに踏み切らせた大きな理由があった。それはクルマのカラーである。ボクが一番乗りたかったカラー。新車の販売台数が少なくて、なかなか中古市場に出回らなかったカラー。マニュアルのSiのワインレッド。それを見つけたからだった。
 
 
 
 
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車遍歴4.サイバーCR-X

2021-02-01 07:00:00 | 車遍歴
サイバーCR-X Si サンルーフ ブラック MT
走行距離6.5万キロ 車体価格35万円
 
ダートラCR-Xを修理すると、車検と合わせて40万円超。それよりも安く新しいCR-Xが購入できた。この頃からCR-Xの中古車価格が一気に下がってきたのである。
 
今度のクルマはサンルーフ仕様。これでグラストップ、ノーマルルーフ、サンルーフと、CR-Xに設定されていた3タイプのルーフ全てを乗り継いだことになる。ただ、この時期のホンダのサンルーフは、アウタースライドで、走行中にルーフが外れて落ちるトラブルもあった。そのため、最初は何度か試しに開いたが、以降全く使わなかった。
ところで、グラストップ仕様は夏の暑さが大変だという話をよく聞いたが、こうして3タイプを乗り継ぐと、グラストップが特別暑いわけではないと分かる。むしろノーマルルーフが暑い。グラストップよりも屋根が熱くなる感じだった。いま考えると、さもありなん。赤外線遮断のコーティングがされたガラスより、黒い鉄板の方がはるかに熱を吸収しそうだ。
 
御覧の通り、このCR-Xでもナルディのウッドハンドルに交換されている。
この3台目のCR-X、買って早々にスクーターに突っ込まれた。言問通りの近くだったが、佐川急便のドライバーが伝票を道路に落として、それを拾い集めていたため、クルマを止めて待っていた。ドライバーが全て拾い終わり、手を上げてボクにサンキューの合図をした時、後ろからズドーンとぶつかって来たのだ。
 
相手は歩道にまで吹っ飛んでいて、すぐに救急搬送され、ボクは事故の検分のあとで警察署に行った。すると、ボクに事故の責任があると警官に言われた。入院した相手が「何もない所でわざと急ブレーキをかけた」と話しているという。
 
しかし、すぐに空気が変わってきた。あの佐川急便のドライバーさんが警察署に来てくれて、事故の証言をしてくれたからだ。「自分が伝票を拾い集めるのを待っていてくれて、その後でスクーターが突っ込んで来たんですよ」。
 
それで問題はなくなった。クルマはバンパーが大きく凹んだが、翌日になると元に戻っていて、ここが当たった箇所だとわずかに分かる程度の傷しかなかった。それで修理代の請求は止めてあげた。相手の怪我が酷いので。ただ、一応は病院に行き、釘だけは刺しておいた。悪いのはそちらだと。
 
この時期の水郷爆釣隊のメンバーは3人。ボクと仁と自称エース。3人のクルマは各々CR-X、シビックフェリオ、プレリュード。そのCR-Xとプレリュートが潮来釣り具センターを出発して釣り場へ向かう。CR-Xのドアミラーが銀色なのにご注目。買った時から銀のカバーが着けられていた。
このサンルーフCR-Xに乗っていた期間は短かった。重大なトラブルが発生したからだ。それは環七を走行中に起こった。
 
ある陸橋を越えた時、前方の信号が赤になっていた。ブレーキを踏む。すると、手応え、いや、足応えがなかった。スカッ! ブレーキを踏み直す。スカッ! ブレーキペダルが床まで入るが、全くブレーキが掛からない!
 
ヤバイ! 赤信号でクルマが止まっている。このままだと突っ込むゾ!
 
バウゥゥーン‼︎ バウウウゥゥゥーン‼︎ 
ギヤを2速、1速に叩き込みエンジンブレーキを掛ける! サイドブレーキを引く!
 
追突ギリギリでCR-Xは止まった。接触してないかクルマを降りて確かめたが、1センチほどしか隙間がなかった。本当にギリギリだ。
 
ハザードを出してクルマを路肩に寄せる。ブレーキはスカスカのままだ。これではどうにもならないと、すぐ近くのホンダに持ち込んだ、1速だけで走って行って。
 
ホンダで確認すると、どうやらブレーキのマスターシリンダーが割れたようだ。修理代は相当にかかるという。そう、新しく中古のCR-Xを買うよりも。
だから仕方なく次のクルマを探した。安いCR-Xはすぐ見つかった。調布のショップで。この頃にはもう底値になってきていたのだ。
 
新しいCR-Xを受け取りに中古車屋に行く。ブレーキの壊れたCR-Xはその中古車屋が引き取ることになっていたのだが、何と自走して持ち込んだ。
 
新しいCR-Xを受け取り、帰りがけにショップの店員に注意をしておく。「このCR-X、ブレーキがぜんぜん効かないから動かす時は注意してください」。店員は、大袈裟なことを言いやがって、といった態度でCR-Xに乗り込みエンジンをかける。と、クルマから飛び出して来た。
「どうやって運転して来たんですか⁉︎」
いや、1速とサイドブレーキで・・・
 
いま考えると、やっちゃいけない行為だな。でも、壊れたクルマでホンダから帰る時も別に止められたりはしなかった。恐ろしい時代だった。深く反省している。


 
 
 
 
 
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車遍歴3. サイバーCR-X

2021-01-27 07:00:00 | 車遍歴
サイバーCR-X Si ノーマルルーフ ブラック MT
走行距離64000キロ 車体価格48万円

もうCR-Xは無理だろうと、もっと安いクルマにターゲットを絞り中古車探しが始まった。候補最右翼はシティ。シティなら走りは折り紙付きだし、価格もかなりこなれている。葛西、浦安近辺と多摩地区を中心に探りを入れた。

多摩で見かけた初代のMR2や、立川で見たスープラ2.0ターボも気になったが、MR2はシフトレバーの位置に違和感があり、スープラは買った後の維持費が大変そうだったので止めた。そして立川のちょっと先、拝島で格安のCR-Xが展示されているのを見つけた。

相場より30万円ほど安い。シティと変わらない。これならCR-Xを諦めないで済むかも知れない。

しかし、なぜ安いのか?
それを確認すると、どうやらダートラ仕様に手が入っていることと、装備の問題のようだ。

まずウィンドウが電動でない。レバーをクルクル回すヒューマンパワーウィンドウだった。そして、変なクイックシフトが入っている。ダートで飛んでくる小石などからラジエターを保護するため、メッシュが取り付けてある。

そしてLSDが入っていた。ダート走行時にトラクションを確保するため、純正オプションのビスカスLSDでなく、サーキットなどに向く強力なヘリカルLSDでもなく、左右直結のメカLSDが着いていたのだ。これが舗装道路でキツイ。交差点で曲がる時にはバッキンバッキンバッキンと金属音が鳴り響き、ハンドルに衝撃が出る。

どうしようかと迷ったが、やはりCR-Xに乗りたかった。装備には目をつぶって購入した。

納車の日になって、仁のフェリオで拝島まで行き、クルマを受け取る。しかし、店の中にはCR-Xがなく、裏に置いてあるという。

店の裏に出てみると墓地だった。しかも、墓と墓の間にCR-Xが止められていた。それを見ていた仁が言った。「墓場から来たクルマだ」。

このクルマ、猫の呪いもかかっていた。購入してから半年ほど、やたらと猫をはねた。路駐しているダンプの下から猫が飛び出してバーンとはねる。クルマから降りてみると、猫の姿はなく、ボンネットやバンパーに血飛沫が飛んでいる。そんな事が十数回も起こった。

エンジンルームの中に猫の死骸が張り付いているのでは? 会社の同僚がそんな事を言っていたが、もちろんそんな物は憑いていませんでした!

半年ほどで車検がやってきた。その車検の時にホンダに頼んでメカLSDとクイックシフトを外してもらうことにしたが、困ったのがタイヤである。すでに溝が残っていない。このままでは車検に通らない。

だが、カネもない。カネがないのに無理くりにCR-Xを購入したのだ。車検が残っていたので買う時は良かったが、まさかタイヤ交換をしなければならないとは。

やむなくオートバックスに行き、安いタイヤを物色する。一番安いのはオートバックスオリジナルのタイヤ。確かボルティーグという名前だった。それを着けてくれと店員に言うと、訊き返された。「本当にこれをCR-Xに着けるんですか?」と。仕方ねーだろ。カネがねーんだから!

このボルティーグが教えてくれた。タイヤの大切さを。

スラロームテストをすると恐ろしいほど曲がらない。ステアリングを切ってからクルマが向きを変えるまでにタイムラグがある。グリップ力もない。すぐにキイイイーと変なスキール音が出る。
「ボルティーグが泣いている!」
仁にやたらと揶揄わられた。

しかし、このボルティーグ、グリップがない分、転がり抵抗も少ないようで、軽い車重(ノーマルルーフ、パワーウィンドウ無しなど)との相乗効果か燃費が抜群に良かった。リッター19キロ、最高でリッター22キロを叩き出した。ありえない数値だ。

そして2年近くトラブルもなく、あちこちに出かけていたが、ある時大事件が。それは仁と釣りに出かけようという夜中に起こった。道路工事中の交差点の中にコンクリートのブロックが置かれていて、それに乗り上げてしまったのだ。深夜、街灯が無い場所にコンクリートなんて置いておくなよな。ライトが照らす範囲外は見えないんだから。コーナリング中にボーンとクルマが跳ね上がったからビックリしたぜ〜。

とにかく、それで運転席側のタイヤが前後共に破裂。タイヤの側面が破れて、ホイールからベロっと剥がれる事態に。

その日はとりあえず仁のフェリオで潮来に行き、釣りを終えて帰って来てからオートバックスへ。CR-Xとフェリオのスペアタイヤを履かせてタイヤ交換して来た。しかし、タイヤ交換だけではダメだった。

しばらくして、走行中に突然スピンした。高速道ではまっすぐ走らなくなっていた。そして、交換したタイヤがパンクした。タイヤに触れてみる。指に激痛が走った。タイヤの中からワイヤーが飛び出していて、それが指に刺さったのだ。

サスペンションが歪んでいて、タイヤが片減りしていた。タイヤは大きくハの字に開いていた。
この頃には次の車検が近づいていたが、車検代とタイヤ交換、サスの修理となると、買い換えた方が安く済む。この頃になるとCR-Xもかなり安くなってきていたのだ。

結局、2台目のCR-Xは修理をせずに、ここで次のCR-Xにバトンタッチすることになった。この時点で走行距離は12万キロ。よく走ってくれたクルマだった。

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車遍歴2. サイバーCR-X その2

2021-01-25 07:00:00 | 車遍歴
サイバーCR-X Si グラストップ ブラック 5速MT
走行距離3.5万キロ 車体価格89万円

トラックにぶつけられ、ほぼ全損状態になったCR-X。しかも相手は無保険車である。しかし、何が幸いするか分からない。無保険だったことで相手もパニックになっていたのか、持ちかけてきた話はこうだった。
「修理代を全額出すので、それで終わりにしてもらえませんか?」

何と、こちらは何もしなくて、向こうが全ての責任を被って修理代を出すという。いや、それはそれでいいけど、ここまで大破すると、新しいクルマを買った方が安いですよ。新車でも安いだろうし、中古で同程度でも不満はない。そう伝えたのだが、騙されることを警戒しているのか、とにかく修理しますとのことなのだ。

全てをバラし、フレームの矯正からスタート。3ヶ月近くも掛かる大修理で、費用は187万円也!

丁寧に修理してくれたのか、フェンダーやライトの隙間とかにもズレがなく、キレイに直って帰って来た。

この修理の後でハンドル交換も行った。シビックから外していたナルディのハンドルとシフトノブをCR-Xに移植したのである。

ワンダーシビックとサイバーCR-Xではハンドル周りの作りが違うので、当然ワンダー用のボスとサイバー用のボスは違う。しかし、当時はハンドル交換の市場が大きかったのか、ワンダーのボスに継ぎ足してサイバーに合わせられる中継ボスがあって、ボスを2個重ね合わせるようにしてナルディのハンドルを取り付けた。この2個重ねのボスは、その後もずっと使い続けることになる。

この頃になって、仁も我慢ができなくなったのだろう。クルマを買い替えた。以前は同じワンダーだったが、その時もMTとATの違いに嫉妬していた。それがATのワンダーとMTのサイバーになったため、どうしても仁もMTに乗りたくなったようだ。

そして仁が購入したのは発売されたばかりのシビック、スポーツシビックのフェリオSiRだった。

フェリオを手に入れた仁はすぐさまボクのと同じウッドのシフトノブを買って来た。しかし、ナルディのプレートが付いたノブは売り切れていて、仁が買って来たのは無限のシフトノブ。

だが、仁のフェリオに無限のパーツは着いていない。そこで、仁はノブを交換してくれないかと持ちかけてきた。ボクのサイバーは無限のホイールを履いていたからだ。

こうして、シフトノブを交換して以来、ずっとこのウッドのノブを継承して来た。今のホビオには着けていないが、このノブは大事に取ってある。いつか、このノブの出番があるかも知れない。

ボクが買った2台目のクルマ、このCR-Xとは約5万キロを共に過ごしたが、別れの時がやって来た。それは中央フリーウェイでの出来事である。

その日、仕事でCR-Xに乗っていたボクは立川の某百貨店へ急いでいた。約束の時刻15分前にまだ日本橋にいたボクは、高速に乗り、立川への道を飛ばしていた。

前を2台のトラックが並走していたが、その荷台から何かが崩れ落ちて来た。それがトラックとトラックの間から飛んで来て、視界一杯に広がった。ヤバイ! 咄嗟に大きくハンドルを切って落下物をかわした! と、CR-Xがハーフスピン状態になってコントロールを失った。

よく事故の時などスローモーションに感じるという。あれは本当である。斜めになってスッ飛んで行くCR-Xが高速道路の左の壁にぶつかろうという時、頭の中では色々と思考していた。「このまま真正面からあのコンクリートにぶつかると即死するかも知れない。何とか斜めに、左側面からぶつけて、運動エネルギーを減らせられないものか? もう少しだ。もう少しだけクルマを右に向けられれば、側面を当てられる」

アドレナリンが大量に出て、脳の思考スピードのリミッターが外れるのかも知れぬ。結構冷静に考え、操作して、左側面から壁にぶつけることに成功した。

ガガガがガガガ! 壁にぶつかった衝撃を受けながら、よし、これで死なずに済むぞと思った瞬間、クルマがガタッと傾いたかと思うとスピンした。後で調べるとタイヤがクルマの下に潜り込んでいたから、サスの付け根の辺りが折れたのだろう。それでスピンして、中央分離帯の方へ吹っ飛んだ。

ガツンと中央分離帯にぶつかって跳ね返り、再び高速左の壁にぶつかって跳ね返り、再び中央分離帯へ飛んで、後ろから分離帯に乗り上げて止まった。エンジンはまだ回っていたが、サスが折れているから動けない。オーディオからは稲川淳二の怪談がまだ流れていた。

幸いなことに怪我一つしていなかったので、クルマを降り、緊急電話の所へ行ってJAFを呼ぶ。JAFはすぐにやって来た。そして、CR-Xのフロントを台車みたいなのに載せ、後ろをレッカーに引っ掛けて搬送したのだ。ボクはCR-Xの運転席に座らされていた。後ろから来るクルマの運転手と目が合う。みんな、情けないヤツめという表情でこちらを見ていた。

JAFは国立府中の料金所を出た所までしか搬送してくれなかった。そこからいったん葛西の会社へ戻り、ハイエースで国立府中へ行き、ホンダにCR-Xを引き取って貰った。もちろん廃車である。

ハイエースには他の社員も乗っていて、CR-Xの前で記念撮影。もうこれでCR-Xに乗ることはできないだろう。CR-Xばかりか、ワンダーシビックのローンもまだ残っている。次にクルマを買うとしても、安いボロ車が精一杯だ。

ところで、トラックからの落下物。あれは毛布でした。載せている荷物が傷付かぬよう巻いていたボロ布のような毛布。飛んで来た時は壁のようにみえたんだけどね。

落としたトラックは、気付かずに走り去ってしまいましたとサ。



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車遍歴2. サイバーCR-X

2021-01-22 07:00:00 | 車遍歴
サイバーCR-X Si グラストップ ブラック 5速MT
走行距離3.5万キロ 車体価格89万円

大学時代、神田神保町のパーキングエリアに停まっていたのを見て以来、将来乗るならこのクルマと決めていたCR-X。クーペスタイルの非日常感と、ボディの小ささからくる手の届きそうな身近さが、無理をすれば所有できる気にさせた。その頃は笹塚に住んでいたが、京王線の高架下の駐車場にもCR-Xがあって、それを見るたびに、CR-Xがあれば生活が劇的に変わると夢見ていた。

そのCR-Xを所有する時が遂にやって来たのだ。

My dream came true CR-X!

このCR-Xは抜群のコンディションだった。ボディもピカピカで、オーディオはカロッツェリア。リアのスピーカーはカロッツェリアのロゴが光る高級タイプ。鉄チンだったシビックと違いホイールは無限のアルミで、当然事故歴もない。多摩地域の中古屋で手に入れ、社員寮のあった葛西まで初めて運転して帰ったが、その重厚感に驚いた。

重厚感というと、そんな馬鹿なと思われるかも知れない。CR-Xの重量は900キロを切っていて、今では超軽量のライトウエイトスポーツとして記憶されているからだ。だが、この時、ワンダーシビックから乗り換えた時には、本当に重厚感を感じたものだ。葛西橋の大きな段差を乗り越える際に、シビックはサスがボディから千切れるのではという不安感があったのに、CR-Xはグムグムグムと何なく衝撃を受け止めて跳ね上がりもしなかった。これは凄いと驚かされた。

ただ、少し不安も覚えた。ボディが重くなって、走りの軽快さが失われているんじゃないかと。ワンダーシビックより100キロも重いわけだから。

そこで、購入した翌日、動力テストをしてみることにした。サイバーCR-XのZCエンジンはネット130馬力とワンダーのZCよりもパワーアップされている。重量増を相殺して、十分な加速性能を持っているかも知れない。

まだ完全開通していない道路でフル加速を試してみた。

発進時のトラクションは前よりある感じがするが、1速の加速はワンダーの方が優っている気がする。これは、その後も感じたことだが、CR-Xの1速はあまり速くはないようだ。アクセルを大きく踏み込めば別だが、街中でも1速からプンと前に出たりはしない。

しかし、2速から先はワンダーよりも優っていた。ビーンという感じで振動が増えることもなく、高回転まで吹け上がっていく。それに静かだ。ワンダーは車内に結構エンジン音が響いて、女のコと喋るのに邪魔な感じがあったが、CR-Xはデートカーとしても使えそうだった。

そして、もう一つ大きな違い。それは高速道路。100キロを超えた時の警告音だ。ワンダーはキンコンキンコン鳴り響いてウザかった。CR-Xはそれがない。それだけでもまさに時代は変わったのだった。

そこに惨劇が起こった!

左側面からトラックにぶつけられ、そのまま幅寄せされて押し出され、右側中央車線に置いてあった工事中のコンクリートブロックに激突。トラックとコンクリートに挟まれて止まった。

左側面からぶつけられたのに、右側の方が激しく損傷している!

購入してわずか1日、CR-Xは全損状態に陥った。ぶつかった瞬間に、目の前を何か黒い物体が通り過ぎて行ったが、それは左側のドアミラーだった。左の窓を突き抜けて、右の窓を突き破って飛んで行ったのだ。電動ミラーの重たいヤツだったから、飛んだ位置が少しズレていたら、ボクの頭が吹き飛んで即死だったと思われる。ボディはフレームが菱形に歪んで、とても修理ができそうにない。

さらに大きな問題があった。

相手のトラック。これが何と任意保険に入っていなかった。無保険車だったのだ。大変なことになった。

その2に続く

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車遍歴1. ワンダーシビック

2021-01-21 07:00:00 | 車遍歴
ワンダーシビックSi ホワイト 5速MT
走行距離3.1万キロ 車体価格35万円

初めて買ったクルマはワンダーシビック。合宿での免許取得に資金を使い果たしていて、5千円を握り締めて中古車屋を回った。狙いはCR-X。しかし、CR-Xは資金不足でどうにもならず、結局、同じエンジンを積むシビックを購入したのだ。事故歴有りで割安だったが、クルマは相当ヤレていた。

ボディに相当の傷ヘコミ、マフラーが腐食していて、実際、しばらくして落下。針金でマフラーを吊っていた。ただ、このクルマのおかげでクルマについて詳しくなった。ボンネットの凹みを裏から叩き出して直したり、傷をパテで埋めて塗装したり、伝送系の配線をやり直したり。こういうのを経験できたのは大きい。

ハンドルを換え、シフトノブを換え、PIAAのステッカーで傷を隠す手法など、元が安くてボロボロだったから、何でも気兼ねなく手を入れられたのだ。

このシビックに取り付けたウッドハンドルはナルディ製。その後CR-Xに乗り換えて以降も脈々と受け継がれたハンドルだ。このハンドルを買う時に、格安のウッドハンドルと大いに迷ったが、奮発してナルディを買ったのは正解だった。握った時の質感の良さ、長い間、ずっと満足感を与えてくれたのだから。

走りは爽快。初めてのクルマだから、比較対象は会社の乗用車になってしまうが、ハイエースやセレナ、スプリンターカリブとは比較にならなかった。エンジンのパワーの盛り上がり、吹けが違う。もっともボディがペラペラで軽かったこともある。グロス135馬力のZCエンジンに800キロを切る車重である。機敏なのは当然だろう。

このシビックで葛西橋通りを走っていた時のことだ。

信号待ちで隣に同じワンダーシビックが止まり、挑発を受けた。
「おい、シグナルグランプリをしようぜ!」
仁だった。走るために生まれてきた男。疾風の仁。当時、仁は同じワンダーシビックSiのATに乗っていた。ボクのはMT。それが羨ましかったのか、やたらと挑発してきていた。ATのシフトレバーもガングリップタイプに換えていたし。

で、シグナルグランプリ。信号が青に変わりスタート! タイヤから煙を上げて2台のシビックが加速していく。

その瞬間、何か嫌な感じがしてボクはアクセルを戻した。仁は勝ち誇ってブッ飛ばして行く。そして、ボクは気が付いた。違和感の正体に。ルームミラーに映る赤い光。回転する赤色灯。背後に白バイがいたのだ。

白バイは暴走する仁のシビックを追いかけて行く。やがて、仁のシビックがガクンとのめり、突然スピードが落ちていった。白バイがシビックに並走し、警官が手の平を下に向けて動かして、仁に落ち着けとメッセージを送っている。

ボクのシビックが加速して、仁のシビックを追い抜いた。運転席を見ると、仁が両手でハンドルを握り締め、オロオロしていた。


このワンダーシビックはプライベートだけでなく、仕事でも使っていたので、走行距離はグングン伸びた。1年後には訳10万キロ。最初の1年でおよそ6万5千キロも走ったことになる。

そして、最期は唐突にやってきた。
曙橋駅のすぐ前の辺りで、フジテレビのジャガーに突っ込みペチャンコになってしまったのだ。仁に電話をかけ、会社のハイエースを呼び寄せる。それで牽引してもらって自動車工場へ運び込み、廃車の手続きをしてもらった。

また新しいクルマを探さなければならない。今度はどうするか? 無理をしてでもCR-Xを購入するか?
中古車ショップ巡りがまた始まった。
コメント (2)
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