先週、帰省した際、因島公園に登ってみた。公園は実家から歩いて5分ほどのところにある。食後の腹ごなしのちょっとした散歩である。
公園への山道は鬱蒼としていた。昔と違い、登る人も少ないのか、ひどく苔むした感じだ。
無理もない。この坂はかなりキツい。因島は高齢化が進んでいる。昔、この山道を毎日のように登った人も、今はもう歩けなくなってしまったのだろう。 ボク自身、この道を軽快に登っていたのが信じられないくらい、膝が笑っている。
ほどなくして、第2公園に辿り着く。ここはかつて拳法の修行場だった。
将棋世界という雑誌の変な酋長・ゴッチが、中学の頃にここに通っていたのだ。そして鉄棒にゴムをくくり付けてグイグイ引っ張ったり、長い棒をビュンビュン振り回して、映画「酔拳」に出てくる棒のオッサンのようなワザを繰り出していた。
しかし、兵どもが夢の跡、かつてゴッチのパワーを受け止めた鉄棒も、今はもう無い。修行場の先にあった休憩所も、ジャンボ滑り台も。
休憩所の跡へ行き、眼下を見下ろす。瀬戸内の海は変わらずに輝いている。小学校の校歌を思い出した。
朝夕映えて 天狗の山も 絵にさえ優る 誉れも高き 瀬戸内海を 見はるかし 我らの行く手をことほぐや 望みの海行く誠の船路