沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩 8 自己嫌悪

2007年03月27日 10時50分27秒 | 手記
 人生は最初からこたえていた、女のようにもろかった、女のように後を引いた、とはいえ、男がもろくなく、あとかたもなくすっきりしてるわけではない、一から批判しなおせば、複層心理を分析しもつれたいとを解きほぐすように、ぼんやりした不安と焦りとあいまいな自己意識を霧が晴れるように明かしたい、要は頭が悪いのだ、もう遅い、この期に及んでは、もっぱら正直のところを洗いざらいさらけ出し、後は野となれ山となれ、ついでに川や海となれ、と願う、明鏡止水は無理、さらさらの砂がいい、砂漠、乾き、

詩 7 半島

2007年03月24日 18時08分44秒 | 手記
 おかっぱの少女が朝鮮人だったかどうか、今では知る由もないが、5、6人の少年にかこまれて真ん中に打ち倒れるようにしゃがみこんでいる、彼女が多少器量悪だったことが原因のひとつにちがいない、一人の少年が「人生かっぱ」と言った、それがどういう意味かは知らないし、かつて聞いたこともない言葉だが、そこにいる誰もがその不気味な嘲笑を理解していた、それはようやく中流階級が根つき始めたこの国の、貧困を衣服やなにやらに体現している、そういう階級の子供を侮蔑する言葉の一種だった、そして無表情に無抵抗に黙っていわれるがままの少女は、しかし意外に泣き顔も見せずしょげる様子もなく、....、それから何日かのち少女がその辺の子供たちと、わけへだてなく遊んでいるのを見て、妙にうれしい気分がしたのはどういうわけか、

詩 6 少年

2007年03月23日 00時07分54秒 | 手記
 ストーブの上の薬缶が湯気を上げている教室の、窓からは校庭の降り積もった雪がみえる、雨が降る日は薄暗い廊下に生徒たちの匂いがして、木造の校舎は...他愛のない「ふざけっこ」、心に残るのはくやしさや、はずかしさ、後悔、ばかり、黙って沈み込む少年は、主張するより俯いてしゃがみこむ、そのとき大人は何を思い、判断し行動したか、気が弱く消極的、引っ込み思案、内向性、...、

詩 5 ある日

2007年03月20日 18時22分46秒 | 手記
 体育館の窓の外側に木の棒が渡してあって、そこにつかまり中をのぞくとその顔があった、それは理髪店の娘で何度か見たことがあったが、何度も見たいと思ったからダンスをするその顔を見ようとした、記憶はそれだけ、一級上とは後に知った、感情に意志が加担することはなかったし、朧な思いは少年のなかで淡雪のように消えた、まじかに見たのはその子の卒業写真だった、

詩 4 なにものか

2007年03月19日 19時43分43秒 | 手記
 巷では「有楽町であいましょう」が流れ、「黒い花びら」が流れ、鉄道の電化が進んでいた、足元の鉄路にも電気が...といわれドキっとした、小学館の学習雑誌を心待ちし、友達の漫画本に夢中になり、パッチ、ビー玉、チャンバラ、独楽、かくれんぼ、鬼ごっこ、国取り、

詩 3 記憶

2007年03月08日 23時21分06秒 | 手記
 
麦を噛むとやがて甘くガムのようになり、そこは盛土した麦畑で近くに幼稚園があった、黒いコロはある日自動車にはねられ死んだ、今まで呼び捨てで遊んでいたたこが入学したその日から、自分一人の世界が広がったような記憶、と同時に自分だけが取り残されるという感覚に目覚める、ふと見上げるとその子は妙にいじわるそうに顔をしかめて見せた、嫌われる?、洟を2本垂らした少年がどこを見てるのか、つないでいる手は知らない人の手、桜の木の下で母と撮った写真、大人たちに囲まれてポケットに手を突っ込み立っている写真、コウモリを捕まえて蝿を餌にやっている、