沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩71

2010年05月22日 07時40分28秒 | 手記
 後退的保守主義の自民政権からやや前進的保守主義の民主政権に移行したとして その保守主義の土性骨にはいささかの変更もないが ただ野党的反面教師的弁証法的現象による結果的民主主義の実効性が小沢効果で可能になるなら もしかすると国民にとって初めて民意が反映する直接的民主主義を可能にするかもしれない この場合鳩山君は担がれた御輿であり余りその功罪を問う必要はないだろう むしろ国民は実質的結果のみを見据え結果の功罪のみを評価するのだ 普天間は全く実現性のない現行案に決着するだろうが 要は沖縄県民がこのことにより強制執行を水際で食い止めるこれまでの民衆運動を引き続き継続していく決意に変更をきたさないようにすることだ 

詩70

2010年05月12日 11時17分02秒 | 手記
 あらゆる人間が方々でのたまっているだろう事をさも本家のごとく語ってみても詮方ないとりわけ政治面のことは諸説紛々横行しているだろう事は容易に推察できる 従って勢いに任せて弁舌を振るうことはジャーナルとしては有効でも時間とともに事実によって打ちのめされるのは目に見えている しかしその段で宜野湾を取り囲む人の鎖に 君らの行為は無益だということはできない しかもこの行為は戦後65年連綿として続いてきたひとつの叫びそのものであり そのたびに踏みにじられてきた行為であり しかも今後も続くとしかいいようもない行為だから 無視と抑圧と蔑視の歴史が沖縄の 琉球処分以来の日本史であり誰も気づかない日本人自身の差別的日本史であり 同時に沖縄を日本と精神の深処で切り離すまぎれもない事実である    

詩69

2010年05月10日 10時29分57秒 | 手記
 この愚劣極まりない政権のおかげで沖縄はその誇りと人間性の最後の砦を失望のうちに閉鎖せざるを得まい 国を守る家族を守る命を守る おまえたちにとって沖縄は国じゃない家族じゃない命でさえない この国の理念なんてものはくそくらえだ 死に絶えた国に夢も希望もあるものか いつまでアメリカに尻尾を振り続けるんだ そもそも楽してもうけようという根性がきにいらない 自国の国防をなんでよその国にまかせて安心なんだ 形容矛盾じゃあないかいな 

詩69

2010年05月07日 11時07分15秒 | 手記
 鳩山大学病院は沖縄という患者に普天間を巡って実験的治療を施した つまりこの首相はインターンにすぎず 様々な予見的治療法を編み出しては決して治癒しない 痛みの伴うなんの効果もない実験を繰り返し 最後には「お宅は治療不可能ですのですみやかによその病院へおいでください」ときたもんだ このような坊ちゃんインターンに ほんの少しでも期待を寄せた沖縄県民は65年の虐げられ蔑まれ無視され翻弄された永い戦後を 不毛な県民闘争に引き戻される歴史としてしか語れない インフラ整備やら振興策やら恩着せがましい言い訳がまかり通っているが 国の施策としては当然以下のことを アメであるかのようにあたえたのだが恩恵に浴したのは本土のゼネコンであり 中小企業にはなんのメリットもなかったのだ つまりこの国は沖縄に対してただ負担だけを強いたのであり この不公平性は多くの論を要しないまぎれもない事実であり 薩摩藩に侵攻を許して以来沖縄の屈辱の歴史にはなんの改善もなかったのだった 

詩68

2010年05月05日 11時22分09秒 | 手記
 自民党より民主党がいい 比較的いいという感触で70%の有権者が選択したこの政権は実は少なくとも沖縄に関しては言わずもがなのことを公約したものだから とうとう馬脚を現した しかもこの金持ちのぼんぼんは自己責任という小学生にもわかる倫理観をほんの少しも持ち合わせなかったという体たらくだ しかしもはやこれ以上なにもいうことはない 沖縄県民はこれからも今まで同様に基地反対を言葉と行動で表現し続ける 現実には安保の破棄以外に有効な手段はない もはやだまされまい 

詩67

2010年04月27日 19時58分07秒 | 手記
 君は何故 怒り狂い 叫び 泣き喚き ギラギラとした憎しみと恨みで あの者たちに血走ったまなこを刺すように向けようともせず あの嵐を孕んだ どちらかといえば高い波頭を見せる穏やかにたゆたうチュラウミのように 静かに深く悲しみとあきらめの沈潜をみずからえらみとるのか 
 あの者たちは 対岸の火事を 更に遠く去った遠隔地に住し 時々マスコミに遡上する外国のような響きを伴った名の島を 夢でも見るがごとく 非現実な時間のかなたへかすませているにすぎない 一方あの者たちのヒイじいさまたちは 君の国を異国の占領者たちに売り払い どうぞお好きなようにと差し出した だから君の島は 君の島なのにあの者たちの島なのだ いやあの者たちの島なのに 外国の領土の一部と化した この現実が確定的なのだ 

詩 66

2010年03月30日 10時47分40秒 | 手記
 そこは彼にしてみれば禁断の地のような匂いに満ちて別種の空間であり 禁句のようなささやきに支配された僻遠の地としてのみ頭骸の陰にほんのちょっぴりひそんでいた 悲痛な叫びは迸る涙を呑んでいつしかアッケラカンとしたサンシンの弦の上に南国特有の軽々とした旋律を奏でる 65年前の嵐のような血みどろの殺し合いと信じがたい祖国の裏切り いうに言われぬ恐るべき差別 そして今に至る妄想に満ちた核の傘というアメリカ支配 腑抜けと化した祖国の為政者たちは飼い犬さながら盲従し この地を蝕むにまかせこの地の人々を蹂躙し 今また薄弱な希望の挙句に裏切りの地獄への第1歩を偽善的に歩ませようとする 怒れ怒れ怒れ 死していかれ いまや涙のままに爆発的に噴煙をあげ 足踏み鳴らしてプロテクトせよ
 彼は言葉足らずの感情の湧き上がるさなか 仇敵を凝視する柔弱な青侍のように頼りなくだが これから起こらんとするこの国の歴史を確かに少しも見逃すまいと身構えた

詩 65

2010年03月25日 16時43分41秒 | 手記
 人間として生きとし生けるものとしてこの生存の実像を確かめることはいつも悲喜劇の舞台からスポットライトを転じどちらかといえば宇宙の隅っこを照らすようなしかも光は届かぬような作業であり しかもそれなくしては到底救いがたく更にいえば救済不能な実態にあってさえ不可欠な精神の働きに属する   

詩64

2010年03月02日 16時34分45秒 | 手記
 さて神は 希望など齎さない その代わり時間を試す 人はあらゆる場合において徐々にだがある結論に導かれる 五感が直接間接感得したものの最終的誤謬を切り落とす瞬間まで 肉体は耐えなければならない 人は往々にして一生を誤謬の中に過ごさぬとも限らない いや残念ながら大多数は大小の誤謬に生きることを余儀なくされているのだ ところでこの数学的不合理にもかかわらず人は盲目のままに何十年という時間を費消し倦むことなく誤謬を繰り返す シジホスの神話を論うまでもない バケツの水を交互に入れ替えるという刑罰で発狂する囚人の話をドストエフスキーが書いているがなんという皮肉か いったい誰がこの過ちに気づかせるのか 神は希望など齎さないばかりか惨たらしく希望をもぎ取るのだ しかし神は言う それは希望ではないと いやそうも言っていない ただ無残にこそぎとっていく それでも人はたえねばならない つまり「手や足がもぎ取られても全身が地獄に落ちるよりはましだ」とかいいそうだ すべて信仰によらざれば罪 

詩63

2009年12月09日 15時44分41秒 | 手記
 さて境遇については取り敢えずそういうことにしよう 精神が失せ醜悪が残置された 地獄が現前する 選ばれてないことへの覚醒と確信 どちらも死を通してしか見えてこない 言葉の反逆 最早辛うじてのバランスはいらないしかつてあったこともない ただ所詮はある者につき眼を開けるというのだがどうもそんななまやさしいものではないようだ 自ら眼を閉じるということもあるのだから 美顔術にはとうに飽きている 

詩62

2009年10月23日 06時44分45秒 | 手記
 神が僥倖をけちったことから始まって人生はおよそ愚にもつかない茶番としてしか機能しなかった しかも与えられたのは凡俗のいたいけな心臓ひとつ壊れかけた臆病そうな性格 今にしてようやく彼は民衆のいじらしい生存手段に目を見開かされた ところで神はどうして彼を見限ったのか 理由はわかっている およそ人事はもともと人事だ性懲りもない 一方精神のことは持続される祈りであり 自由の保証である 追いやられた彼を悟性と一体化させること 予定調和は神の本音であろうか

詩61

2009年09月07日 10時44分22秒 | 手記
 この事象において神は何を目論んだのか 生者必滅会者定離奢れるものは久しからず 生きること数10年に及んで図らずもこうした事象は具に見て取れたが一方 なかなかくたばらぬやつらもいることは確かだ 

詩60

2009年09月01日 09時00分32秒 | 手記
 19世紀の世紀末にあった終末論的諦観というものが20世紀末にあったかどうか寡聞にして詳らかにしないがむしろ今世紀の初頭であるこの頃に地球規模の危機感に粉飾されていくところをみると 現代は逆説的杷捉がより根源的な深処を突くというデアレクテックに満ちているらしい 地球は滅びるか人類は如何 人の生き死にというほぼ絶対的運命に重ね いよいよ世界同時崩壊のペシミズムがいたるところをカバーするという しかしながらこうした個人の生死と世界の運命が重なるという認識の度合いはいうより単純でなくひとつかみの天才が予見する場合が多い いうならミツバチの絶滅が人類に重なるという仰天する予言をした科学者がいる 象徴としての自然破壊につき警鐘を鳴らしたといえば殊更言わずともいい 要は核兵器の生みの親がたかだかミツバチの生き死にに注目したという この逆説的把捉が今日のわれわれに漠然とした恐怖感をジンワリとにじませている 原爆とは何か それは君が今ただちにこの世から有無言わさず消し去らされることが現実に起こりえたという事に関して他人事として済まされないものを含むということだ 恐怖体験はしかしのど下過ぎれば元の木阿弥には違いない 

詩59

2009年08月22日 11時36分02秒 | 手記
 彼が生きた時代は戦後朝鮮戦争の始まった年から高度経済成長政策の奔流と列島改造論による挙げての生活水準上昇 一億総中流時代の幕開け といった風景にあって健全な運動会であった学生運動の頃社会を体感し 三島事件よど号乗っ取り赤軍リンチ事件浅間山荘事件など父と子の確執であるかのような奇妙な家族関係的発露を横目に見ながら さてふとわが身に帰って省みれば多くは時代の風潮やらドサクサにまぎれて糊口を潤したばかりで 思想的にまた倫理的に格別の画期的体験が語られることはない 則天去私は理想でなく願望でもなく一つの心構えであり もしそれが秤として絶えず機能しなければ 全ての言行はいつか烏有に帰すであろうと悟ったのは実に彼の晩年であった 

詩58

2009年07月25日 07時45分14秒 | 手記
 まもなく還暦の彼は今になってようやく神に道を問う気になってきたが 肝心の神は彼を見放していた 従って彼の求道心は周囲の強烈な揶揄を招くばかりであった こうした現状を打開する方法はなかなか見出せない 周囲の揶揄は神の揶揄であったし人生は無視された度し難い縁なき衆生のそれであった 誘惑する「美」は時々傍らに来てはその惑わしに満ちた薄絹の裾を素早く空に翻すと何事もなかったように微笑んだ 一抹の希望が蘇ったが一瞬の冷気とともに跡形もなく消え 後はムンムンする暑熱が肌にまとわりつくばかりであった 恐らく「世界」というのは内にか外にかあってもしかすると彼を待っているのかもしれない もし一生辿り着かなかったら一体彼の人としてのレーゾンデートルは彼にとって何だったのか このただ無意味な生命の消長を永遠に見送るのが神の意思か もう一度立ち返るのだ 試すしかない神の業 死が有効だ しかし答えとともに停止と静寂が始まるといえなくもない いずれにしろ賽は振られた