沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩231

2010年11月10日 14時02分05秒 | 政治論
 日本で最も純粋に古来の文化を承継し続けた琉球文化風土は侵略者の鋼鉄の爪に掻き毟られるべくその微細な精神性を近代機械文明の冷徹な浸潤の前に剥き出しのまま放置されていた。文民統制を喪失した軍部主導の米軍参謀本部は戦略的見地だけを優先し沖縄戦に物量を注ぎ込み、この島をズタズタにし人間をナチズムさながらに抹殺した。それは広島長崎にも及んだ。このアメリカ戦争指導の永遠の残忍さは100年後の教科書にようやくポツリと一行を書き加えるだろう。アメリカの傲慢と物質文明的冷淡さは暫くは人類を盲目にする。しかし帝国ローマが滅亡するように現代アメリカ文明は精神性の戦争によって駆逐されるだろう。そのアメリカに敗戦国として犬のように従順な日本はこの先ろくな目にあわない。何故ならこの国は国体護持という巾着袋のためだけに生き残ったのであり、その中身は空虚だ。そして唯一ささやかながら文化的伝統を掛け値なしに守護した琉球沖縄だけがその美しい海と空の間に本来性において生活の王道を歩くべく己の本分を全うする。